浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



真鱈の子の煮付け、キハダマグロのヅケ

dancyotei2008-02-04


2月2日(土)第三食


アメ横で真鱈の子を買って、翁庵でねぎ南蛮を食って、帰宅。


真鱈の煮付けはよいのだが、これだけでは、と、
夕方、ちょっと出たついでに、田原町赤札堂に寄る。


解凍もののようだが、キハダマグロのブツが、
¥300ちょいで、安い。
キハダは脂も少ないので、ヅケにでもしようか。


作る。


まずは、ヅケ用のつゆを作る。
酒としょうゆを半々。
すぐ食べたいので、濃い目にする。
鍋に入れ、煮切る。
煮切る、とは、煮立てて、アルコール分を飛ばし、
しょうゆのカドを取り、まろやかにする、という。


冷水に鍋ごと入れ、冷やしておく。


真鱈の子。


少し調べると、白滝と煮る、というのが目に付いた。
そういえば、そんな料理もあったか、と、思い出すが、
これはやはり、これだけで甘辛く煮付けるのが
よいだろう。
量も二腹と、たっぷりある。


いわゆる、すけとうだらの子、の、たらこは、きれいであるが、
真鱈の子は、表面の膜に、黒い模様のようなものが入っており
ちょっとグロテスクではある。


こういうものは、霜降りはしないのだろうか。
霜降りなんぞすれば、形が崩れてしまいそうである。


洗う。


3cm程度の幅に、切って、鍋に入れる。


水、酒、しょうゆ、砂糖を入れ、煮立てる。


甘辛の濃い目の味を目指す。


煮立ったら、アルミホイルで落としぶたをし、
弱火。


ヅケのつゆは、冷えたかな?
様子をみる。


よさそう。


丼鉢につゆを入れ、
キハダのブツをドドッと入れる。


まぐろのヅケは、サクのまま、表面を霜降りにし、急冷。
そして、一晩漬けこむ、というのが本式ではあるが、
即席の場合は、霜降りはせず、そのまま入れてしまう。


そして、10分程度。


さて、たらこ煮付けの方。
真鱈の子は、切って煮ると、花が開いたように
広がる。
色も付いて、よい感じに煮えているようである。


火を止め、このまま置く。


この間に、酒の燗。





真鱈の子の煮付け。


キハダマグロのヅケ。
大きな塊は、まだ漬かっていないので、
小さいものから、わさびをつけて、食べ始める。


どちらかといえば、淡白なキハダマグロも、
ヅケにすると、よい。


ちょっと調べてみて驚いたのであるが、
関西では、マグロといえば、キハダ、に、決まっているらしい。
理由はよくわからないが、好まれているようである。
淡白なものが好き、と、いうことであろうか。


真鱈の子。
これはうまい。
味もよく染みている。


この季節ならではの味覚。


魚卵の類は、そうそう沢山食べられるものではないが、
それでも二腹分、どっさりあるのは、
なにかうれしい、ものである。