6月29日（土）
さて。
いつものように魚を見るため、で、ある。
天気もよく、いつものように随分と人が出ている。
実感として、外国人の観光客も増えている。
いや、戻っているといった方がよいのかもしれぬが、
中国人、韓国人よりも、東南アジアとおぼしき人々が増えている
ように見える。
が、アメ横は今、ホット、、、！なのか？。
唐突のようだが、ＮＨＫの朝の連ドラをご覧になっている方は
おられようか。
今やっているのは「あまちゃん」。
視聴率は２０％越えという。（じぇ、じぇ！）（←これは
北三陸地方の方言で、びっくりした時にいう、という。
ドラマの中では、主人公はじめ、皆が連発している。）
我が家では内儀(かみ)さんとともに、毎日欠かさず視ている。
いや、毎日どころではない。視られれば一日に３回。
7時半のＢＳ、8時の地上波、深夜の１１時ＢＳ。
さらに、土曜ＡＭの、ＢＳでの一週間分の連続放送まで、
都合４回は視ている始末。
そうとうにハマッテいるといってよい。
（今回に限らず、朝ドラは、ここなん年もずっと視ているのだが。）
「あまちゃん」は東京の製作で、舞台は岩手県の北三陸。
脚本は映画「真夜中の弥次さん喜多さん」、
ドラマでは「タイガー＆ドラゴン」などで有名な
クドカン、こと、宮藤官九郎氏。
クドカンは仙台の隣の宮城県栗原市出身。
ハチャメチャな作品を多数生み出してきたクドカンが、
震災をどう描くのか、というのが話題であったと思われる。
（ストーリーは今はまだ2011年にはなっていないが。）
また、キョンキョン・小泉今日子が主人公あき、能年玲奈の
母親役で出ているというのも大きな話題であろう。
ふたを開けてみると、泣かせるところもあるのだが、やはりクドカン、
これがＮＨＫの朝ドラか、と、思われるほどのふざけっぷり。
朝から大爆笑で、たのしい毎日、ではある。
あまりにおもしろいので、このところのストーリーを
ちょっとだけ書いてみる。
高校生の海女で北三陸のご当地アイドル、主人公のあきが、
全国区のアイドルになるために、東京に出てきて、先週から、
東京編が始まっている。
その舞台が、アメ横。
秋元康に似た、怪しいプロデューサー太巻（フトマキ、古田新太）が
全国のご当地アイドルを集めた、ＧＭＴ４７というユニットを
立ち上げることをたくらんでいる。（ＧＭＴは、地元、ジ・モ・ト。）
アメ横の中心である、Ｙ字路に建つ三角形のアメ横センタービル。
（私がいつもいく魚やはこのビルなのだが。）
ＧＭＴ４７以前に『アメ横女学園』というＡＫＢをパクッたような
アイドルユニットを太巻は以前から立ち上げている。
そのアメ女の劇場‘東京ＥＤＯシアター’がドラマ上、
アメ横センタービルにあって、実際にロケにも使われている。
まだ人数の少ないＧＭＴメンバーは、アメ女の舞台下、
‘奈落’で補欠として下積み生活を送っている。
北三陸から出てきた、あきはそこに合流する。
クドカンの脚本はまた、ディテールやセリフが、傑作。
特に、今の４０歳代（私はまだギリギリ４０歳代だが）だけに
おそらくピンポイントで受けるようなセンスが散りばめられており、
これもなん度も視てしまう所以である。
例えば。
仙台出身のご当地アイドルグループで「牛タンガールズ」
というのが出てくる。この「牛タンガールズ」の曲が、
なぜか「ずんだ・ずんだ」。
「ずんだ・ずんだ」は東日本の方であれば、ピンとくるかもしれぬ。
そう。潰した枝豆を表面にまぶした、仙台名物ずんだ餅のずんだ。
そして『THE BLUE HEARTS』の「リンダリンダ」の替え歌にしているのである。
枝豆色の衣装を着た「牛タンガールズ」が、振りを交えて
『♪ズンダ、ズンダ〜、ズンダ、ズンダ、ズンダァ〜ァア〜
ズンダ、ズンダ〜、ズンダ、ズンダ、ズンダァ〜ァア〜』
と歌っている。
（ご興味のある方は、動画検索してみてください。）
「ずんだ」自身の名前の由来はよくわからぬが、妙に田舎くさい語感を
「リンダリンダ」のメロディーに合わせている可笑しさ。
これ自体も可笑しいのだが、グループの名前が「牛タン」ならば
牛タンの歌でよいはずなのに「ずんだ・ずんだ」という飛び方が
秀逸である。
このあたりのセンスが、クドカンの凄いところ。
個人的には、この「ずんだ・ずんだ」はそうとうにツボにハマッタ。
なん度思い出しても、おかしい。
まあ、そんな、このところの「あまちゃん」なのである。
さて。
アメ横にきてみると「あまちゃん」のポスターが、
いたることろに貼ってあり、あきのセリフ風に
「じぇ、じぇ。
オラ〜、アメ横が大好きだ！！
アメ横にきてけろ☆
ＮＨＫあまちゃんのロケ地です」
と書かれている。
アメ横もついに、東北の一部になってしまった？！。
（もともと、そんなものか。）
いや、そんなことはどちらでもよい。
この波及力はすごいし、とにかく、可笑しい。
東京の人間はどちらかといえば、テレビのロケなど、
さほど珍しくもなく、逆にＴＶに街を使わせてやってる
くらいの感覚はあったろうが。
さすがクドカン、恐るべし。
クドカン＋ＮＨＫの合わせ技か。
アメ横を舞台に選んだのもまた、絶妙であろう。
かのＡＫＢの秋葉原の隣街で、かつ、上野は東京の東北地方に
向けた玄関。
また、インド人は宝石関係で戦後の闇市後から御徒町の住人。
そして、２０数年前はイラン人が偽造テレカを売り、
中国人、韓国人、あるいは、東南アジア、アラブの人々が常態的に混ざった
カオスの街。
さらに、上野は下町の玄関でもあり、浅草からスカイツリーへの
入口にもなっている。
ほんとうに、このアメ横ビルに、
ＧＭＴの劇場がありそうな気がしてくる。
しばらくは「あまちゃん」から目が離せない。
ともあれ、皆さんも「アメ横にきてけろ☆」。
