浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



子持ちいいだこ桜煮 その2

dancyotei2016-02-29


2月27日(土)第一食



引き続き、いいだこ桜煮。



いいだこのはらわたとスミを取って、

番茶で霜降り。

この後、煮汁を作って、煮汁ごと蒸す。

煮汁用の一番だしを取った。

味付けは、酒、みりん、薄口しょうゆ。

本来のレシピはこうなのだが、ちょっと濃いめにアレンジし

濃口しょうゆも加える。

鍋は蒸し器に入る大きさのもの。





ここにいいだこを頭を下にして入れる。

蒸し器に水を張って、加熱。

蒸気が出てきたところで、鍋を入れる。

熱いところに入れるのでちょっとたいへん。





これでふたをして、20分。





色もついて、表面の皮がちょっと、ホロっとしてくる。





いい感じ、で、ある。

卵の入っている頭(腹)は半分に切る。

卵も熱が入り、かたくなっている。

盛り付け。



昨日一緒に買ってきた、めかぶと、柱わさびも出す。



めかぶは、ポン酢しょうゆをかけただけ。

小柱も洗っただけ。



いいだこ。

江戸前鮨やでオーソドックスな拵えをしている

鮨やのたこを食べたことがある方は、お分かりになるかもしれぬ。

これよりももう少し濃いえんじ色をしているかもしれぬ。

一般のスーパーや魚やに並んでいるたこは、

産地で、あらかじ大きな釜で塩茹でされて

流通している。

東京だと、三浦半島相模湾側の佐島というところが

たこのブランド産地になっている。

こういうところで取れた地のものが生で流通して、

東京の老舗鮨やで、このような拵えられ方をしているのか。

こうして蒸し上がりを食べると、先ほどの番茶の香りもする。

柔らかく、滋味といってよいようなあまみというのか、

うまみが濃い。

卵。

これはよくぞ、飯蛸と名付けたという食感。

ちょっと堅めのご飯というのか、ほろっと口の中で崩れる。

古くからあるホシイイ(糒、干し飯)というご飯を干した

保存食がある。私は食べたことはないが、あれに近いのかもしれぬ。

べらぼうにうまいというものではなく、

やはり珍味、ということであろう。

ただやっぱり、子持ちではないものよりは、この時期には

これを食べたいではないか。

さて。

時間をおいて、夕方。

昨日[吉池]で買ってきた、もう一品。

ホタルイカ

それから、もう一つ。

今朝、みりんと番茶をハナマサまで買いに出たときに、

なんとなく食べたくなって鶏の手羽を買ってきていた。

ホタルイカの方はぬたに。

ぬたはねぎを湯がくだけ。

手羽は甘辛く煮る。

柔らかい方が食べやすいので、圧力鍋がよかろう。

洗って圧力鍋に入れて、酒、砂糖、しょうゆ。

ヒタヒタくらいに水を入れて、ふたをし、点火。

圧が上がったら弱火にして5分。

あとは火を止めておく。

ぬた。

わけぎなどは使わずに家にある普通の長ねぎ。

5cm程度に切って、ほぐす。

熱湯をかけて火を通すのだが、芯にあたる太い部分と

皮のような薄い部分に分ける。

それぞれ分けてざるにのせて、

薬缶一杯に沸かした熱湯をかける。

手で触れて、熱のかかり具合をみながら。

ボールに冷水を用意しておき、熱がよい感じに入ったら

すぐに冷水に入れておく。

十分に冷えたら、水を切る。

最近、サラダの水切りに使う脱水機のような手動で回す器具を

買って使っているのだが、これに入れて回し水を切る。

こんなものにも使えるのが便利。

ホタルイカも水洗いし、やっぱりこれで水を切る。

酢味噌は今日は白味噌に酢、気持ち砂糖。

ほたるいかのぬた。



手羽の煮たもの。



なんだか今日は、つまみの類ばかり作って、

ずっと呑んでいる。





ねたはねぎの火の通り具合に尽きる。



手羽も圧力鍋を使えば、簡単。

軟骨も食べられるものになった。