浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



インドカレー

5月8日(日)朝



箱根から帰ってきて、深夜。



和食ばかりを食べていたからか、
カレーが食べたくなった。


それもインドカレー


スパイスの刺激の強いやつ、がよい。


私も、カレーは色々なものを作る。
市販のルーのカレーも好きだし、
ベシャメルソースをルーのベースにする
欧風カレー。


インドカレーでは、バターチキンのような
こってりしたものを最近はよく作っていた。


今回は、刺激の強いものなので、
オーソドックスなサラサラのインドカレー
にしよう。


サラサラのインドカレー、というのが、
一般的にオーソドックス、なのかどうかは
よくわからない。


あくまでも、自分にとって、オーソドックス、
と、いう意味、ではある。


なぜかといえば、私が、初めて本格的な
カレーを自分で作って食べたい、と、
学生の頃、思い立ち、レシピを調べ、
当時まだ珍しかったクミンやガルダモンといった、
スパイスをバラバラに探し、作ったものが
それであったから、で、ある。


実際に作ろうと思ったのは、土曜の深夜、
なのだが、作り始めたのは、翌朝。


米は、深夜から浸水をしておいた。
電気釜のスイッチを入れる。


まずは、玉ねぎをみじん切り。
二個ほど。


それから、にんにくと生姜もみじん切り。
これは、双方、大さじ1ほど。


さて、ここから、本来は、狐色になるまで、
フライパンで炒めるのだが、30分はかかるので、
ショートカット。
レンジ加熱。
下ごしらえモード。


大きな皿に入れ、バターを落とし、都合、10分ほどか。
途中、開けて様子を見て、かき混ぜる。


そのまま入れっぱなしにしておくと、
レンジは、温度のかかり方にムラがあるので、
一部分だけ、焦げてしまうのである。


結局、この作業は、加熱し、水分を抜く、という
ことなのであろう。
容積として、この時点で、1/3程度にはなっている。
フライパンに移し、もう一度今度はサラダ油を引いて
炒める。


弱火でじっくり。


が、本来なのだが、これも、ちょいと、
インチキがある。


中火程度で、炒める。
そうすると、一部分だけ軽く焦げる。


このまま炒め続けると、表面だけ
水分がなくなり、ただ焦げた状態になるが、
軽く色がついたところで、やめて、
少し休ませる。


そうすると、中の水分が外側に出てきて、
落ち着く。
(この時に、ほんの少し、水を加えてもよい。)


また、中火で炒める。


これを繰り返すと、多少早く炒められる。


ただし、このやり方をしても、
みじん切りの玉ねぎの中心部まで
水分が抜けている状態になっていないと、
うまいカレーにはならないようではある。


形がほとんどなくなり、色も狐色。
ここまで炒めなくてはならないのである。


炒まったら、水を半カップほど加え、
ここに、粉のスパイス類を合わせる。


入れるスパイスは、好み、でよいのだが、
欠かしてはいけないのは、ターメリック
レッドペッパー。
ターメリックはカレーの黄色い色。
レッドペッパーは、辛味。
これがないと、カレーにはならない。


その他には、コリアンダー、クミン、ガルダモン、
フェネル。
そして、カレー粉。
S&Bの赤缶。これも大さじ1ほど。


これらを玉ねぎのペーストによく混ぜ込む。


これがルー、ということになる。


ここで肉を焼く。


冷凍庫に、あった牛肉のスライス。
すき焼用、と、書いてある。


内儀(かみ)さんが凍らせておいたのだろう。


いささかもったいないが、他にないので、
これにしよう。


解凍しフライパンで炒め、塩胡椒。


煮込み用の鍋に、焼いた肉、先ほどのルーを入れ、
トマト缶(カット)、水。
ブイオン2個。


水の量は、トマト缶の2倍ほど。


さらに、煮込み用のスパイスも、ここで入れる。


入れるものは、フェネグリークリーフ、
シナモン(スティックを軽く潰したもの)、
ベイリーフ、グローブ。


ふたをして、弱火で30分ほど。


30分たった。
ここで塩を入れ、味見。


塩は日本人の感覚としては随分入れる。
スパイスの刺激が強い分、塩味も強くないと、
釣り合わぬということか。


牛肉がすき焼用であったからか、
脂が出て、ちょっとこってりした感じになった。


盛り付ける。





この作り方で、例えば、魚だったり、
脂の少ない鶏だったりで、作ると、
脂少な目で、サラサラ、になるのだが、
これもまた、うまい。


このレシピのカレーはもう、そう、20年は
作っているので、今さら失敗することはない。


今日もなかなか、うまくできた。



◎(にじゅうまる)で、ある。