浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



西浅草・イタリアン・リストランテ・ジャルディーノ

dancyotei2013-08-08

8月4日(日)夜



さて。



日曜日。



今日は内儀(かみ)さんの希望でイタリアンということで、
西浅草の[ジャルディーノ]


夜、7時に予約を入れる。


イタリアンもフレンチもむろん、好きなのだが、このところ
あまり行く機会がない。


フレンチは連休にパリへいった時には、もちろん食べているのだが、
日本に帰ってきて、仕事をする日常が始まると、フレンチにしても
イタリアンにしてもわざわざ出掛けなくなっている。


これは、このところなにが食べたいか考える時に、和食でなければ、
中華か、せいぜい(いわゆる)洋食どまりで、イタリアンやフレンチまで
たどり着いていないのである。


年齢(とし)を取って頭が固くなってきたか、
忙しさで心に余裕がないから、かもしれない。


15分前に内儀さんと自転車で出る。


ちょいとお洒落なイタリアンでも、近所であるからと、
私はいつものアロハに短パン、そして素足に雪駄


場所は、浅草通りの北で、国際通りの西。


[ジャルディーノ]が面しているのは細い通りで、付近にあまり
目印のようなものがない。
この近所むろん、昔からうろうろしているが、
ちょっと探してしまった。


いわゆる、一軒家のレストラン。


扉を開けて入る。


入ってすぐにウエイティングスペースのようなところがあり、
ウエイター氏がにこやかに迎えてくれる。


名前を言って、テーブルに。


店内はイタリア風の白い漆喰壁。
店名のジャルディーノ=庭が窓から見える。


ここでもやっぱりビール。


メニューを見ると、8月なので夏バテ防止に、というので、
テーマは豚だそうな。
イベリコ豚を仕入れていますとのと。


コースは二種類あるが、せっかくなので肉と魚、両方がついた
ものにする。


パン。





久しぶりにイタリアンにきたので、なにか懐かしい。
昨年の夏、ローマとシシリアへいったのであった。


添えてあるのは、オリーブオイル


グリッシーニ。細長いプレッツェルのような堅いパン。


イタリアのトラットリアではテーブルにいつも袋に入った市販の
ものがどこへいっても必ず置かれていた。


アンティパスト。





もう一皿、あるのだが、一皿目。


手前左、田舎風パテ。上はリエット。


最初からいきなり、豚づくし、か。


むろん、うまい。


豚肉というのは、脂がうまい、のである。
アミノ酸の量が脂身の方に多い、で、あったか。


二皿目。





前菜というよりは、もはやメインのよう。


豚レバーのソテー(ロースト?)。
ともにソテーされた薄切りのズッキーニとともに。


まわりは三種のムース。


こんがりと、よい感じに焼かれている。


レバーというのは水分(血)が多いので、こんがり焼くのは
むずかしいはずである。それこそ、やきとんやでも、レバーを
表面はこんがり、中は硬くせずに焼けるかどうかで、評価が決まる。


パスタ。





私は「江戸前穴子と自家製ドライトマトのスパゲティーニ
香草とともに」というもの。


味は塩味。


穴子は白焼きで、食感よくパリッと焼けている。


内儀さんの「焼きなすとフルーツトマトの冷製スパゲティーニ
パルマ産生ハム添え」





これはちょっと、おもしろい。
焼いて皮をむいて柔らかくした、和食のような焼きなす。
イタリアンにこういう手法があるのかどうか、わからないが、
この焼きなすに味がついいる。いや、染み込んでいるというような
表現があっているように思うが、これがソースのような役割を
している。


次が魚。


鯛のグリル。





身が分厚い。
よほど大きな鯛なのではなかろうか。
シンプルでうまい。


肉。





こちらは「イベリコ豚(ベジョータ)ロースのロースト、マルサラソース」。


ジョータというのは、私は初めて聞いたが、
どんぐりだけを食べさせたイベリコ豚のことで、イベリコ豚の
なかでも一級品だそうな。


マルサラソースというのはマルサラ酒というイタリアの
ちょっと甘目のワインで作ったソースということのよう。


火の通り具合も焼き加減もよいのだろう、プリプリでうまい。
また、甘いソースがよく合っている。





「イベリコ豚(ベジョータ)スペアリブと肩ロースの白ワイン煮込み
スベッツァティーノ」


スペッツァティーノ、だけで、イタリアの白ワイン煮のことに
なるようである。


柔らかく煮込まれて、うまい。


ここまで。



ドルチェ、一皿目。





三点盛。


ティラミス、チーズケーキ、アイスクリーム。



二皿目。





桃のジェラート




以上、豚づくし、けっこうなボリュームであったが、


うまかった。


特段、びっくりするようなものではなのだろうが、
凸凹なく、安定してうまいのではなかろうか。


以前きた時にも感じたがここの二人いるウエイター氏は
実に雰囲気がよい。



アットホームというのか、一軒家らしいというのか、
あたたかい雰囲気を店の中に満たしている。


今日は、ビールから、白ワイン、赤ワインと、ちょっといつもより
量を呑んでしまった。


会計をして外まで出てきて、フラフラと自転車に乗るところまで
ウエイター氏見送ってくれた。


よい店である。





と、いうことで、断腸亭は来週、一週間夏休み。
この日記もお休み。



皆様も、Have a nice summer vacation! 。












ジョルディーノ