浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



富山駅立山そば

5月26日(金)昼


さて、金曜日。


午前、富山で夕方大阪。
むろん日帰り。


日本列島中央部一周。


朝、上野から北陸新幹線「かがやき」に乗って
10:30に富山。


12時すぎの金沢行きの北陸新幹線はくたか」で金沢。
新幹線はここまでなので、北陸線しらさぎ米原行きに乗って
米原
米原から新幹線「ひかり」で新大阪、15時半着。


昼飯は富山駅で弁当を買おうかと
思ったのであるが、タクシーを降りた目の前にある
立ち喰いそば。


立山そば]、で、ある。


新幹線開通前から富山駅に入っていた立ち喰いである。


なん回も食べたことがある。


日本全国、駅そばがあると入ってみる。
うまいところもあれば、そうでもないところもある。


ただ、地方による違いはおもしろい。


この地域ならよくいわれるのがつゆの色。


例えば近畿地方はそばでもつゆはうどん同様
透明。京都もそばは名物だが


立ち喰いではないが、祇園[松葉]にしんそば。


こんな感じ。


むろん東日本は関東も含め、濃口しょうゆで、しょうゆ色。


名古屋はうどん文化圏でそばはほとんど食べられないが、
食べるとすると、つゆはしょうゆ色。


では濃いしょうゆ色のつゆと、透明なつゆは
日本列島のどこで分かれるのか。


太平洋沿岸部は桑名までがしょうゆ色。
松坂は近畿文化圏で透明。
四日市あたりが境い目か。
東海道線では、岐阜まではしょうゆ色。
境は大垣、関ヶ原あたり。


北陸はどうか。


福井駅ホームの駅そばである。


透明なのである。


金沢はそば食ではないが、小松駅で食べると、
やはり透明。
石川県はやはり透明つゆ文化圏である。


富山はどうか。


これはJR富山駅ではなく私鉄の電鉄富山駅
立ち喰いそば。


富山は濃いつゆ、なのである。


そうすると境は富山と石川の間と
いうことになろう。
富山県西部の高岡がどうなのかというのが
気になるが、食べたことがなく、わからない。
いずれにしても、このあたり。
越中と加賀の境の倶利伽羅峠かもしれない。


さて。


JR富山駅の[立山そば]。
どうも、先の電鉄富山の立ち喰いの方がうまい
くらいで、駅新規開業のリニューアル後も
入っていなかったのだが、時分時ということで
随分人も入っている。
ちょっと食べてみる気になった。


冷やしもある。暑いので、冷やしか。


おろし、というのが目にとまった。


食べてみようか。


作るのを見ていると、茹でそばを湯がき、
後(のち)、氷の入った水で冷やしている。
ばかに丁寧。


できた。


山盛りおろしに花がつお。


アップ。


よくかき混ぜて、たぐる。


ん!。


これはうまいぞ。


おろしそばというと、この近くの福井、永平寺そばが
名代であるが、それに近いかもしれない。
つゆはちょっと甘め、十分にそばに絡む濃さで
これがまた、うまい。


以前から冷たいおろしはここにあったろうか。


あるいは、富山県ではおろしそばは
よく食べられるのか。


福井県はそばといえば、ほぼぶっかけのおろしそば
というが。


うまいので、つゆも全部飲み干してしまった。


ご馳走様でした。



さあ、大阪へ移動だ。



富山駅立山そば]、ちょっと


見直した。






富山市明輪町1-227 JR富山駅