浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



親子丼

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4月27日(月)第一食

さて、親子丼、で、ある。

親子丼もかつ丼も、私は好物。

まあ、きらい、という人も少なかろうが。

だが、なかなかうまく盛り付けられない。
丼鍋で作っているが、くっ付いてしまう、
崩れる、など。

プロの作るものとは、程遠いものになってしまう。

なん度も作っているが、これを何とかしたい、
というのが、長年の課題なのではある。

せっかくなので、味噌汁も作ろう。
親子には、なめこの赤だしなどは似合いであろう。

先に赤だし用の鰹出汁を取っておく。

小鍋を煮立て、鰹削り節を入れ、軽く煮立て、
置いておく。

買い出し。

鶏肉、ハナマサのこま切れという、いつも買っている
切れ端のパック。今日は、玉ねぎなしでいってみる。
それから、なめこ

帰宅。

赤だしを先に完成させてしまう。

出汁を濾して、なめこを入れる。

煮立て、火を通す。

火が通ったら、八丁味噌と信州味噌。

八丁味噌だけだとどうしてもうまみが少ない。
これは実際に、豆だけで発酵させる豆味噌の八丁味噌
米麹で発酵させる米味噌に比べるとアミノ酸の量が
少ないのである。

鰹出汁を取ってあるので、まあ、八丁味噌オンリーでも
よいのだが、2割ほどの信州味噌も溶いておく。

赤だしはここまでやって置いておく。
食べる直前に温め直す。

さて、問題の親子。

時間的にはすぐに出来てしまう。

鶏肉は、大きいものもあるので、一口に揃えておく。

つゆは、毎度お馴染み、桃屋のつゆに気持ち水。

丼鍋に鶏を並べ、つゆも張る。

この丼鍋は、テフロン加工のもの。

玉子は二個。

実は、一昨日、一度作っている。リハーサルになっている。
だがこれは、くっついてしまった。
テフロンでもくっつくときは、くっつくのである。

玉子二個は、さっとほぐす程度。
いつもは、完全に腰は切らないが、そこそこかき混ぜていた。
ひょっとすると、くっつくのはこれが原因では、と考えた
のである。
黄身と白身がまとまっていた方が、くっつきにくいのでは
ということである。

そして、時間差で二個を二回に分けて入れる。
どちらも、同じように軽くほぐしただけだが、
投入するポイントをずらすと、固まり具合が
変わり、トロっとした部分ができやすい。
TVでプロのやっていたものである。

動画。

くっつかなかった。
これは、クリア。
玉子のほぐし具合が功を奏していたかどうかは
わからないのだが。

なめこの赤だしも、温め、ねぎを散らす。
酒悦のしば漬けも出す。

アップ。

食べる。

ん?!。
ちょっと、味が薄い。
桃屋のつゆが、足らなかった、、上から少したらす。

味が薄かったこと以外は、玉子の加減など、上々である。
生の部分、半熟の部分、火が通っている部分があって
意図通り。

だが、だが、だが、で、ある。

くっつかなかったのはよいとしても、
我ながら、どう贔屓目に見ても、きれいではない。

いろいろ考えて、作ってきているが、
わからなくなってしまった。

親子丼というと、町のそばやのもの、有名店のもの、色々ある。

これは、親子の元祖ともいう2016年人形町[玉ひで]のもの。


やはり、この見た目、芸術的であろう。
むろん、うまい。

これは一つの目指すべき理想形なのであろう。
また、一方、町のそばやの親子丼も、うまいし、トロっと半熟
ではなくとも、目指す仕上がりにしてもよい。

銘店でも町のそばやにしても、まったく近付けない。
鍋にくっつくことに、いまだに悩んでいる始末である。
程遠い。

今日は失敗したつゆの味、量も問題。玉子の量もあるかもしれぬ
そして、ほぐし具合、加熱時間、火加減もあるのか?、、、

出汁巻きにしても、オムレツにしても、玉子料理は
私は、どうしてもうまくならない。鬼門である。
親子がだめなのも、そういうことか?。
つまり玉子の扱い下手。
もはや、あきらめの境地である。