浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



豚汁

dancyotei2016-11-27



11月27日(土)深夜


土曜日、夜は高校時代の友人四人と久しぶりの
忘年会。


今週は雪なんぞも降って風邪がなかなか抜けない。


まだ、もう一軒いくといっていたが、
私は体調も今一つなので帰ってきた。


帰ってきて、そのまま転がって居間で寝てしてしまう。


起きたのは深夜。


お決まりだが、温かい汁物が食べたくなった。


豚汁などどうであろうか。


なぜだか少し前から豚汁が食べたくなっていた。


豚汁、と今書いたが、ブタジル、なのか、
あるいはトンジル、なのか。


私はいつも疑問に思うのだが、
皆様はどう呼んでおられようか。


そもそも、豚汁というのはいつ頃から
食べられている料理なのか。


基本、豚肉が入った味噌味の汁でよいのだろう。
じゃがいもやごぼうといった根菜が入る。


ウィキペディアによればその発祥には諸説あるよう。


私が子供の頃から豚汁はあった。
一番定番であったのは、冬のスキー場の食堂
ではなかろうか。


あるいは、やはり冬の野外での炊き出し
のような場面。


簡単に作れて大人数で食べられ、温まる。


ウィキペディアの諸説の中でピンときたのは
明治の頃の軍隊食。


肉の入るメニューなので明治以降なのであろう。
ただ、ウィキペディアにあるように、鹿児島(薩摩)では
江戸期から豚肉は一般に食べられており、豚肉の入った
味噌汁というのも存在していたであろうことは
リーズナブルである。


これがもとになって、軍隊食として
豚肉の入った味噌汁が出来上がった。
海軍にしても陸軍にしても明治の日本軍は
薩摩人、長州人が多くを占めていたのは周知であろう。
薩摩の料理が軍隊食に入っているのも容易に理解できる。


カレーライスなどもそうだが、
軍隊食から、日本全国津々浦々の人々に
広まった料理というのも多いのであろう。


豚汁もその類というのは有力のように
思われる。


さて、ブタジルなのかトンジルなのか。
まあ、これは大した問題ではなかろう。
鹿児島を除いて伝統的な郷土料理でもなく、
地域毎に特色のあるものもある、というが
そられとてそう長い歴史ではなかろう。


と、いうことで豚汁を作る。


夜中だが、豚肉やら、ハナマサへ買い出し。


豚小間切れ。


じゃがいもはメークインがあった。
煮込むので崩れにくいメークインは好適。


それから、豚汁にごぼうは必須。
ねぎもなくてはならない。
さらに、豆腐も入れよう。
木綿を一丁。


帰宅。


作る。


まずは、じゃがいもとごぼうを洗う。


ごぼうは、泥を落とし、包丁でガリガリとこいで
表面をきれいにする。


じゃがいもは皮をむく。

ごぼうは比較的厚めに斜めに切る。

じゃがいもは大きめの一口。



ねぎ、豆腐を賽の目に切る。

豆腐を入れ、ねぎは火の通りにくい白いところを

先に入れ、煮る。

火が通ったら、青いところも入れる。

軽く煮て、味噌を溶く。
味噌は信州味噌。


出来上がり。



まあ、誰が作っても、失敗はなかろう。


豚汁というのは、濃いめがうまい。


豚肉と味噌の相性というのは抜群、で、ある。


また、ごぼうがうまい。
ごぼうは脂との相性がとてもよい。


やっぱり豚汁にはごぼうは欠かせない。


豚汁、温まった。