浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



いわしフライ

4318号

4月11日(火)夜

じゃがいものコロッケを作ろうと思い、浅草六区
西友へいったのだが、魚売り場に開いた生の
いわしを見つけた。

千葉産。
いわしといえば、銚子、で、あろう。

先月であったか、いわゆる入梅いわしといって
梅雨時に脂ののった、いわしが揚がる。
これが今年は早く獲れている、と。

買ってみよう。
開いているので、フライ!。
いわしフライ、で、ある。

キャベツは欠かせないが、書いている通りほんとうは
ノーマルなものがよいのだが、春キャベツ、半分、
50~60円だったので、購入。

作る。

まずは、キャベツ千切り。
いつも通り、スライサーで。

水に放しておく。

これは最低1時間は必要。
青くささはなくしたい。
1時間経ったら、水を切って、冷蔵庫へ入れておく。

いわしは、これ。

4枚入っている。

ちょっとおろし方が、雑である。

開きだが、真ん中から切れそうである。

出して、そっと洗う。

一度、塩をし、また、そっと洗う。
塩をして洗うと生ぐささは取れる。

ほんとうは、数回繰り返したいが、崩れそうなので
1回だけ。

揚げ油を揚げ鍋に用意。
余熱をしておく。

いわし、表裏に小麦粉をふる。
これは天ぷら粉。やはりよりカラッと揚がるだろう。

表裏にしっかり付けた後、はたく。

最近やっとわかったのだが、この粉を付ける時には
手は乾いていなければ、いけない。
あたり前だが、濡れた指では、指に粉がくっついて
しまうのである。
いつもこれをやってしまっていた。

粉が取れてしまうと、そこには衣の付きが
よくないのである。
細かい点で、どうでもよいようにも思うが
意外と仕上がり、揚げ上がりに影響する。

いわし開きが広げられる、平たいプラスチック容器
二つを用意。
一つに生玉子1個を割りほぐし水、氷二個、
粉を溶く。天ぷらの衣程度の濃度に。

もう一つにはパン粉を広げる。

粉を付けたいわしの尻尾をつまみ、玉子の容器へ
スプーンで沈め、表にもしっかりつける。

ここで最初の粉が取れてしまっているところには
玉子が付かないのである。

しっかりついたら、再び尻尾をつまみ、パン粉へ。
いわしの身が崩れぬように注意。
別のスプーンでいわしの上から、パン粉をかけ、
よく押し付ける。

衣が付いた。

4枚。

余熱をした油に再度点火。
180℃まで上げる。
温度の設定ができるガス台になって、
揚げ物料理には画期的である。
この揚げ鍋には油用の温度計が付いていたが、
すぐに壊れてしまった。だいたいそういうものである。

二枚ずつ、揚げる。

180℃をキープし、ひっくり返しながら、
よい色まで。
揚げ物というのは、天ぷらでもフライでも
まめにひっくり返す必要がある。
均等に熱を入れるため。
初心の内は、油が跳ねそうで触るのははばかられる
と思うが、これはむしろ逆。まめにひっくり返した方が、
跳ねにくいのである。

まあ、いわしフライを揚げるのには、たいした
コツはいらなかろう。
しっかり揚がればOK。

冷蔵庫からキャベツ千切りを出し、皿へ。

いわしフライ、あじフライには、トマトケチャップ、
マヨネーズ、ソースの三種を混ぜたもの。
オーロラソースなどという場合もあるか。
私はこれが一番うまいと思っている。

フレンチで、オーロラではなく、オーロール
ソースというものがある。ベシャメルに、
トマトソース、バターを合わせたもの。
似て非なるもの、ではあろう。

出来上がり。

キャベツにはソースをかけ、
ビールを開けて、食べる。

なかなかよく揚がった。

あじフライもよいし、いわしフライもうまい。
大方凸凹なく、うまい。
これだけ安くて、うまいものも珍しかろう。

 

 

 

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