浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



レバノン料理・代官山・マイレバノン

dancyotei2008-09-03

8月31日(日)夜


東京には、レバノン料理のレストランはいくつあるのだろうか。
2軒程度はわかったのだが、ひょっとすると
まだあるのかもしれぬが、それでも、東京でもレバニーは
まだまだ、マイナーな存在であることは間違いないであろう。
また、もう少し広くアラブ料理として、エジプト料理、
トルコ料理などを含めても(むろん、街のケバブ屋は除いて)
とても一般的といえる状態ではないだろう。


マイレバノン
むろん、先日のドバイつながり、で、ある。


東京でも、レバノン料理を食べてみなくてはならぬであろう、
ということで、内儀(かみ)さんとともにいくことになった。


一応、前の日、予約のTELを入れ、18:00にいくことにした。
(内儀さんがTELをしたのだが、これがまた、日本語が通じない、
という妙なことであったらしい。)


浅草の拙亭から代官山というと、山手線の反対側。
滅多に、いや、ここ10年以上、いったことは皆無。
銀座線で、渋谷まで。渋谷から東急で一駅。
(代官山、恵比寿あたりも、以前に明大前に住んでいた頃には
少なからず、歩いていた地域ではあったのだが。)


駅を出て、ご存じの通り、再開発の終わった代官山。
話には聞いていたが、以前とは随分と様変わりをしている。
キョロキョロしながら、歩く。
一度、旧山手通りに出て、すぐに駒沢通りを左に曲がった左側。
ビルの地下。店はすぐに見つかる。


案の定、予約は通っていない。
(おそらく、名前の聞き違い。)
ただし、店は予約をするまでもなく、6時では、先客はなし。
どこでも、お好きなところに、どうぞ、状態。


座り、レバノンビールの生があるようなので、これをもらう。


メニューを見ると、意外に、数が少ない。
ドバイで食べた、生肉などもないし、魚などもない。
MESSEと呼ばれる、例の、ひよこ豆のディップのようなもの。
それから、HOT MESSE、と呼ばれていた揚げもの。
それからピタ。
こんなところのよう。


面倒なので、それらが並べられたコースにする。
(5000円)


フンムス、ババガンヌージュ(焼き茄子のペースト)、タブーリ





まずは、MESSE。
なん回も食べた、ディップ。
白い方がひよこ豆で、黒っぽい方が、
焼き茄子が入っているという、胡麻のペースト。
サラダがターブリという名前で、パセリのサラダ。
これに、パン、ピタが付いている。


ドバイではあまり見なかったが、
ピタは、少し前から日本でも一般的になってきた。
真ん中が開くように、少し厚めに焼いて、ものを詰める、
そういうことである。


しかし、まったくもって、この、フンムス(ホンモス)は
うまい。パンがいくらでも食べられてしまう。


揚げもの。





ほぼ、ドバイで食べたものと同じ。
ラカカットチーズ、これは春巻き。
キッベ、はラグビー型のもの。挽き割り小麦を混ぜた、
肉団子揚げ。(肉を聞いたら、ビーフ、という。)



ファタヤスピナッチ、これは、三角のもの。
ファラフェル(ひよこまめのコロッケ)、丸い緑色の揚げもの。
(パセリのみじん切りが練りこんであった。)


味は、全体として、ドバイのものの方が、洗練されていた。
(それはそうであろう、あちらは、一流ホテルであった。)


チャワルマミート、チキン、ピタ





チャワルマ、というのが料理の名前、なのか。
細く切った、牛肉と鶏肉を野菜とともに、
ピタにはさんで食う、というもの。
これ、結局、ケバブ屋台と、肉の味は同じものである。
添えられている白いものは、ドバイのレバニーでもあったが
にんにくのペースト。


まあ、今の東京では、これが一番一般的なもの、
ということなのであろう。
(これは、最初に、パンをバクバク食べてしまったのもあり、
食べきれず、持ち帰りにしてもらった。)


デザート。





名前を聞いたのだが、忘れてしまった。
ココナッツのプリン、というのか、ゼリーというのか。
(ドバイでもあった、か。)


コーヒーが出て、終了。
(コーヒーは、アラビックコーヒーか?と聞いたら、
ノーマルコーヒーという答えであった。)


メニューに、シーシャ、という、水煙草が
楽しめます、スタッフにおたずね下さい、と、
書いたあったので、たずねてみると、OKという。
ドバイでは、ホテルのシガーバーなどで、やっている、
アラブの人を見かけたりしたが、とくにやってみはしなかった。


フレーバーはなにがよいか?とたずねられた。
ローズ?、メロン?
なるほど、フレイバーが付いているのか。
ということで、ローズ、にしてみる。






これが水煙草、シーシャ、で、ある。
上に火のついた炭がのっている。
その下にアルミホイルに包まれた部分があり、
ここに煙草の葉が入っているもよう。
その下、ランプのようなガラス容器の下の部分に、水。
その出口にフレキシブルなゴム製のような黒い管が付いており、
先端の吸い口から、吸う。


吸ってみる。


煙は、一度、水を通って、ブクブクと音がし、
出てきている。
煙には、ローズ(バラ)の甘い強い香りが付いている。
煙草の煙草らしい(ニコチンやタールの)香りは
あまり感じられない。
(煙草なのか?とさえ思われるくらいである。)


なにか、不思議なもの、で、ある。
そもそも、この形が、アヘンなのか、なんなのか、
なにか危ないものをやっているような、感じを醸し出す。


水を通すことで、まろやかになることはわかるのだが、
なぜ、管がフレキシブルで、長いのか。
おそらく、これは、横になりながら吸うためのもの
なのであろう。
(寝ながらは、ますます、怪しい感じになる。)


吸っているうちに、ローズの香りで気が付かなかったが、
煙草らしい、覚醒感も出てくるので、
“は、はー、やっぱり煙草だ”というのはわかった。


香り自体は、とこで付けているのか。
葉っぱなのか、水に付けているのか、これはわからなかった。


ともあれ、ひとしきり、吸って(どこまで吸えばよいのか、
終りがよくわからないが、飽きてきて、やめた。)
勘定をしてもらう。
(なんと、この水煙草、シーシャは、ちゃんと
勘定に入っていた。2000円。
“スタッフにおたずね下さい”は、値段は書いておらず、
フリーかと思ったのだが、まあ、タダというのもないであろうし、
怒ってもしかたがない。
そんなものか、というところであろう。)


店でも、店員は日本語はほとんどわからず
依然として、ドバイにいるような気分であった。
なにか、不思議な店、で、ある。




(店に飾られていた、カルロス・ゴーン氏、の名前入りの達磨。)



マイレバノン