浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



赤酢の酢飯でいくら軍艦巻き

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12月21日(土)第2食

さて。
赤酢の酢飯シリーズ(?)。
いくらのにぎり鮨だが、もちろん、軍艦巻きになる。

昨日、いくらが食べたくて、吉池で買ってきた。

しょうゆ漬け、大きいパックで、1,700円。
100g980円。(10,000円/kgほどになる計算である。)

絶対値としてはむろん高いのだが、
頻繁に買うものではないので、相場として、
これが高いのか、割安なのかはわからない。

ちょいと通販でのいくらの値段を調べてみた。
500gで2,000円台からあって3,000円台、5,000円、8,000円、
10,000円あたりまで、バラバラ。
多いのは3,000円台後半あたりか。

もう一つ。卸値。
東京中央卸売市場は、数量と平均価格を公表している。

それを見てみた。いくらは直近のものは見つけられなかったが
8月で4,775円、10月で4,740円/kg。

前年同時期をみると5,000円台中頃から後半で、今年の方が
むしろ安くなっているようである。

鮭が不漁で高値、などという声も聞くが、そうでもなさそう
である。ちなみに鮭(塩あきさけ)の平均価格を見ると、
気持ち高いか、という感じで高騰してはいないよう。

なかなかおもしろいものである。いくらの値付けである。

まとめると
1.そもそも、いくらは今年は特に相場は高いわけではなさそう。
2.通販価格の、500g2,000円台は、卸値に近い。

3.吉池の値段は卸値の2倍。

もちろん、品質の差はあるのだろうが、通販でも
高価格のものも多数ある。

この値段の付け方である。
やはり、高めにつけられているように見える。

いくらというのは、値段の高いもの、と皆思っている。
私もそうである。
普段よく買う鯵、鯖、鰯、塩鮭でもないので、値頃感がわからない。

高い値段を付けられても、1パックの単価を見て、
受け入れられると思えば、買う。あるいは、買わざるえない。
そういうことになろう。

まあ、そんなことで、言葉はよくないが、比較的ぼられている
商品。売る側からすれば、利益を取りやすい商品、と
いうことになるのかもしれない。

結局、買う側はその店をある程度信用して買っている。
吉池でいえば、多少高めであるが、よいものを置いている、
と私は思っている。
そこにお金を払っているわけである。
それを裏切られたと感じれば、他の店を探す。
まあ、そういうことであろう。

さて。
赤酢の鮨であった。

例によって、飯を炊いて、赤酢で酢飯を作る。

赤酢と透明な酢の割合と量は、前回と同様。

段々、混ぜるのも慣れてきれいになってきた。
これをみると、逆に透明な酢の場合もムラになっていた
のではないか、という気がしてくる。

海苔を軍艦巻き用に切る。

一枚を縦に置いて横に半分に切る。
それをさらに横に半分。

なにかちょっと違う?。
もう少し細長かったような、、、。
まあよいか。

にぎって、海苔を巻く。

海苔に水をつけなくとも一応巻き付く。
プロはどうしていたろうか。
水をつけて巻いてみたが、置いておくと海苔が湿ってしまった。
これは水をつけないでよろしかろう。

にぎった酢飯の形が不揃いで、あちゃこっちゃっを向いてしまう。
海苔もやっぱり、背が高いか。

いくらをのせる。。

アップ。

いくらはしょうゆ漬けであるが、上からしょうゆをちょいと
たらして食べる。

わさびなどは入れなかったが、これで十分。
もちろん、うまい。

赤酢との相性。
これは、まあ、いくらの味が強いので、わかりずらい。

いくらというのは、酢飯でなくとも白飯にのせても
むろん、抜群にうまい。
軍艦巻きの普通の酢飯でも、もちろん、うまい。
あるいは、そのまま食べてもちょっと強すぎるが、
うまい。まあ、なんでもよい、ということか。

さて、問題の海苔の大きさ。
食べ終わってから調べたのだが、やはり背が高かった。
1/2の1/2にしたのだが、正解は1/2のあとは、1/3が正解で
あった。
まあ、微妙な違いではあるのだが。
だが、どこの鮨やへ行っても同じ。これは決まっている。

さて、もう一ネタ。軍艦巻きというのはいつできたのか。
意外に新しいだろう、おそらく戦後、ではないか、と。
軍艦巻きはにぎれないもの。今回のいくらや、うにを
にぎりずしとして食べるために生まれた。
うにはともかく、いくらなど、冷蔵設備と流通が発達した、
戦後ではないか、と。

が、左に非ず。驚いた。
wiki によれば「1941年(昭和16年)、東京銀座の寿司店「銀座久兵衛」」
だそうである。ただ、これはうにだったそう。いくらはやはり戦後のよう。※
だが、この年、太平洋戦争開戦の年ではないか。これはもっと驚きである。

おそまつ。

 

※「あのメニューが生まれた店」菊池武顕