7月18日(火)夜
またまた、大阪出張。
今日の帰京は、20時ちょい前。
暑い上に、雨も降ってたいへんな大阪であったが、
新幹線は遅れることもなく、無事到着。
聞けば、留守の東京はもっとたいへんで
雹(ひょう)まで降っていたよう。
道々、なにを食べようか、考えてきたのだが、
久しぶりに、日本橋のそばや[やぶ久]。
暑いが、天ぬきで一杯やって、ざるそばでも
たぐる、か。
あそこは、季節の種のかき揚げを出しているので
それで、天ぬきにしてもらうのが、愉しみ、で、ある。
[やぶ久]は創業明治35年の老舗。
老舗というのは閉める時刻が早いが、ここは、呑む客にも
顔を向けており、22:30がラストオーダー。
従って、この時刻でもOK。ありがたい。
八重洲中央口から出て、ノースタワー前の信号で
外濠通りを渡る。
ここから真っ直ぐ。
中央通りに出る一本手前を左に曲がる。
この通りは外濠通りと日本橋の中央通りの真ん中の通りで
八重洲仲通りという。
このあたり、ちょっとおもしろいかもしれぬ。
八重洲仲通りというのは、今は東京駅八重洲口前の盛り場だが、
毎度書いているように元の日本橋花柳界からの盛り場といってよい
のであろう。
日本橋の中央通りは文字通り江戸からの目抜き通りで
高島屋、丸善その他、今も構えの立派なビルが並んでいて
どちらかといえば、いや、そうとうかたいイメージ。
それに対し、この八重洲仲通り界隈は急にゆるい。
ただまあ、新宿だったり渋谷だったり、いわゆる東京の
他の盛り場と比べれば、規模も小さいが、まだ品位のようなものが
あるように感じられるのは、おもしろい。
8時すぎ、店に入る。
6時前後に入ると、ほぼ座れないが、この時刻であれば
なん回転か終わった後なのであろう、一階で一人ぐらいは、
らくに座れる。
入口前の二人掛けのお膳に掛ける。
お姐さんに、エビスの中瓶。
ここは急な階段であがる、二、三階もあって
グループで呑んでいるサラリーマンが多数。
まあ、一階も似たようなもの。
さて、なんにしよう。
ここまで思い描いてきた筋書は、季節のかき揚げの
天ぬき、なのであるが、、、、
品書きを見ると、季節のかき揚げが、見当たらない。
季節の天ぷらは、夏野菜、穴子、あたりで、
かき揚げではない。
はて、ないのかしら。
ん!?。
今日、気が付いたのだが、品書きにズバリ「天ぬき」がある。
今までは「天ぬき」は書かれていないものであったはずである。
注文を取りにきたお姐さんに聞いてみる。
すると、季節のかき揚げは、今は芝海老という。
小柱だったり、白海老、桜海老、というのが、
季節のものだが、そういう意味では、どれでもない季節、
ということかもしれぬ。
ノーマルな芝海老かき揚げ。
で、天ぬきのこと。
お姐さんに聞くと、これは、どうもかき揚げではない。
一本揚げの海老天と、しし唐天が入ったものという。
以前はなかったので、作ったのであろう。
東京のそばやで天ぬきをかき揚げで出すところは、
実際は多くない。多くは車海老などの一本揚げの大きな海老二本。
かき揚げは私の好きな、浅草並木[藪]他数えるほど、
かもしれぬ。しかし、私の好みとしては、かき揚げの方がよい。
それで、芝海老のかき揚げで天ぬきにしてもらうように頼む。
きた。
こんな感じ。
芝海老だが、玉ねぎも入っている。
(これが季節、かな。)
ついでにしし唐天も入っている。
やっぱり、天ぬきはふやけた衣を肴にして呑むわけで
衣の多いかき揚げの方が、よいと思うのである。
天ぬきは熱いもので夏らしくはないのだが、
私は酒の肴としては、暑くてもいっこうに構わない。
うまいもの、で、ある。
呑み終り、食べ終わり、ざるを一枚。
手繰って、お勘定。
うまかった。
ご馳走様でした。