浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



`10年、花見。

dancyotei2010-04-05



さて。


平成22年、2010年の花見、で、ある。


今日、4/5(月)現在、寒さもあり、
東京の桜は、多少散り始めてはいるが、
まだ、花見ができる状態にはある。


東京にお勤め、お住まいの方は、
先週と、この土日、どこかしらで、
花見をされたのではないか、と、思う。


今年の、私の花見をダイジェストで、
書いてみたい。


まずは、会社関係で、夜桜。
これは4/1。


毎度書いているように、オフィスが市谷のため、
我社では花見といえば、市ケ谷から飯田橋方向の外濠、
JR総武線上の、土手、と、決まっている。


職場単位で、若い社員に場所取りをさせ、
夜、皆でくりだし、寒さをこらえて、花見をする、
というのもやったものだが、このところは、
このあたりを歩き、近くの呑みやに入って呑む、
というようなことになってきている。


市ケ谷の土手





JRの市ケ谷駅から土手を歩き、
飯田橋との間の新見附橋、法政大学の角を右に曲がり、
一口坂を上がる。






ここの靖国通りも、ずーっと、桜並木、で、ある。
このあたり、ほんとうに、桜が多い。


靖国通りを渡って、三番町あたりの中華料理やで、
6〜7人で、呑む。
これでは、もはや花見とはいえないが、それでも
気分は、花見、なのが不思議、で、ある。


歓送迎会だったり、忘年会だったり、特定の名目でもなく、
日常、ただ仕事帰りに呑みに行く、というのとも違う。


特定の名目の会だと、ある意味、なんらかの色合いがつく。
日常、呑んで帰るのだと、普段の愚痴や誰かの悪口をいうという、
あまり生産性があがらぬ、酒席になろう。


このどちらでもなく、花見の名目で酒を呑むのは、
リラックスして呑めるし、また、なんだか嬉しいもの。
まあ、従って、呑みすぎて、たいへんなことになる人も
出てくる、ということも多い。
(この日も、そういう人が出たことは確かではある。)



次は、日曜日。


内儀(かみ)さんと。
拙亭からだと、上野でも浅草向島隅田川土手と
どちらでもいいのだが、隅田川土手の方が
むろん眺めはいいし、特に今年は、例の押上に建設中の
スカイツリー隅田川の桜、のコンビネーションは
見なくてはいけなかろう。


昼過ぎ。


NHKのニュースでは、花見日和、などといっていたが、
どうしてどうして、左に非ず。


外気の温度を測ると、12℃。
雨は降っていないが、曇り空で、そうとうに肌寒い、と、
いってよいだろう。


花見だからといって、よく薄着をして、
寒い思いをした経験は、過去、数知れない。
場違いではあるが、ダッフルコートを着込んで
出る。(むろん徒歩。)


元浅草の拙亭から、真っ直ぐに東へいって、
新堀通りを渡り、国際通りも渡る。


北へ上がり、浅草通りも渡って、路地を右に抜けて
雷門前、並木の通りまで出てくる。


桜とスカイツリー効果、で、あろう。
やはり、いつもの日曜日よりも人は出ているだろう。


吾妻橋の手前、蔵前(江戸)通り、馬道、雷門通りの
五差路までくる。





水上バスの乗り場は押すな押すなの人波。
スカイツリーも見える。)


まずは、浅草側の土手を歩こう。
交差点を渡り、その、水上バスの人波を
分けて、浅草側の堤防に出る。





こちら側も、向う側も満開。
屋形船も随分と出ている。


東武の鉄橋。





水門が見えるが、これが北十間川


左奥に言問橋





言問橋をくぐると、桜橋が見えてくる。


黄色い橋は桜橋。





スカイツリーは見る角度によって、斜めになっているように
見える。まさか、ピサの斜塔ではあるまいし、
斜めになっているのではない。根元の形と、中ほどから上の形が
違っているのである。根元は正三角形、今見えている一番上の
中ほどは円になっており、こんな風に見える、のである。


桜橋から向島の桜とスカイツリー





桜橋を渡り、向島側へ。





やはり、浅草側と比べると、人出は心なしか少ないように
思われる。いや、少ないというよりも、ちょっと質が違っている
かもしれない。向島もこのあたり、桜橋までくる人は、
どちらかといえば、地元の人間が多かろう。


渡ると、いつものように、向島の芸者さんがサービスをする
茶店があったり、する。


ちょいとのぞいて、そのまま、土手を吾妻橋方向に歩く。


こちら側は、向島の各町会の皆さんが、焼鳥やら、
おでんやら、毎年店を出して、売っている。


寒いので、燗酒ありますよ〜〜、なんという声も聞こえてくる。


燗酒におでん、、、。
魅力的。


ふらふらと、買い、内儀さんと、堤防に
寄りかかって、呑み、食う。





桜正宗、と、いうのは、狙っているのであろう。)


こちら側は、浅草側よりもスカイツリーには近いのだが、
上を高速が走っていたりで、スカイツリーはあまり
よくは見えないのだが、旧水戸藩邸(小梅の水戸様)の
墨田公園までくると、少し開けているので、
木の間から、ツリーが見える。





公園の入り口。





東武の高架をくぐって、枕橋から。





下は、北十間川


これを右に曲がり、墨田区役所前の広場。
例の勝先生の像。






桜の花を背景にし、なかなか、絵になる。


今日気が付いた。像の名前。


勝安芳」と、書かれている。
この安芳(やすよし)という名前は、明治になってから
名乗っていたいわば、本名のようなものなので、
別段間違ってはいないのだが、この名前を知っている人は、
少なかろう。一般には、勝海舟であろう、と、
思っていたのである。


近寄って、よくよく見てみると、右肩の四角いプレートには、
随分と崩した字で、海舟、と、ある。
つまり、海舟 勝安芳、と書かれており、
号である、海舟は、頭につけている。
これは、正しい書き方、と、いってよいのだろう。


吾妻橋を渡る。


この橋の上も随分な人。



もう一度、振り返ると、アサヒビールと、墨田区役所の間に、
スカイツリーと桜。



隅田川吾妻橋から、桜橋まで、一回り、ぶらぶらと、歩いてきた。
こうして、ずっと、見てくると、桜と隅田川スカイツリー
見慣れてもきたし、なんだか、合うような気もしてくる。


しかし、ニョキッと、存在感はあるものである。