浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



関西風おでん

dancyotei2017-01-25



皆様寒中お見舞い申し上げます。

寒いですねぇ。

今年は、土曜日1/28が旧の正月一日。
来週の土曜、2/4が立春、前日が節分。
初春ももうすぐです。

1月23日(月)夜

寒い。
風が強い。

寒いので、おでん、で、ある。

おでん、おでん、おでん。

おでんがどうしても食べたい。

おでんといえば、私の場合、しょうゆで煮〆た東京風が
どうしてもよい。

自分で作ってもよいのだが、時間もかかるし、
大量にできてしまうので、やっぱり、外で食べるのが
手軽。

しかし。
東京のおでんやも、まあ、ほぼ関西風で、しゅうゆで煮〆た東京風は
ごくわずか。

正調東京風で私が知っているのは日本橋などの[お多幸]系。
そして、池之端の[多古久]。

今日は大江戸線で戻ってきたので、上野御徒町で降りて
[多古久]へいってみる。

と、あれま、臨時休業の貼り紙。
ここは志ん生やら馬生も通ったという、このあたりが
下谷花柳界全盛であった頃からの老舗。

残念至極。

となると、関西風でもしようがないか。
このそばではあるが[大凧]というところ。
関西風なので入ったことはない。
この界隈の裏路地。
店の外に名前の通りの大凧が吊るしてある。

が、、、。
きてみると、ここにも臨時休業の貼り紙。
なんと二軒とも。こういうこともあるものである。

と、なると、もう一軒。
それほど有名ではないと思うのだが、
上野駅前、丸井の脇の[藪蕎麦]のある通り。
駅から通りに入って、すぐの右側にある[志んせい]という店。
前から気にはなっていた。新しそうなところではない。

極寒の中、広小路からアメ横を抜けてスタコラ歩いて、到着。
よかった、こちらはやっている。

入ってみる。

カウンターとテーブル席、小上がり。
そう大きな店ではない。

一人なので、カウンターに。

カウンターの中には、丸顔の愛想のよさそうなお母さん。
若めのお姐さん(外国人?)が中に一人と、外に一人。
さらに奥の調理場に二人。
そんな態勢のよう。

案の定、こういう店である、常連度は高い雰囲気。

お酒、お燗。

熱燗?。

いや、熱くはしないで、普通で。
お母さん、おでん鍋の脇の銅壺に二合徳利を突っ込む。

目の前のおでん鍋からおでんを頼む。

玉子、つみれ、すじ、がんも。



まぎれもない、関西風。

ただ、かなり濃厚なつゆ。
昆布が主体であろうか。

そう。これはこれで、しょうゆの濃い東京風とは別のものとして
うまい、のである。

あ、お母さん、お燗忘れている。

案の定、熱燗になってしまった。
銘柄は白鷹の本醸造のよう。
灘の酒で、お決まりの辛口、お燗には合っているよう。

ただ、やっぱり思うのは、辛口の酒は
東京のしょうゆの濃い味に合っているということ。

うまいので、つゆも飲んでしまう。

おでん二皿目。



ある種は特に関西風ということもなく、ちくわぶはなかったが、
練り物のすじ、里芋などもあって、東京の定番種は
あるようである。

ごぼう巻、いいだこ、里芋、きんちゃく。

燗酒にこういう温かいものを腹に入れると、
極寒の東京でも暖まる。

腹もくちくなる。

お勘定。
3000円ちょい。

おでんやとして、こんなものか、気持ち高めか。

ご馳走様でした。


だがやはり、東京のおでんが食べたい。

この店、戦後ではあろうが、そう新しくもない。
戦後には既に、東京のおでんは関西風に駆逐されていたのか。
透明なつゆが入ってきたのは関東大震災後であるが。

これはこれだし、あれはあれでうまいのだが。

03-3831-5460
台東区上野6-14-9








皆様寒中お見舞い申し上げます。

寒いですねぇ。

今年は、土曜日1/28が旧の正月一日。
来週の土曜、2/4が立春、前日が節分。
初春ももうすぐです。

1月23日(月)夜

寒い。
風が強い。

寒いので、おでん、で、ある。

おでん、おでん、おでん。

おでんがどうしても食べたい。

おでんといえば、私の場合、しょうゆで煮〆た東京風が
どうしてもよい。

自分で作ってもよいのだが、時間もかかるし、
大量にできてしまうので、やっぱり、外で食べるのが
手軽。

しかし。
東京のおでんやも、まあ、ほぼ関西風で、しゅうゆで煮〆た東京風は
ごくわずか。

正調東京風で私が知っているのは日本橋などの[お多幸]系。
そして、池之端の[多古久]。

今日は大江戸線で戻ってきたので、上野御徒町で降りて
[多古久]へいってみる。

と、あれま、臨時休業の貼り紙。
ここは志ん生やら馬生も通ったという、このあたりが
下谷花柳界全盛であった頃からの老舗。

残念至極。

となると、関西風でもしようがないか。
このそばではあるが[大凧]というところ。
関西風なので入ったことはない。
この界隈の裏路地。
店の外に名前の通りの大凧が吊るしてある。

が、、、。
きてみると、ここにも臨時休業の貼り紙。
なんと二軒とも。こういうこともあるものである。

と、なると、もう一軒。
それほど有名ではないと思うのだが、
上野駅前、丸井の脇の[藪蕎麦]のある通り。
駅から通りに入って、すぐの右側にある[志んせい]という店。
前から気にはなっていた。新しそうなところではない。

極寒の中、広小路からアメ横を抜けてスタコラ歩いて、到着。
よかった、こちらはやっている。

入ってみる。

カウンターとテーブル席、小上がり。
そう大きな店ではない。

一人なので、カウンターに。

カウンターの中には、丸顔の愛想のよさそうなお母さん。
若めのお姐さん(外国人?)が中に一人と、外に一人。
さらに奥の調理場に二人。
そんな態勢のよう。

案の定、こういう店である、常連度は高い雰囲気。

お酒、お燗。

熱燗?。

いや、熱くはしないで、普通で。
お母さん、おでん鍋の脇の銅壺に二合徳利を突っ込む。

目の前のおでん鍋からおでんを頼む。

玉子、つみれ、すじ、がんも。



まぎれもない、関西風。

ただ、かなり濃厚なつゆ。
昆布が主体であろうか。

そう。これはこれで、しょうゆの濃い東京風とは別のものとして
うまい、のである。

あ、お母さん、お燗忘れている。

案の定、熱燗になってしまった。
銘柄は白鷹の本醸造のよう。
灘の酒で、お決まりの辛口、お燗には合っているよう。

ただ、やっぱり思うのは、辛口の酒は
東京のしょうゆの濃い味に合っているということ。

うまいので、つゆも飲んでしまう。

おでん二皿目。



ある種は特に関西風ということもなく、ちくわぶはなかったが、
練り物のすじ、里芋などもあって、東京の定番種は
あるようである。

ごぼう巻、いいだこ、里芋、きんちゃく。

燗酒にこういう温かいものを腹に入れると、
極寒の東京でも暖まる。

腹もくちくなる。

お勘定。
3000円ちょい。

おでんやとして、こんなものか、気持ち高めか。

ご馳走様でした。


だがやはり、東京のおでんが食べたい。

この店、戦後ではあろうが、そう新しくもない。
戦後には既に、東京のおでんは関西風に駆逐されていたのか。
透明なつゆが入ってきたのは関東大震災後であるが。

これはこれだし、あれはあれでうまいのだが。

03-3831-5460
台東区上野6-14-9