浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



西浅草・フレンチ・ビストロ・カトリ その2

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引き続き、西浅草のビストロ[カトリ]。

真鯛のカブトスモークロースト」。

一度調理のお兄さんによってこれが運ばれ、見せる。

かなり大きな鯛であろう。
今日の黒板のメニューにもこれは書かれていたのだが、
これがいくつもあるのだろうか。

もう一度、キッチンに戻される。

しばらくして、ほぐされて再登場。

“スモークロースト”といっているので、
スモークしたものをさらに焼いている、のであろう。

油がまぶされているが、これはオリーブオイルとのこと。

先ほどの、ぶりもそうだが、日本の素材。

鯛のかぶと、頭は、和食では当たり前の料理である。
甘辛く煮たり、塩で焼いたりする。
うまいものである。

フランスで魚の大きな頭でこんな料理の仕方を
するのであろうか。
まあ、あまりしなさそうである。

日本のフレンチでは、こういう日本の食材を
仕立てるのは、もはや当然のことなのであろう。

フレンチのシェフは当然フランス料理の技術と知識を
持っている。
その上、日本人である。
日本の食材についても当然、子供の頃から慣れ親しんできた。
知識も例えば、フランス人のフレンチシェフに比べれば
圧倒的に詳しかろう。
また、和食の技術、知識も積極的に学ばれている方が多かろう。

であれば、こういう和食の素材をフレンチにするのは、
ごく自然のことである。
また、お客の日本人には馴染み深い和食の素材を和食では
しない手法で、うまくなって、出してもらえるのは、
新鮮であり、とても愉しい。

ともあれ。

箸が出され、箸でつまむ。
皿の右には、目玉もちゃんとのせられている。

塩とスモーク、オリーブオイル、にんにくなどついているのか
わからぬが、フレンチらしからぬ、ほぼ素材そのままの味では
なかろうか。フランス人がこれを出されるたらどう思うのであろうか。
料理だと思うのであろうか。否、かもしれない。

だが、これがまずかろうはずがない。

どんどん、つまむ。
既に、白ワインをもらっている。
ワインが進む。

皿の身を食べ終わった頃、

身を外した残りも運ばれる。まだまだ食べるところは残っている。

骨をしゃぶって食べる。
まさに、居酒屋状態。

二回に分けたのはなぜであろうか。

すべての客にこういう出し方をするのか。
よく考えると、いくつかの疑問はあるのだが、まあよい。

ほぐしたものでは、あまり感じなかったが、
多少、オイリーで、よりB級度というのか、居酒屋感が
強まる。

私は、魚のあらは、大好物で、頭の身をこそげ取って
食べるのはむしろウエルカムだが、抵抗がある人も
いるのかもしれぬ。ビストロなので許されるか。

骨も皮も、きれいに片付けて、次。

赤ワインにかえる。

肉料理。

牛ハラミのステーキ。

アップ。

肉の下に白いものも見える。ソースの説明をされた、と思うが、
忘れてしまった。
甘めのこってり感のあるもの。
ハラミによく合っている。
肉はレアで柔らか、脂もよい感じ。

前回もあったが、添えられている野菜のローストが、
絶妙な加減で火が通されており、香りもよく、うまい。
炭火であろうか。

料理はここまで、デザート。

上にのっているのは、チョコ。

中が、パフェのようになっているが、
ナッツとヌガーと説明してくれた。

ラズベリー?、クランベリー?、赤いソースが
かかっている。

ナッツがとてもよいアクセントで、かなりうまい。

また、量もあって、かなりの食べ応え。

うまかった、うまかった。

会計は、一人10,000円ほど。

ウエイター氏が、外まで送ってくれる。

ご馳走様でした。
おいしかったです。

うまかっただけでなく、かなり感心もした。
しばらく、コースで食べてみるのもよいかもしれぬ。

ここ二度目であるが、私には合っているようである。

 

 


Bistro KATORI

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