浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ガパオライス、らしきもの

dancyotei2016-10-31


10月30日(日)第一食

さて、日曜日。

ご飯が食べたい、と思ったのだが、冷蔵庫にも
冷や飯もない。

炊こう。

なのだが、一番早く炊けるのはなんであろうか。
電気炊飯器では小一時間かかる。

ガスで炊くのが炊いている時間だけ考えれば短いのだが、
浸水が必要なので、やはりそれを入れれば似たようなことになる。

そうだ!。
タイ米をガスで炊いてみたらどうであろうか。

タイ米は浸水をしない。
であれば、純粋にガスで炊いている時間だけで炊けるではないか。

タイ米、タイの香りのよいジャスミン米であるが、
余らせてもいけないので、思い出すと炊くようにしている。
カレーだったりエスニック系以外の和食というのか、
レンジで温めて食べる、普通のご飯としても使っている。
むろん、日本の米よりも多少はポロポロしているが、
慣れてしまっているのか、特に問題は感じない。

今日は、タイのガパオライスにしようか。

肉は前回は鶏肉で作ってみたが、冷凍庫に豚バラがあったので
これで作ってみよう。脂があってうまそうである。
先にレンジで解凍しておく。
また、にんにくとしょうがもみじん切りで用意。

タイ米を炊くのは土鍋にしてみよう。

土鍋でタイ米が炊けるのかどうか。

電気炊飯器の内釜で2合、水加減をして土鍋へ。

まずは強火で沸騰させる。

沸騰したらふたを取り、杓文字で鍋底から返す。

鍋底に杓文字をあてると米粒がくっついているのが
わかるのだが、これを取るのが目的。

ここからはガス台の中で最も小さい五徳のそれも、
最も弱い火にかける。

こんな感じ、で、ある。

水分を飛ばしていく。
火を止めるタイミングは、水分がなくなって、
おこげの香りがかすかにしてくるところ。
従って、弱火にかけて3〜4分したら、つきっきりになる。

匂いを嗅ぎながら、、、ん!。
いいかな。
ふたを取る。

炊けているのか。
見ただけではわからないので、ちょっと取って食べてみる。

う〜ん。やはり、ちょっと芯がある。
さすがに、浸水なしでいきなり炊いて、蒸らしもなしでは
無理があったか。
水ではなくポットの熱湯を、20ccくらいであろうか
全体に、ふりかけて、もう一度ふたをする。
このまま火をつけないで、余熱で蒸らす。

この間に肉を炒めよう。

ガパオライスは、にんにく、しょうがのみじん切りと肉を炒め
調味料は、ナンプラーオイスターソースのみ。

かなり簡単。頭も使わなくてよい。

軽く油を敷いて、にんにくしょうがを炒める。

ここに豚バラ肉を入れて炒める。

火が通ったら、ナンプラーオイスターソース同量をからめる。

味見、、、OK。
仕上げに、粉末の赤唐辛子をふりかける。

さて、ご飯の方。
もう一度、ふたを開けて、食べてみる。

ん!。
今度はOK。

日本の米であれば、浸水をしないと後から
いくら水分を足して蒸らしても、とても食べられるようには
ならないのであるが、不思議。
芯がなくなり、食べられるようになっている。
やはり日本米=ジャポニカと、タイ米=インディカとは
デンプンの性質が違うのであろう。

浸水なしで10分は無理であったが、20分あれば炊けることが
わかったわけである。
これは大発見である。

ともあれ、水加減を最初から少し多めにして蒸らし時間を取ればよいのか。
今度試してみようか。

皿に盛る。

パクチーもないので(私は食べられないので、どちらにしても
入れないのだが。)ガパオライスらしきもの、ではあるが、
できた。

味も上々。

にんにくとしょうが、ナンプラーオイスターソース。
どちらも香りが魅力だが、ナンプラーは塩味と旨み、オイスターソースは
旨みに加えて、甘味もある。

玉ねぎなのか、ピーマン、キャベツなどでもよいのか、野菜も、
あるいは、きのこの類でも一緒に入れてもよいのであろう。
しかし、肉だけというのもまた、これはこれでうまい。

かなり簡単な食い物だが、ちょっといわく言いがたい、、
中華でも、むろん和食でもない、やはり東南アジアの味、というのが
適当か。

飯によく合うおかずである。
(と、いうことはむろんビールにも好適である。)