浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭の出張喰い倒れ 北陸新幹線開業記念 金沢・あかめ寿し

dancyotei2015-03-22

3月19日(木)夜



引き続き、出張食い倒れ。


この日は、金沢泊まり。


新幹線ができて、金沢駅もたいへんなことになっている。
シニアの男女を中心にした観光客も多いようだが、
地元の人々も新装された駅や新幹線を見にこられている
ようである。


しかし、驚いたのは、在来線。


むろん新幹線ができるまでは、JR西日本北陸線であったのだが、
これがなんと、3セク化されていたのである。


石川県内は「IRいしかわ鉄道」、富山県内が「あいの風とやま鉄道」、
新潟県内の糸魚川までとJR東日本信越線の妙高高原から
糸魚川までが「えちごトキめき鉄道」。
(どうでもよいが、どれも不思議な名前である。)


東京などではあまり報道されていなかったと思うのだが、
皆さんご存知であったろうか。


新幹線ができたからもうよいだろう、ということで
以前から、おそらく決まっていたことなのであろう。
しかし、思い切ったことをするものである。
これからは、そうするということなのか。


今回始めて乗ったのだが、ちょっとだけ、北陸新幹線
感想を書いてみよう。


富山、金沢へ最も速く着くのが[かがやき]。


これは意外に本数が少なく、都合のよいのがなく
今回、富山までは[はくたか]に乗った。


椅子と椅子の間が心もち広い。
そして、画期的なのは窓側などだけでなく、
すべての座席に電源があること。
なんでも、北陸新幹線は山の中を走るのからか速度が
さほど速くなく電気に余裕があったからとのこと。
ビジネス客にはとてもありがたい。


それからもう一つ、トイレがウォシュレットであること。
これもすごい!。「のぞみ」でも一度だけ見たことがあるが
最新のものだけではなかろうか。


ほくほく線、越後湯沢経由で北陸出張をしていた
ことから考えると、速く、快適。
上野駅が最寄りの私などは飛行機よりもgoodである。


さてさて、そんなことで、大盛り上がりの金沢である。


やはり富山よりも金沢。
富山の方が仰っていたが、北陸新幹線の効果というのは
金沢一人勝ち、の様相か。


東京からの観光ということであれば、
どうしても、金沢へ行ってしまう。


と、いうことで私も金沢泊まりとなると、
駅からも近い、別院通りの[あかめ寿し]へ行くことに決めていた。


ちょっと久しぶりである。


今日は連れがあり、二人。


6時すぎ、店に到着。





暖簾を分けて、入る。
予約をしていなかったので、ちょっと心配をしたが、
カウンターに多少余裕があり座れたが、ほぼ満席。
これも、北陸新幹線効果のようである。


ビールをもらい、お通し。





これは、かぶらずし。


前にも書いているが富山・金沢あたりでは、一般的なもの。


薄く切った蕪の間に同じく薄く切った鰤(ぶり)を
麹で漬けたもの。
ちょっと甘め。


つまみは、なににしようか。


ここへくると必ず食べている、かわはぎの刺身、
これははずせないだろう。


頼んでみると、やはり人気のようで
とても混んでいるようだが、頼む。


その前に、早くできそうなものを聞いて、白子。





ここはふぐもあるが、これはたらの白子。


やはり東京などで食べるものとは鮮度が違う。
まさに堪えられないうまさである。


つまみながら呑んでいると、隣に一人で座っていた観光客らしい
シニアの女性が、食べ切れないのでと分けてくれた。





白海老天ぷら、である。


白海老富山湾の名物であるが、基本富山にあるものは
金沢にもある。そしてやっぱり、鮮度が違う。
場所もあろうが、目利きと扱い方ということもあろう。
上等である。


ちょっと久しぶりだね、と、
ご主人が出してくれた、甘海老のみそ。



前にも出してくれたことがあるが塩もなにも
加えずに練っただけという。これもばかうま。


かわはぎは、まだのようで、もう一品軽いものをというので
ほたるいかの、沖漬。
これも、うまい。
こんなものも、今は東京でもどこでも食べられるが
どうしてこんなにも違うのであろうか。


予告以上に時間がかかったが、かわはぎ刺し。





薄造り。


なによりも、肝。
肝をのせて、ぽん酢しょうゆで食べる。


今は金沢でこの店にくる目的の一つである。


最後は、にぎりおまかせ。





上の段では、鰤。氷見かどうかはわからぬが、
地物ではあろう、うまい。
下では、右の三つ。旬のほたるいか
その右がたこ。桜煮に近いのであろう、
きちんとした仕事がしてあり、甘いたれが


ぬられている。これが金沢の鮨やならではであろう。
料理人の技術の蓄積のたまもの。
その右は、うなぎ。こちらではうなぎは鮨やで出すものという。


お勘定は酒も入れて、二人で12k。
やはり、東京の半分といってよかろう。



ご馳走様でした。
今日もうまかったです。









あかめ寿し


金沢市本町1-9-15
076-263-9787