浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



箱根塔之澤・福住楼 その5 +2013年50歳になって

dancyotei2013-12-31

箱根塔之澤・福住楼 その5 +2013年50歳になって

いよいよ、今年も大詰め。


晦日となった。



残った箱根塔之澤[福住楼]の二日目の朝。



昨日同様、朝飯前に風呂に入って、朝飯。



二日目の朝飯はこんな感じ。







一日目との違いは、湯豆腐がないこと。


干物が鯵から、えぼだいになっていること。


玉子焼きではなく、ケチャップが添えられた、
オムレツになっていることが大きな違い。


この他に、ネギトロがある。


オムレツの皿にはマヨネーズが添えられたレタスと
焼いたウインナー、ポテトサラダ。


おひたしはほうれん草。


お新香は野沢菜と沢庵。


丸い小鉢は芋茎(ずいき、芋がら)の煮たの。


横長の皿には、昆布の佃煮、焼きたらこ、焼き蒲鉾、
わさび漬け。


そして焼き海苔。


味噌汁。


以上。


やっぱり、うまかった。


ご馳走様でした。


食後のコーヒーが運ばれて、部屋で勘定。


10時すぎ、出立。


部屋担当のお姐さん、女将さんは外まで見送ってくれる。


これは、いつものことだが、ありがたい。
宿の前はすぐに、狭い国道一号線で、かつ、直角に
カーブをしているところ。


後ろを見てもらえないと、道には出られない。


ありがとうございます。
お世話になりました。


おかげ様で今年もよい年の暮れが迎えられました。


そして、今年は、どこにも寄らずに、
真っ直ぐに、帰宅。




福住楼





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さて。



もう、残り紙数がわずかだが、今年個人的に考えたことを
少しだけ書いて、本年の結びとしたい。


私は今年、50歳になった。


むろん、同い年のうちの内儀(かみ)さんも、
他の昭和38年生まれの同級生のご同輩各位も、50歳に
なったわけである。


50歳というのを、実際になってみて、
皆さんはどのよに考えられたであろうか。


私が50歳になり、やはり思ったことは、当たり前のことだが
もはや若くはないということ。


いや、これには少し説明が必要だと思う。
今、40代で死ぬと、やはり、そうとうに若くして
亡くなったと周りからは理解されると思われる。


まだまだ、やり残したことがある、と。


50代で亡くなると、むろん、若かった、という形容詞は
付くと思われるが、若すぎる、とはいわれなかろう。


その境い目をすぎた、ということを明確に意識をした
ということである。


もう少しいうと、あとはおつりの人生?。


自分が、50代で死ぬのか、65まで生きるのか、はたまた、
70を越えるのか、80まで、、?。


あとなん年、死ぬまでにあるのか、わからぬが、
それまでに、なにをしなければいけないのか、を
40代以上に明確に意識して毎日を生きねばならないと、
考えるようになった、のである。


むろん、人というものは、この世に生を受けた日から、
常に死に向かって生きているわけで、年齢に関係なく、
誰にでも死は、明日訪れ得る。
これはまぎれもない人の宿命ではある。


このために、人は己の生を全うしなければならない。
これが大原則である。


池波先生は40を越えたら、日に一度は、自分が死ぬることを
考えるべきである、というような主旨のことを仰っていた。


現代の医療状況を考えれば、これが今、ちょうど
50くらいになっているのではなかろうか。


私は先生の教えに沿って、40を越えてから、
自分が生のあるうちになにができるのかを、
考えるようにしてきたつもりではあるが、
今年50になり、いよいよ、カウントダウンが始まったと
意識するようになった。


これは、言葉を替えると、どのような年の取り方をしたいのか。
あるいは、どういう心もちで、自らの死を迎えたいのか、
ということなのである。


これには、やはり、いろいろなものを切り捨てていく、
という作業を始めなければいけない、と、いうこと
になってくる。これが50を迎えて、いよいよ始まった
ということである。


すべて整理し、やりたいこと、やらねばならぬことをし終え
つまり、自分の生を生き尽し、死を迎える。


断わっておくが、むろん、死ぬ前に一度はあれを食べたい、
どこどこへ行っておきたいなどということではない。
この世に己が生を受けたものとして、なすべきことをする、
という意味である。これを終えて、で、ある。


まあ、これが理想の姿なのであろう。
出来得ることなら、ここを目指したい。


はてさて、今までの自分を振り返ってみても、
そうそう潔い死を迎えられるようなものでもないような
気もしてはいるのが本当のところではあるが。


ただ、それも含めて自分らしい人生ではあろう。




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本年も長々お付き合いをいただきまして
誠にありがとうございます。
心より御礼申し上げます。


皆様の2013年はどんな年でございましたでしょうか。
来る2014年が皆様にとりまして、よりよき年になりますよう、
祈り申し上げます。


また、相変わりませず断腸亭料理日記にお付き合いを
いただきますれば幸いでございます。


断腸亭錠志