浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



鶏皮ぽん酢・牛肉とピーマンの焼きそば

dancyotei2012-10-23

10月20日(土)第二食



さて。



引き続き、土曜日。



朝、牛細切れと一緒に買ってきた、鶏皮。


鶏皮、というのは、一般の家庭ではやはり、あまりこれだけを買ってきて
なにか料理をする、ということはあまりないのかもしれない。
脂も多い。


ただ、皮をそのまま食べる以外にも、出汁にも使えて、
使い道は意外に少なくない。


池波レシピに鶏と鶏と大根の鍋、というのがある。
仕掛人藤枝梅安などに登場するもの。
ほぼ大根のみを食べる鍋だがこの出汁に鶏皮が使える。


また、同じく池波レシピの『軍鶏鍋』


鬼平犯科帳に登場する、本所二つ目の[五鉄]の看板料理として
あまりにも有名だが、この軍鶏鍋にも鶏皮は是非入れたい。


さて、今日は、この鶏皮、どうしようか。


天気もよく、さわやか。


ぽん酢和えにしようか。


むろんこれで、ビール。


鶏皮ぽん酢、というのは、鶏料理やや、焼鳥やなどに
よくあるメニューだが、意外に難しい。


なん回か試行錯誤をして、今の作り方にたどり着いている。


まずは鶏皮を洗って、一口に切る。


この時、気を付けたいのは、皮の脂の多い部分。
鶏皮というのは、だいたいが脂の多いものではあるが、
裏も含めて注意深く見ると、厚みがあり、脂の露出している部分がある。
この部分を捨てることはないが、脂の少ない部分と切り分けておく。


ぽん酢で食べる場合、脂は抜いた方がうまいのだが、
脂の多い部分、ボイルをしてもなかなか抜けず、
使わない方が無難。このため、切り分けておくのである。


鍋に水を張り、切り分けた鶏皮をすべて入れ、点火。
これは脂抜き、でもあるが、出汁、スープにもなる。


一度煮立たせ、弱火にし、大量に出てくる脂とアクをすくう。


ある程度弱火で煮出してから、先に切り分けた、
脂の少ない部分だけ、取り出す。
残りはそのままさらに煮出し、スープに。


取り出したものは、そのままぽん酢をかけて、出来上がりでも
よいのだが、私はここから、オーブントースターで
軽く焼く。


焼く意味は、脂をさらに落とすというのと、
水分が飛び、ちょいと香ばしくはなる。


ほんとうは、炭火あるいは、魚を焼くガスグリル、
でもよいのだろうが、簡単なのでオーブントースター。


アルミホイルにのせて、ジュウジュウ音を立てるくらいまで、
5分程度であろうか、焼く。


焼けたら、ねぎを細く切って、小鉢に入れ、ぽん酢をかけ回し、
出来上がり。





焦げ目がつくほどには焼いていないので、こんな感じ。


見た目、簡単なようだが、意外に手数のかかっている
鶏皮ぽん酢。


うまいもんである。




さて。


今日は、もう一つ、翌、日曜。



10月21日(日)第一食



朝起きて、なにを食べようか、冷蔵庫をのぞいてみると、
焼きそばがあった。
皆さん、ご存知のマルちゃんの3食ソース焼きそば
内儀(かみ)さんが買ってきていた。


これ、ソースも付いており、むろんソース焼きそばとして
作るためのものだが、ソース焼きそばというのは、意外に作るには
ハードルがある。


なにかといえば、キャベツ。


半玉買っても、焼きそばだけでは、なかなかなくならない。


ソース焼きそばは最も相性がよい肉は、豚なのだが、
別段、豚でなくとも、牛でもウインナーを切ったものでもわるくはない。


しかし、キャベツだけはどうも他のものでは代用が利かない。
もやしなどは、まだ、代用にはよいのだが、ピーマンや玉ねぎでは、
どうにも役が足らない。
キャベツはソース焼きそばには必要で欠くべからざるもの、と、
いってよかろう。


そこで、最近、考えに至ったのは、キャベツがない場合は、
中華の焼きそばにしてしまうこと。
麺に焦げ目を付けて、軽いあんかけの具をかけた、一般的な中華の焼きそば。
これであれば、具材は選ばない。肉でも魚介でも野菜も炒められるものなら
ほぼなんでもよい。


むろん、ソース焼きそばよりは、手間は多少かかるが、
充実感は多い。


と、いうことで、冷蔵庫にあったピーマンと、
昨日買った牛細切れがまだあまっていたので、これで青椒肉絲風のものに
できるだろう。


中華鍋を熱し、レンジ加熱し一度ほぐした焼きそば麺を広げて
鍋肌にヘラで押し付け、回しながら両面、強火で焦げ目をつける。
この焦げ目は、軽く茶色に焦げるくらいよりも、一部分は黒く見えるくらいに
きちんと焦がした方がむしろうまい麺になると思われる。


ピーマンと牛肉は細切りにし、炒め、 味付けは青椒肉絲ならば、
本当はオイスターソースなのだが、残念ながら今日は切れていたので、
甜麺醤と、気持ち、豆板醤を入れて、ちょっとだけ、四川風?。


水を少量加える。


スープの素を入れ、水溶き片栗粉を加え、軽いとろみをつける。


焦げ目をつけた麺の上にかけて、出来上がり。





この味は、甜麺醤なので、ちょっと甘く、軽く豆板醤の辛味。
ソース焼きそばソース焼きそばで、たまには食べたくなるが、
少しの手間だが、こちらにした方が、なにか充実感があるではないか。