さて。
断腸亭の夏休み、モルディブの二回目。
シンガポール経由でモルディブのマーレ空港、夜中着。
ボートでフォーシーズンズのクダフラへ移動。
その晩はクダフラの水上コテージで一泊。
朝飯はクダフラのレストランで食べて、昼前、今度は
水上飛行機で、30分ほど、北西隣りのバー環礁にある、
フォーシーズンズのモルディブにあるもう一つのリゾート
ランダー・ギラーバルまで。
ここが今回の目的地。
家を出てから24時間以上経っているが、
なかなかの長い道のりで、ある。
モルディブという国はインド洋のサンゴ礁の小さな島々だけで
構成されており、南北に随分と長く、そのサンゴ礁、大きな環礁が
点在しているのである。
もう一度地図を出してみよう。
空港や首都のある環礁は北マーレ環礁というが、
この環礁の島々のリゾートであれば、スピードボートで1時間以内で
着く距離なのだが、隣の環礁となると、それ以上かかるわけで、
観光客の移動には今回のような水上飛行機での移動になるわけである。
ダイビングというのはそもそもが自然を見るもので
できるだけ人のいかない、手付かずの海がよい。
つまり、辺鄙なところがよいのである。
今まで、モルディブには6〜7回きているが、皆、空港から
ボートで行ける範囲のリゾートで、今回は多少無理をしても
少し遠いところへ行ってみようということであった。
水上飛行機でランダー・ギラーバル島の沖に着き、
ここから迎えにきていたフォーシーズンズのボートに乗り換え、
フォーシーズンズ、ランダー・ギラーバルまで5分ほど。
(この水上飛行機の便はほぼフォーシーズンズ専用ということである。)
着いて、フロントでチェックインと簡単なオリエンテーション。
フォーシーズンズのここも日本人女性のスタッフがいる。
冷えたヤシの実のウェルカムドリンク。
ダイビングをするので事情を聞くと、チェックアウトダイブは
毎日午後3時からとのことで、早速申し込んでもらう。
チェックアウトダイブというのは、どこでもしているが、
ライセンスを持っていても、最後に潜ってから1年以上経っている場合は、
一応、ダイビングスキルの確認とおさらいのためのダイビングを
しなければならない。
潜る側としてもこれはありがたい。
年に一回のリゾートダイバーであるが、30年弱は潜っている。
その中でも私自身、危ないと思う場面にはなん回か遭遇している。
10m以上の深さの海中に、1時間程度、各種の機材にたよって
生身の人間が潜るわけである。これは実に危険と裏腹なことなのである。
機材の不調、自らのスキル不足、体調不良、不測のパニック、
気象条件、ガイドやボートの不備、不手際等々、なにか起きれば
命に直結するのである。、
数年に一度は国内外で日本人の遭難事故のニュースがある。
(多くは、ボートからはぐれ、ポイントに取り残され
漂流してしまう、という例だが。)
ともあれ、自分ができることはきちんとしておきたい。
一度、バギーでビラへ。
ここでも昨晩同様、水上コテージ。
部屋には、シャンパン。
(むろん、頼んだわけではない。付いてきたもの。)
せっかく冷えているが、この後潜るので、アルコールは呑めない。
3時前、機材を持ってダイブセンターへ。
モルディブのリゾートアクティビテーのメインは
なんといってもスクーバダイビングで、どこのリゾートにも
なん人ものスタッフと設備、ダイビングボートを備えた
立派な施設がある。
(むろん、お客のすべてがダイビングをするわけではない。
シュノーケリング程度ならすべての人がすると思うが、
タンクを背負ってスクーバダイビングをする人は
過半数にも満たないのかもしぬ。もったいない話だが。)
内儀(かみ)さんはむろん一緒にきているが、
今年は足を負傷しダイビングはできない。
潜るのは私一人。
スパなんぞへは行くようだが、ほぼ、なにもしないリゾート生活、
という毎日である。
ダイブセンターへくるとチェックアウトに付き合ってくれる
ダイブマスターは、韓国人の男性。
ほぼ普通に日本語ができる。
ダイビングの場合、書いている通りある意味
こちらの命を預けるので、ガイドやインストラクターは、
できれば日本人、日本語が通じる人の方がよい。
だがまあ、ダイビングの専門用語やシグナル、ルールの類は
世界共通なので、これについては問題はない。
今までもまったく英語オンリーのところで潜っていることも
多々あるので、まあ、問題はない。
事実、この韓国人の方もこの日だけで、この後、毎日の
いわゆるファンダイブ(観光ダイビング)は、英語だけの
モルジブ人のガイドであった。
潜る場所は、目の前のビーチから入る、いわゆるハウスリーフ。
ウェットを着て、機材を装備して、
海に入る。
水中でマスクを外して、もう一度し直して、
鼻から息を吐いて、マスクの中の海水を抜く、
マスククリア、外してしまった、レギュレーターを回収して
口にくわえ直す、その他、一通り基本動作を、行う。
まあ、15分程度。
終われば、あとは、ハウスリーフ内のもうファンダイブ、で、ある。
こんな島のすぐそばでも、驚くほど魚が多い。
意外にすぐに7〜8mから、10m程度の深さになる。
モンガラカワハギ。
沖縄なども含め、太平洋、インド洋、広くいるが
40〜50cmとでかい。
タテジマキンチャクダイ?。
またまた、ちょっと大きな魚の群れ。
ひれが長いアジのような。
名前を調べてみると、コバンアジというようで、
日本近海にもいるようである。
妙にユーモラスな顔が好きな、イヌフグの仲間。
水中結婚式でもやるのであろう、
こんなものもある。
触角だけしか見えぬが、
おそらく伊勢海老。
まだ子供の大きさであろう。
伊勢海老はこの後、かなり頻繁に登場する。
ドットがきれいなハタの仲間。
アオノメハタというよう。
お馴染みのクマノミとイソギンチャク。
再び、ビーチまで戻りチェックアウトダイブは終了。
つづく