浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



浅草・並木藪蕎麦

9月14日(月)夜



栃木の工場からスペーシアで帰ってきた。


昨日まで、先週の大雨でスペーシアは運休していたが
今日から、鹿沼より南で走り始めている。


被害を受けられた方にはお見舞いを申し上げる。
ただ、工場との往復なのでむろん細かいことはわからないのだが、
きれいに実った稲穂が多くみられ、栃木の被害は
ある程度限定的のように見受けられた。


車中、なにを食べようか考えて、
[並木藪]で蕎麦、と決めた。


東武の浅草を降りて、雷門から藪蕎麦まで歩く。


近くまでくると、看板の灯りが消えている。


ここは7時半までである。
今、7時15分すぎ。


閉店間際である。


ん!?。


暖簾は出ている。


ギリギリか。


開けて入る。


お姐さんに、まだ大丈夫ですか?と聞くと、
7時半までですが、、。


はい、すみません。


手前のテーブルに座る。


お客は奥のテーブルに男女一組だけ。


涼しくなったので、鴨、とも思ったが、
やっぱりまだ。


であれば、毎度お馴染み、天ぬき、で、ある。


お酒、冷(ひや)と天ぬき、それからざる一枚。
一気に頼んでしまう。 


奥に注文を通す声が聞こえる。


お酒がきた。





右側に見えるのは、座った時にお姐さんが置いてくれた
読売新聞の夕刊。
この時刻だと、ちゃんと夕刊なのである。


蕎麦味噌をなめながら、一杯。


きた、天ぬき。





かき揚げがいつもよりも、しっかりしている。


通常は、かき揚げを揚げて、丼のつゆに入れ、
持ってくるまでに、注文が立て込んでいれば、
2分、3分はかかるのかもしれない。
つゆに入れて、まだ30秒も経っていないのであろう、
他にお客もなく、特急ということか。


温かいつゆが、うまい。
だしの香りが鼻を抜け、腹に染み渡る。


並木藪のつゆは、かけであっても、おそらく東京一、濃い。
だが、今日は、体調のせいであろう、あまく、
ノーマルに感じられる。


すぐに、ざるもきた。