浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



御徒町ラーメン横丁青葉/鯉の洗い

4199号

10月25日(火)第一食

御徒町ラーメン横丁・中華そば[青葉]

さて。
今日は、麺。ちょっとあいたが、黒門町
八重山そばみやら製麺

、と、思ってきたのだが、
あら、休み。
火曜日は、フードトラックをやっているとのこと。

困った。
どうする?。

ここからだと?。
中央通りを渡って、JR線方向へ、自転車を漕いでみる。

ガードをくぐる。

ん!。
ラーメン横丁

久しぶりに[青葉]!、にしてみるか。

15時。
お客は、一人二人。

全部のせの特製中華そば。

きれいなもんである。

アップ。

うまい、のであるが。

!?。
久しぶりだが、変わったのではなかろうか。

まあ、長く続いている店なので、同じ味、
ということはないのであろうが。

特に麺。
かなりのぷりぷり。
ここの麺として変わっているというのも
あるかもしれぬが、一般のラーメンと比べても
抜きん出てぷりぷり。
世の中には様々な中華麺があって、これがよい、
という人もいるのだろうが、私はなにか人工的な
ぷりぷり感を感じるのだが、、。

スープも。
以前、それこそなん十年も前[青葉]といえば
魚介、煮干系の元祖的存在であったように思う。
店に入るなり、煮干のにおいに包まれるようであった。
煮干はかなり、抑えてありバランスが取れている。
今風(?)のスープになっているのでは、なかろうか。
むしろ、私は、うまい、と感じる。

競争があって、老舗も変わっていく。
コラボカップ麺を出したり、出店も増え、
変わっていくのは、当然のことなのであろう。


青葉

台東区上野5-10-14
03-5812-2254


10月25日(火)夜

鯉の洗い

ラーメン横丁から、吉池にまわる。

吉池にも、最近ちょっと足が遠のいている。
なんとなく、魚という気分にならないのである。

理由をちょいと、考えてみる。
魚の料理をするというのは、やはり簡単ではない。
手間というのは、肉料理も同様だが、魚というのは
肉に比べると、鮮度、状態に凸凹が大きい。
これを見極め、繊細な仕事が必要。むろん失敗も
少なくない。もちろん、魚種、調理法にもよるが。
この繊細な仕事をする気力に最近はならない、ということ
かもしれぬ。
いよいよ五十九になった、いよいよ来年六十である。
年のせいか。

ともあれ。
今日は、なにがあるかな?。

お!。
鯉。切り身、である。吉池でも珍しい。
切り身だと、鯉こく、味噌汁。
あるいは、甘露煮。
であるが、作ったこともないし、まあ、あまり
好物でもない。
刺身、あらい、があれば、、、。

ん!。
ちょっと離れた売り場にあった。鯉の洗いは、
ほんとは夏のものであるが、大好物である。

それから、ちっと小さいがやりいかも
買おうか。

鯉の洗いというのは、うなぎや、南千住[尾花]、
それから、ご近所、駒形の[どぜう]にも必ずあるので
行けば食べる。
鯉というのは、おそらく今は養殖であろうが、
日本中にあって、あらいという刺身も、ある
のであろう。
だが、どうも私には懐かしい食い物である。
祖父さんの好物であったし、東京では、きっと
昔から乙なものとして、ちょいとした料理やのような
ところでは食べられていたと思われる。
前にも書いているが、江戸の頃、向島の料亭が
生簀に飼って名物にしていた。

やりいかは明日にして、今日は、鯉のあらい。

寒くなってきたので、ビールではなく、
燗酒にしよう。

火鉢に火を入れる。
今年は、もうこの季節。

鉄瓶を熱くし、燗をつける。

酒は、菊正。
「ピン」ではなく、ちょいとよい、生もとひやおろし
を入手した。むろん、ぬる燗程度。

鯉のあらいは、酢味噌もついているので、
皿に載せるだけ。

切りたてでもないので、ばかうま、という
わけにはいかないが、十分うまい。
ほぼ、酢味噌の味、のようにも感じられるのだが、
ちょっとコリっとした食感と、後味に感じられる
独特な鯉の身の味。
これがうまい、のである。

 

 

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