浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



稲荷町・中国意境菜・白燕 その1

4372号

7月9日(日)夜

さて、今日は[白燕]。

前回は4月であった。

自由人にして異才の中華料理人(?)。

稲荷町駅そばで、私の住まう元浅草、同町内の
超ご近所。

くるたびに、刺激的。
挑戦的料理が食べられる。

今日は、実は一つ、テーマがあった。
宿題、というのか。

先月、赤坂[四川飯店

へ行って、コースを頼んだら、フカヒレ
スープが出た。
もちろん、姿煮ではなく、ほぐれたもの。

フカヒレ、って、なんだろう?、
と、考えたのである。
コラーゲン質でほぼ味がない?。
こんなものが高価、とは。

それには、ほぐれたものではなく、もちろん、
姿煮、で、ある。

恥ずかしながら、というべきか、そもそも
姿煮は、食べたことがない。

これでは考える術(すべ)すらない。
なにか言えるわけもない。
断腸亭としては、一度くらいは、食べてみなければ、
いけなかろう。

ということで、宿題。
まあ、あまりにも、大きな宿題、なのだが。

で、どこで食べようかなのである。
予約しなければ、食べられなかろうし、そこそこ
以上のところでなければ腕もなかろう。

前回の[四川飯店]でもよいのだろうが、
ご近所の異才の店も一案であろう、と、考えた。

で、今日になった。
もちろん、フカヒレ姿煮をお願いして。

18時から。

今日も、内儀(かみ)さんとぶらぶら歩いて、向かう。
ほぼ今日は日は出なかったようだが、とにかく
気温も高く、蒸し暑い。
肌に湿気がベタっとまとわりついてくる。

5分もかからず到着。

階段を上がって、入る。
名乗り、シェフにご挨拶して、窓際角のテーブルへ。

瓶ビール、スーパードライをもらう。

いつものコースにフカヒレ姿煮を入れたもの。
12,000円也、か。

いつもの通り、りんごあめ、から。

もちろん、見た目がりんごあめ。
赤いゼリーの皮にスモークフォアグラ。
中心にナッツ。
一口だが、絶妙にうまい。
毎度最初に出る、スペシャリテ

前菜、三品。

左下。
いつもの、よだれ鶏
たれがうまい、のであるが、今日はこれが
進化していた。
なにかというと鶏肉が、低温調理、にした、とのこと。
なるほど、かなり柔らかい。

上が紅麹に漬けた豚バラに薄い衣を付けて
揚げたもの。
紅麹とは、紹興酒に使う、赤い米麹で、
最近サプリにもなっている。
悪玉コレステロール値を下げると。

右が筍、緑色は青海苔青海苔はアオサではなく
ちゃんとした針状の青海苔
和え物といった感じ。
細くて柔らかい筍の食感に、青海苔の磯の香が
よろしい。

豚バラの小皿、食べるとこんな柄。

金魚と蓮の花か。なんとも味がある。
やはり、センス、で、あろう。

水餃子。

先ほどの、よだれ鶏のたれを使う。
ぷりぷり。
野菜も多い。

次は、これも、毎度の、薬膳スープ。

ベースは、いつも通り豚バラ先軟骨。
これに、ちょっと見えているが、コーン。
蓮の葉と、蓮の実、さらにはと麦。

この時期に、蓮というのは、ニクイ、ではないか。
不忍池でもうそろそろ咲く。
(先ほどの金魚と蓮の花も。)

この蓮の葉は生であろうか。
実際には、堅く食べるものではないようだが。

ちょっと余談。以前に江戸の狂歌師で幕府下級役人
御徒であった、蜀山人太田南畝先生の日記に、夏、
不忍池に朝、蓮の花見に出かけるという記事を見つけた。
そして花見後、池之端の茶屋で蓮飯を食べた、と。
花見にくる人に名物のようなものを提供する、という
グルメと観光は、もう既にワンセットであったのには
多少驚かされる。昔も今も考えることは同じ。
ただ、蓮飯というのは、どんなものか。蓮の実を
炊き込んだ、葉で包んだ?あるいは両方?。ともかくも
残っていないということはたいしてうまいものでは
なかったのであろう。

 


つづく

 

白燕

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台東区元浅草2-7-10
オルタンシアIV 2F

 

 

 

 

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