浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



浅草・ピザ・サングスト

dancyotei2014-03-19



3月16日(日)夜


さて、日曜版。


今日は、ピザを食いにいくことにした。


ピザというのも、時として無性に食べたくなるのだが、
私の場合、スーパーでチルドのものを買ってきて、
セラミック板が入ったピザ焼器で焼くくらい。


だが、このピザ’焼器の威力はなかなかなもので、
かなりよい具合にカリッと焼きあがる。


ただやはり、市販の生地では知れているのも事実。
薄い生地でパリッとした焼きあがりがよいのだが、
これは、自分で生地から作らねばならなかろう。
まあ、そこまでの情熱はないし、
また、あえて外に食べにいく、ということも
あまりない。


で、今日は先週の「チューボーですよ!」でやっていたし、
たまにはよいか、と、決めたのであった。


最近は、本格的なピザ焼釜があって、 ナポリで修行をした職人が、
生地を作り、焼くというところも 増えている。


少し前に開店したのは知っていた、 地元浅草の[サングスト]という店。
国際通り沿い、ROXの筋向かい。(東MAX氏のもんじゃやの並び。)


特に予約もいるまい、と、 6時すぎ、内義(かみ)さんと
元浅草の拙亭を出る。


今日は徒歩。


今日の東京の最高気温は17℃と、
だいぶ暖かくなった。
今年は3月に入っても、真冬のような日が続いていたが、
やっと、と、いうところか。


なんにしても花咲く春が 待ち遠しい。


元浅草から真っ直ぐ東へいって国際通りをそのまま北上。


緑の「SAN GUSTO」という電飾が掲げられている。
店に入るとすぐ目の前に焼き釜。
かたわらには薪の束も置かれている。


二人、というと二階に案内される。


階下には狭いが、カウンター席もあるよう。


二階はテーブル席で、先客は若めのカップルが一組で、
やはり、日曜夜の浅草はそう混むことはない。


どちらでもどうぞ、というので、 窓に近い席に座る。


イタリアビールをもらい、 前菜もあるようなので、
バーニャカウダを頼む。





銘柄はメッシーナでシシリアのもの。
イタリアのビールは他のヨーロッパのものと比べて、
呑みやすいラガータイプが多くのではなかろうか。


さて、ピザ。


サイズは大小あり、「チューボーですよ!」でやっていた、
ビスマルク、と、おすすめとの中から、桜海老で、
これも店員のお兄ちゃんのおすすめに従って、トマトなしで
頼んでみる。





バーニャカウダ。


こういうものであろうか。
ソース、多少なまぐさいか。


バーニャカウダは先月、雷門そばの[カリッシマ]
というイタリアンでも食べたがそんなことはなかった。


アンチョビがベースなのであろうが、 イタリアへいっても
意外にこんなものかも知れない。


日本人の魚を扱う技術というのは、やはり、世界一なのであろう。
先年、シシリアへいったが、やはり、我々の舌には、なまぐさい、
と感じる料理もあった。


ビールから白ワインにかえる。


さて、ピザ。





ビスマルク


半熟玉子と生ハムがのったもの。


食べるのは初めてである。


ドイツ統一の首相、ビスマルクが好きだったから、ということ
らしいが、まあ、玉子と生ハム、そのままの味。


ピザの味に合うのかどうかといえば、どちらでもない、
かもしれない。


ただ、さすがにパリッと焼かれたピザ生地、
焦げ目なども入り、香ばしく、うまい。


桜海老





トマトソースなし。


キャベツものっている。


春らしい演出、で、あろう。


味の強いトマトが入らない方が桜海老にはよい、という意図であろう。
ただ、それならば桜海老の存在感がもっとあってもよいような気もする。


足らないので、もう一枚。


モッツァレラとトマト(+バジル)のみの、ベーシックなマルガリータ
頼む。





この店もナポリ風を謳っているが、薄い生地をカリッと焼いた
マルガリータナポリピザの看板なのであろう。
これが一番うまいかもしれない。


しかし、ピザというもの考えてみると、不思議なメニューである。
この食い物が世界的に広まったのはひとえにアメリカ人のおかげ
ではなかろうか。


イタリアでたくさん食べられているかといえば、
例えばシシリアではあまり見かけなかったし、地方によっては
あまり食べられていないところもあると思われる。


アメリカではファストフードの定番だし、イタリアよりも量としては多く、
まず間違いなく世界一ピザを食べているのはアメリカ人であろう。


上にのせる具は、なくてもよいし、好きなものなんでもよい。
サンドイッチやおにぎりと同じ、と考えればよいか。


ともあれ。


たまには、パリパリで香ばしいナポリ風ピザ
うまいもの、で、ある。






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