12月26日(土)〜28(月)
朝飯を終えて、部屋の移動。
山側の桐の1から、早川側の桜の1へ。
桜の1というのは風呂場に最も近い
川側の二階の角部屋。
以前にもなん回か泊まったことがある。
入ったところが主室で次の間が奥という変則的な造り。
これが建物の角の次の間、六畳。
二面が窓。
白木の衣桁掛けと縁側側の飾り窓。
R(アール)の付いた三角形の意匠がおもしろい。
次の間の床と押入れ。
押入れの扉の表面も手が込んでいる。
主室側の縁側。
外側の手すりというのか、
ちょっと洋風な味もあるように思われる。
主室の押入れ。
襖(ふすま)の色が上が白で下が赤。
この配色も大胆というべきであろう。
TVが置かれてその向こう、数寄屋造りで書院と呼ばれるところ。
机が置かれ本来は書きものをしたところ。
ここの造りも見事というべきであろう。
光を落として撮影するとこんな感じ。
欄間部分の彫刻の意匠の見事さと障子の桟の細かさが際立つ。
床の間と床脇。
これも決まりもの。
ここで年賀状書き。
これが入口の扉。
半間の襖。
押入れの紅白の襖と呼応する斜めの紅白の切り替えしの意匠。
入口から直(じか)に主室なので目隠しの衝立(ついたて)が
左に置かれている。
主室の額。
山 光 澄 楽 心
「山光澄我心」山光我が心を澄ますというのが漢語の決まり文句として
あるようだがそのバリエーションなのかも知れぬ。
読み方は山光澄み心楽しむ、か。
この部屋は劇作家の北條秀司氏縁(ゆかり)という。
2時近くなって、湯本まで昼飯に出る。
玄関は昨日はなかった薦被(こもかぶ)りの四斗樽(しとだる)。
クリスマスが終わって正月の準備が始まっている。
番頭さんに声をかけて出る。
玄関外。
これは手洗い(?)。
毎年こうだが、黄色い菊の花が浮かべられこれも正月の準備か。
玄関の硝子戸。
写っている外の風景がゆがんでいるのがおわかりになろうか。
板ガラスの表面を平らに作る技術のなかった頃のものであろう。
このゆがんだガラスに出会うと、なにかとてもほっとする。
正月の駅伝ももう少し。
早川の流れ。
流れが渕になると、温泉の色であろうか
水が白濁している。
おわかりになろうか、石にポツポツと鴨。
アップ。
都心部のお濠などにも最近は鴨が増えているように思うのだが
実際にはどうなのであろうか。
ここなん年かお昼は、
湯本駅手前の一号線沿いにある鮨や[中村家]。
ビールをもらって、鯵と穴子のにぎりと、
一人前。
ぶらぶらまた、塔ノ沢まで、歩いて戻る。
部屋に戻り、私はもう書き終わっているので、
また、転寝(うたたね)。
この美しい部屋で手足を伸ばして
ゴロゴロする時間というのは、とても贅沢ではないか。
これだけでもこの宿にくる価値があるというもの。
パッときて、温泉に入って飯を食って
また朝すぐにパッと帰るのでは、まったくもってもったいない。
つづく
中村家
0460-85-7351
箱根町湯本691