9月25日(土)夕食
田原町・赤札堂で買い物。
鰹。もどり鰹で、脂がありそう。かつ、安い。
からしじょうゆである。
からしじょうゆは、池波流で、これが、さらにうまい。
初鰹は生姜の方がよいかも知れぬが、もどり鰹は、からし。
これに、丸のまま1本の、茄子の糠漬け(これもからし。)
でもあれば、完全に、池波流の秋の食卓。
上の写真、鯛の潮汁の時にも書いたが、
白い、猪口(ちょこ)である。
少し前に見つけたのであるが、これが実にいい。
TVの鬼平・吉右衛門版を見ていると、
決まって、この猪口が出てくる。
いわゆる、ぐい呑み、ではなく、
猪口というと、普通は、かなり小振りである。
ほんとに、一口で終わり、呑みごたえのようなものを考えると、
今ひとつである。
さりとて、よくある、ぐい呑みは、何か違う。
こういうことを書くと、日本中の酒呑み、
日本酒好きを、敵に回しそうである。
はっきりいって、野暮ったい。
なぜであろうか。柄やデザインはどうあれ、だめである。
民芸調というのか、わざと、土臭かったり。
筆者、民芸など、もっとも嫌いである。
また、変に、デザインされすぎているのも、
高価なものも多いが、これもだめ。
(google で「ぐいのみ」と検索すると、
出てくるようなもの、である。)
ぐい呑みというだけで、なにか、田舎くさい、と、思うのである。
このくらいであれば、湯呑みか、利き酒用の、
藍色の蛇の目(じゃのめ)が底に、描かれている、
利猪口(ききぢょこ)の方が、まだいい。
事実、この白い猪口を見つけるまでは、この利猪口を使っていた。
東京でも、ちょっと、気取った居酒屋などで、よく、
このあたりの、ぐい呑みを揃え、「どれにします?」
などという、趣向があるが、これなど、逃げ出したくなる。
今の、団塊世代あたりの、好みであろうか?世代ではなく、時流か?
このさかずきに似た、真っ白の、大振りの猪口。
シンプルで、形も、持った感じも、よい。
粋で、かつ、気取ってなく、とても、気に入っている。
また、TVでは、同じく真っ白の二合徳利(銚子)が対で、でてくる。
これも、よい。
ついでだが、この真っ白の首の長い徳利を「白鳥」という。
首が長く白いところから、白鳥というらしく、
さらに、こうして、真っ白な陶器も「白鳥」と
いうようになっていたらしい。
「白鳥の徳利」「白鳥の猪口」であろうか。
また、この、「白鳥の徳利」は江戸の頃、なにも、特殊なものではなく、
普通に庶民の使うものであったようである。
(そこが、またよい。)
ちなみに、上の写真の徳利(銚子)は白鳥ではなく
安居酒屋などでよくある、清酒メーカーの名入のもの(白鹿)。
これは、名古屋時代、ディスカウントショップのようなところで
1本¥100で買った。
白鳥の徳利もあるが、二合のため、一人で呑む場合は、
上のような、名入のものを使うことが多い。
珍しく、食い物以外のことを、書いてしまった。
かなり、変な趣味であることは、自覚している。
また、なかなか理解していただけないような、気もする。
しかし、これが、いい。