浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



三筋・天ぷら・みやこし

4565号

5月19日(日)夜

さて、日曜日。
今日は、天ぷら。

毎度お馴染み、ご近所、三筋の[みやこし]。

前回は、ちょっとあいて、2月であった。

予約をして、17時半。

やっぱり内儀(かみ)さんとぶらぶら歩いて、
出掛ける。

この界隈でも少なくなったが、銭湯、三筋湯の先。

暖簾を分けて入る。
早い時刻だが、先客もある。

ご主人にご挨拶。

いつもにこやかだが無口な方。

カウンターの奥に掛ける。

ビールをもらって、いつも決まっている、
天婦羅定食の松、9,000円也。

お通しがきた。

いかの下足、白味噌の酢味噌。

ここのお通しは、比較的もずく酢が多いが、
ちょっと珍しい。

形通り、海老、から。

さいまき海老。

小さな車海老。

最初はもちろん、塩で。
実に軽く揚がっている。

江戸前では超定番。
鮨やの海老もさいまき海老。
そばやの天ぷらそばでもこれを3~4匹
並べて筏にして揚げたりする。

やはり隅田川河口の今の新川あたりの砂地でも
獲れたという。こんなところなので、小さなもの
であったのであろう。

二匹目は、天つゆ。

もちろん、これもうまい。

次は、これ。

いか。
なのだが、めずらしい、あおりいか、とのこと。
厚みがあって、サクッとした歯触りだが、身自体は
柔らかい。

ここは、この季節でも形通りすみいかを使うのが
常だが、入荷がなかったのか。
江戸前でいかといえば、鮨やでも天ぷらやでも
すみいかを使うのだが、この時期は産卵期前で
大きく堅くなるので、使わないところも多い。

次は、きす。

これも、実にカラッと揚がっている。

天つゆではなく塩で食べたくなった。

きすは、意外ににおいがあったりするのだが、
やはり、流石、で、ある。上質。

そして、これ。

レモンを絞って、塩で、とご主人。

若鮎。
この季節といえば、やはりこれであろう。

おそらく琵琶湖、で、あろう。
魚やで最近私も見かけたが、まだ高く見送っていた。

気持ちほろ苦い、初夏の味覚。

そして、穴子

いつも通り、揚がったら金属の揚げ箸で
サクッと半分に切る。

まったく、器用なもの。
だが、これもカラッと堅く揚がっている
証拠であろう。

これは、やはり天つゆで。
ほっこり。
香ばしい。

野菜天。
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二回に分けて、置かれたのだが、
好きな、小玉ねぎ、ペコロスから食べ始めてしまった。

アスパラ、蓮根、右が椎茸。

おもしろいのが、その上。
これ、見ただけではわからなかろう。
実は、ヤングコーン。
最近、生で毛と皮が付いたままこの時期
出回っているが、それ。皮や毛は取っているが、
香ばしく、ちょっとシャキシャキ感もあって
うまい。

最後は、小天丼。

かき揚げは、小柱。

味噌汁は、浅利の赤だし。
お新香。大根、きゅうり、にんじん、など。

小柱というのは、ばか貝、青柳の貝柱。
江戸前天ぷらでかき揚げというと、最も一般的なのは、
芝海老だが、どちらも、江戸前でよく獲れたもの。
小柱になると、ちょっと乙。

以上。

いつも通り、うまかった。腹一杯。
ご馳走様でした。

勘定は二人で20,340円也。

 

みやこし
 

台東区三筋2-5-10 宮腰ビル1F
03-3864-7374

 

 

 

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