4222号
引き続き、東日本橋のあひ鴨一品[鳥安]。
焜炉の炭火の上に年季の入った鉄鍋を掛け
熱くする。
これで鍋が始まるのかと思うと、もう一品、前菜。
野菜、きのこなどと鶏肉の炊き合わせ、とでも
いうのか。
鶏肉、銀杏、舞茸、蓮根、青唐辛子、二十日大根。
鶏肉は、胸肉であろうか、もも肉であろうか。
皮は取ってあり、さっぱり。
油で炒めたものを煮ているのか、あるいは逆か。
和食でこういう調理法があるのか。
わからぬが、おもしろい。
さて、いよいよ、鴨鍋。
材料の登場。
ご覧いただきたい。
やはり、東京の鍋である、基本シンプル、なのである。
鴨肉と、野菜は春菊、長ねぎ、椎茸、ピーマン。
あまりごちゃごちゃ入らない。
ただ、鴨肉は、胸肉、ささ身、レバー、砂肝、ハツ、脂身、
そして、かなりのボリュームの挽肉。
バリエーションがある。
東京では軍鶏鍋でもそうだが、正肉だけでなく、モツも
入れるのがセオリー、特徴といってよいだろう。
次に、これがくる。
まん丸は、おろし。
そして、おそらく、しょうゆそのまま。
これで食べる。
鴨というのは、甘辛というのもよいのだが、
濃口しょうゆのみ、というのが、最もうまいと思う
のである。
お姐さんは、熱くなった鉄鍋に脂身。
よく脂を出す。
脂がでたところで、胸肉、ねぎ、挽肉を一口に丸めて
ハンバーグのように鍋に置く。
椎茸は、鍋の脂の集まった凹み部分に。
この並べ方も、きれいなものであろう。
そして、お姐さん、胸肉からおろしの器に
取ってくれる。
この姿も、美しい。
むろん、そばからすぐに、食べる。
次は、
ねぎと、肉は、ハツか。
気持ち、ねぎを左斜めに置いているのも
美意識である。
“鴨ねぎ”とは、よくいったものである。
鴨には芹も合わせるが、はやり、鴨の脂でしんなり
し、気持ち焦げた長ねぎの白い部分。
これに濃口しょうゆの組み合わせは、鴨鍋の
最もうまいところといってよろしかろう。
まさに堪えられぬ。
そして、
レバー、砂肝、つくね。
シンメトリーに置いているのも、流石。
つくねがうまい。
細かめに叩いているほうではなかろうか。
また、軍鶏鍋でもつくねは作るが、ここの合鴨の
つくねは量が多い。
出すももと、胸以外の肉を皆、つくねにしている
のかもしれぬ。
これを、胸肉からもう一回転。
むろん、すべてお姐さんが焼いて、取ってくれる。
もうこのお姐さんが料理人である。
途中、ビールから酒、ぬる燗にかえる。
ここの酒も、やっぱり菊正。
鍋を平らげ、ご飯。
ただ、白いご飯と味噌汁、というのもあるのだが、
鍋に残った脂で炒めた、チャーハン、さらに
鴨そぼろご飯というのも頼める。
今日は、そぼろご飯を。
そぼろご飯とお新香、なめこの赤だし。
そぼろをもっとたっぷり、卵黄でも落として、
なんというのも想像できるのだが、そこまでしない
というのが、ほどのよろしいところ、なのであろう。
デザート。
これはいつも変わらない。
ごまのプリン。
中央にのっているのは、黒豆。
生クリームがあって、下が黒くなっている。
うまかった。
ここで、会計。
二人で、計33,807円也。
ご馳走様でした。
タクシーを呼んでもらい、帰宅。
大満足であった。
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