浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ケチャップライスとナポリタン

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6月11日(火)第一食、13日(土)第一食

毎度書いているが、チキンライスは
私の好物、で、ある。

鶏肉を入れるので、チキンライスといっているが、
まあ、広く言えば、ケチャップライス、で、ある。

鶏以外、豚、牛、あるいは、ハムでもうまい。

ハムになるとハムライス。

池波先生は、ご自身の食べたものを克明に毎日記録されていた。

資生堂パーラーをはじめ、外の洋食やでもよくチキンライスを
食べられていたので、やはり好物であったのだと思われる。
ご自宅でもチキンライスがよく出てくる。これにケチャップライスの
名称も加わり、さらにハムライスも出てくる。
このハムライスは、ハムを入れた塩味の焼き飯、あるいはピラフ
のようなものではなく、ハムのケチャップライスで
あったのではないかと、私は考えている。
(※先生の表記はケチャップライスではなく"トマトライス")

牛や豚だと、ビーフライス、ポークライスでも
よさそうだが、やっぱりこの場合は、ケチャップライス
なのである。

肉っ気がなくても、むろん成立するとは思うのだが、
やっぱり、入らなければさびしい。

鶏、牛、豚、どれが一番うまいのか、合っているのか、
というのを以前に作り比べてみたことがある。

その時は、鶏に結論を下したのであったが、
最近は、どれもそれなり、うまい、と、思うようになった。

最初に鶏がうまいと思ったのは、やはり、食べ慣れていたから、
だけであろう。

少し前に書いたが、ご近所、佐竹商店街そばの
[武井食堂]のオムライス

ここのライスは、おそらくラードで炒めたケチャップライス
で、かなりうまい。だが、鶏ではなく、牛か豚。
どちらか断定は難しいのだが、、。

ともあれ。

今日は、冷凍庫にあったとんかつ用の豚ロース肉。
小さなサイコロに切る。
ロースなので脂身もあるがこれもサイコロ。

玉ねぎみじん切りとともに炒める。
脂身から、脂を出すことに注意をする。

冷蔵庫にあったアスパラガスも切って入れる。
おおかた火が通ったら、いつもの通り、ブランデーで
フランベ。塩胡椒。

冷凍飯を3分レンジ加熱、熱くする。
フライパンに投入し、ケチャップ。
合わせて、味見。

出来上がり。

なかなかうまくできたのでは、なかろうか。

まあ、ケチャップライスなど、どうやっても
まずいものは、できないとは思うが。

さて、次、こんなものが続くが、
スパゲティーナポリタン。

ナポリタンは、ケチャップライスのご飯をスパゲッティに
かえたもの、ではなかろうか。

食い物史、では、ナポリタンは戦後すぐのGHQ接収時の
横浜ホテルニューグランドで、彼らに出すものとして
生まれた、ということになっている。

私もあそこでなん回か食べたことがある。

もちろん、一流ホテルのものなので、ケチャップ炒めではない。
しかし、喫茶店のスパゲティーとして、日本中に広まったのは、
オムライスのチキンライス、さらには、ケチャップライスが、
先にあったからではなかろうか。

オムライスの誕生は明治末から大正。(ウィキ)

戦前には既に一般化していた。
作る方も、食べる方も、馴染み深く、人気のあった
ケチャップライスをスパゲティーにかえたものは、
すぐに人気のメニューになったと考えやすいではないか。

今日は、生のトマトの切ったものが冷蔵庫にあったので、
これを使う。
玉ねぎスライス。ナポリタンにはウインナー、
斜め半分に切ったもの。
これを炒め、サイコロに切った生トマト投入。
強火で炒め、赤ワイン。煮詰める。

スパゲティーをゆでる。
10分。
ガス台が新しくなったので、時間を計るのにタイマーを
使わなくてよくなった。これ、便利。

まあ、酢飯作りなど、ガスを使わないものは依然タイマーを
使わねばならなかろうが。

ゆで上がったら、フライパンに。
これだけでは、やはり足らないのでやっぱりケチャップ。
味をみながらからめて、出来上がり。

パルメジャーノ・レッジャーノがあるので
おろしてまぶす。

出来上がり。

今日は生トマトを使っているが、ケチャップオンリーであっても、
ナポリタン、雲泥の差、ということには、ならなかろう。

ともあれ、うまいものは、できた。

チキンライス、ナポリタン。
どちらもきらいな人は少なかろう。

誰でも簡単に作れる。

ナポリタンは小学生の頃、給食以来の子供の味覚、かもしれぬ。

チキンライスだと、外でお子様ランチなのだろうが、そんなもの
贅沢品として、私は食べさせてもらった記憶はない。
家でもあまり記憶はない。

そうすると、チキンライスは大人になってからか?。
まあ、こんな簡単なもの、どこかで食べていたかもしれぬが。

ともあれ、これまでも、今も、きっとこれからもずっと、
やっぱり私の好物、であり続けるであろう。