浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



メジマグロ その2

dancyotei2009-07-01

今日は昨日の続き。


真夏日の炎天下、アメ横で、メジマグロを
求めて、帰ってきたころまで。



今日は、メジマグロを、おろす。

                                                • -


6月27日(土)第二食


さて。


メジマグロ、見返してみると、この1月にも一本買っていた。


そもそも、メジマグロとは、なにか。


調べていると。
東京卸売市場の販売実績のページを見つけた。
つまり、開場日の相場が公開されている、のである。
ちょっと、おもしろいので、ご紹介する。

販売実績のページ



マグロにもいろいろな種類が、ご存じの通りある。


皆様ご存じの、本マグロとも呼ばれるクロマグロ
大間など近海ものは、鮨やなどで珍重される。
(6/30の築地の最高値、生で4,725円、冷凍で5,670円。
この日は冷凍の方が高い。なにか意外、で、ある。
最安値を見ると、冷凍の方が安い。冷凍でもよいものは、
高値が付く、ということか。ちなみに、単位は、1kgあたりであろう。)



それから、メバチマグロ
目がぱっちりしているので、メバチ、らしい。
これも近海ものがあるのだが、生のものはやはり、
高級で鮨やにいく、ということだが、実際に、これが
メバチだ、といわれて食べたことがないので、
私にはわからないのだが、、。
(今度聞いてみようか。)
(同じく築地の最高値、生で4,515円、冷凍で2,625円。
高いものは、本マグロとあまりかわらない。)


それから、インドマグロ。
正式には、ミナミマグロ、らしい。
名前の通り、インド洋など南の海にいて、例の遠洋マグロ船で
獲っていたので、基本的には、冷凍しか存在していなかった。
ただし、最近は南の島の技術の進歩などがあったからであろうか、
生のままの魚も築地には入荷しているよう。
(上の、築地の販売実績では、半分以上が生の日もあるようだ。)
味は、、、これも私は、クロマグロとどう違うのか、、
わからない。
(同じく築地の最高値、生で3,150円、冷凍で5,775円。
インドの冷凍が、全マグロ類で最高値、というのも意外。
近海の生の本マグロが不漁だったのか、、。)


そして、キハダマグロ
キワダ、とも書くようである。
先日、フィジー産解凍ものをヅケにした。


色が白っぽく、関東では人気がなく、
築地への入荷も少ない。
しかし、関西では、むかしから、本マグロよりも
人気があるらしい。
味は、、おそらく、私は、スーパーのものしか
食べたことはないのであろう。
脂がないイメージであるが、キハダのトロ、と、いうのは
あるのだろうか。
(同じく築地は、最高値のみの記載で、1,050円。
やっぱり一番安い。)




ここまでが、築地市場で、大物として、扱われているもの。
(他に、大物には、カジキもあるが。)


で、メジマグロは、大物ではなく、「鮮魚」という分類。
まあ、その他の魚、ということであろう。
呼び名も、「めじ」。


一般には、マグロの子供は、本マグロも、キハダも、
みんな、メジ、らしい。
メバチの子供は、メジ、なのかどうかは、よくわからない。)


ちなみに、「めじ」の同じく6/30の築地の価格は、
セリではなく、相対、ということで、最高値で2,100円、最安値で420円。


相対とは、相対取引で、値段が決まるということなのであろう。


実際にどういう風にきまるのであろうか。
事情を知らないと、不思議、で、ある。
扱っている業者は売り手(卸)も、買い手(仲卸)もいつも決まっており、
その業者同士で、数や最近の相場で、お互いに、こんなもんかな、
と、決まるのか?。
前に読んだ、テオドル・ベスター先生の『築地』
で、卸と仲卸の相対取引について、細かく書いてあったかどうか、
今、定かではないが、仲卸と鮨やの店主も、値段の交渉はしない、
と書いてあったのを憶えている。
やはり、こちらも、長年の付き合いのある同士なので、
売り手(卸)の、言い値、で、決まるのかもしれない。


ともあれ。


今日のものが、2kgとすると、築地の最安値よりも
多少安いことになる。


さて。


上の写真をもう一度見ていただきたい。


縦に縞のような模様がうっすらと入ってるが、
これが本マグロのメジ、だということ。
(毎度、参考にさせていただいている、
市場魚貝類図鑑様。)


前置きが長くなってしまったが、メジマグロを、さばく。


さほど、もう、むずかしいことはない。
頭を落とし、いつものように、三枚におろす。





やはり、色は、白っぽい。
腹側、トロの部分には、ほんの少しだが、脂もある。


中骨もはずし、半身を真ん中からさらに切り、
尻尾側から、刺身包丁で皮を引く。


この皮付近にも脂がありそう。


皮を取ったサク、さらに、血合いも取り、
腹側から、刺身に切ってみる。




皮は、小さく一口に切って、塩をし、オーブントースターで
こんがりと焼く。





ビールを抜いて、食べる。
炎天下を自転車で走ったので、ビールがうまい。


刺身、腹側は、脂もあり、あまみもあって、うまい。
おろしてすぐ、なので、弾力感も強く、
ちょっと、脂があるイナダ、のようにも感じられる。


皮も乙なもの、で、ある。


頭は半分に割って、塩焼き。





中骨のすき身。





これは、スプーンでこそげ取る。



鉄火丼





飯との相性というのも、最高、で、ある。



最後は、表面を霜降りにして、ヅケ。
(薄めのニキリで、漬けたのは月曜で、食べたのは、火曜。)


ヅケも、うまい。




火曜日まで、存分に食べつくした。
うまかった。