12月4日(土)夕食
夕刻、妻が買い物に出る。
なにがよいかと聞かれたので、
鍋はどうか。
軍鶏鍋か、ねぎま、などよい。
まぐろほほ肉でもあれば、ねぎま。
なければ、軍鶏。
御徒町吉池にもなかったようで、
軍鶏になった。
何回も書いているが、軍鶏鍋はご存知、池波正太郎レシピ。
言わずと知れた、鬼平犯科帳の相模の彦十の寄宿先、
本所二つ目の軍鶏鍋屋・五鉄のメニューである。
昨年、前に書いたページがきっかけで、
朝日新聞AERAの池波正太郎特集で、
取材していただいたことがあった。
池波レシピのなかでも、最もポピュラーなものであろう。
↑この写真、その時のものである。
さすがに、プロのカメラマン氏に撮っていただいたものは
きれいで、うまそうである。
拙亭の定番メニューであり、また、何回も書いている。
特徴は、甘辛で、レバーなど、モツが入ること。
また、笹がき牛蒡と共に、煮る。
今日の軍鶏鍋。
(プロの撮ったものと比べると、歴然である。)
甘辛、である。
このため、イメージとしては、レバーと牛蒡の入った、鶏のすき焼きである。
そこで、通常は、このように、すき焼き用の鉄鍋を使い、
生卵につけて食べる。
レバーと書いたが、レバー以外にも、皮が必須である。
この鍋のポイントは、脂である。
皮から、たっぷりと脂が出て、これが、うまい。
そこで、入れる順番は、すき焼きの要領で、
鉄鍋を熱し、皮を入れ、脂を出す。
そこに、筆者の場合は、しょうゆ、酒、砂糖を直に入れ、
火が通りにくいレバーから入れていく。
写真に入っているボール状のものは、通称キンカンと言って、
卵黄の素になるもので、モツと、卵の中間的な味である。
いわゆる、普通の鶏肉は、入れても入れなくともよい。
入れるのであれば、後からでよい。
また、野菜は、笹がき牛蒡は必須であるが、
後は、これも、春菊かなにか(芹)一品でよい。
レバーは火が通りにくいが、煮過ぎも固くなって、うまくない。
早めに食べる。
皮などは、よく煮込んでも、うまいものである。
最後、余ったものは、卵でとじてもよいし、
そのまま、飯にかけるのも、うまい。
断腸亭流・鬼平軍鶏鍋である。