浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



神田まつやのそばと鴨鍋

dancyotei2014-01-05



今日は二日分続けて。



1月1日(水)夜 2日(木)夜


この正月というのは、初詣と3日に歌舞伎を観に行くことに
している以外は、まったくの寝正月の予定。


晦日に食べそびれた、神田[まつや]のそばは、
元日の夜、と、なった。


どうも、年越しそばを元日の夜に食べる、と、
いうのはあまり盛り上がらないが、やっぱり食べないと。


今年は年越しそばと天ぷらも売っていたので、一緒に
買ってきたのであった。


開けてみたらこんな感じ。





大きな海老二本と、海苔と大葉。
天つゆもついている。


そばの方は、生そば3人前に缶入りの濃縮つゆと、
薬味用のねぎ、白いところだけが一本ついている。


天ぷらはアルミホイルで包んで、オーブントースターで温める。


オーブントースターは、最近、買い換えたものだが
温度の設定ができて、なかなか便利である。


別段高いものではないが、温度の設定ができて
天板を入れて180℃にセットすれば、余熱で温められて
よい塩梅に温まる。





天ぷらとおせちで呑んで、そばを茹でる。


生そばは熱湯に入れて一分。


冷水で水を替えながらなん度か洗い、
ざるにきれいに並べる。


ねぎはあらかじめきざんで水に晒しておいた。





晦日でなくとも、自宅で[まつや]のそばが食べられるのは
幸せ、で、ある。


さて。


翌、二日の夜。


これも毎年決まっているのだが、鴨鍋。


鴨肉は近所、三筋の鶏肉店で内儀(かみ)さんが買ってきた。


鴨鍋というのは、やはり池波レシピで
先生も色々なタイプを書かれている。


鴨とねぎは、最もオーソドックスだが、
甘辛にはせず、しょうゆだけで食べるというもの。


これはそうとうに、うまい。
特に鴨の脂をたのしめる。


それから。


ねぎもよいが、芹も鴨鍋には昔から決まりものと
いわれてきたものである。


今年は、芹で甘辛。


ちなみに鴨とねぎ以外に具材はなし。


これも池波先生の教えだが、鍋は主人公に合わせる野菜
一品のみ。それぞれの素材に集中できる。


鴨肉。



脂と肉のバランスがよい。

芹。



鍋は鉄鍋。まあ、すき焼き、で、ある。





東京の伝統的な鍋は、基本これである。
つゆで煮込まず、しょうゆ味の照り煮。


駒形どぜうのどぜう鍋も、甘くはないが、照り煮。

あんこう鍋の神田[いせ源]

軍鶏鍋の同じく[ぼたん]もやはり照り煮、で、ある。


鍋に脂身をよく馴染ませる。


割り下を作るのは面倒なので、酒、しょうゆ、砂糖を
直(じか)に入れ、肉と芹を入れる。





鴨はご存知の通り、煮すぎないのが鉄則。
瞬く間に硬くなる。


赤みがなくなれば、もうOK。


溶き玉子をくぐらせて、食べる。





芹。


鴨肉というのは、うまいもの、で、ある。



鴨なんや、鴨せいろもそうだが、甘辛のしょうゆ味に
絶妙の相性、で、ある。


これは特に鴨の脂が合っているのだと思われる。


ご馳走様でした。