浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)
断腸亭料理日記本店
 

上野・カレー・デリー


7月14日(月)夜



さて。



月曜日。



昨日、神保町の[エチオピア]へいったが、またまたカレー!。



一度、気になるとしばらく同じものを
かためて食べてしまう。
私の場合こういうことが、たまにある。


で、どこかというと
今日は、地元、上野の[デリー]


辛くてうまいカレー、と、いえば、やはりここであろう。


上野の[デリー]は昭和31年、今の場所に
創業している。
東京のカレーハウスとしては
草分けといってよいのであろう。


ただ、創業者も今の経営者もインド人ではなく、日本人。


店の名前は[デリー]だが、ここのものは
ネイティブなインド料理ではなく、
日本人にも食べやすい、カレー、なのである。


そういう意味では、ネイティブな味を求める向きには
物足りないともいえよう。しかし、私などには
ネイティブもよいが、デリーのカレーはデリーのカレーで
角のない、いつ食べても安心できる味、
といってよろしかろう。


さて。


[デリー]は上野広小路から、春日通りを
湯島方向にしばらく歩いた右側にある。


大江戸線から地上にあがり、[デリー]の前までくると、


あれま。


3〜4人の列。


時刻は7時半。
有名な店ではあるが、列というのは珍しいのではなかろうか。


なにか取材でもあったのか。


あるいは、暑くなったので、私同様、みんな
[デリー]のカレーが食べたくなったからか。


ただ、やはり回転は速い。


5分、10分程度であったか、さほどのことはなく入れた。


カウンターと二人掛けの小さなテーブルが、二つ三つ。


その一つのテーブルへ案内され、座る。
頼むのは、タンドリーチキンと飲み物のついたカレーのセット。


カレーはメニューの中からどれでも好きなものを選べる。


カレーはむろんのこと、ここで最も辛い、
カシミール
そして、呑みものは、生ビール。


生ビールがきて、サラダのついたタンドリーチキン。





タンドリーチキンは濃厚な味。


ビールに合う。


あらかたチキンを食べたところで
待ちに待った、カシミールがきた。





食べ始める前に、テーブルに置かれている、
きゅうりと、玉ねぎの漬物をライスの皿の
脇に取る。


きゅうりは酸味のあるピクルス。
玉ねぎはレッドペッパーとレモン汁で
和えて置いたもの。


準備完了。


カレーにしては珍しい、暗褐色のカシミールカレー
ゆるいスープ状。


スプーンに一口分のご飯を取り、
ここにカシミールカレーを一口分かけて口に運ぶ。


カレー自体はうまい。


そして、むろん飛び切り辛い。


この辛さをどう表現すればよかろうか。


飛びあがるような辛さとよくいうが、そういうものではない。
口のなかから、胃袋、さらに、頭のてっぺんに、
ジ〜〜〜ン、と重く響いてくるような辛さ。


玉ねぎ、きゅうりのピクルスを
時折つまみながら、カシミールカレー
食べ進む。


ビールは一杯なので、酔うほどではない。


が、頭がぼんやり。
辛さに、ノックアウトされた、という感じであろうか。


これが心地よい。


汗も出て、すっかり頭と身体が虚脱状態。
ある種のトリップ感覚という表現が合っているかもしれぬ。


これがよい。


ご馳走様でした。



うまかった。



なにか、これから始まる暑い夏を乗り切る
力をもらえたような感じである。





デリー