浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ベーコンのピラフ

dancyotei2008-09-16

9月13日(土)深夜


夜、炊き込みご飯が食べたくなった。


先日の、秋刀魚飯、だったり、
私はよく、炊き込みごはんを作る。
鶏飯、鮎飯、鴨飯、蛤飯、などなど。
多くは、しょうゆ味で、日本酒を入れた、濃いめの味付けで、
これも好物といってよいだろう。


そして、考えてみれば、これらの多くは、池波レシピ
池波先生の作品に出てくるものから、教えられたもの。
先生のおかげで、ある。


肉や魚の出汁と酒としょうゆ、の、うまさ。


また、全部ではないが、肉や魚の脂、というのも
これらの炊き込みご飯のうまさの構成要素の一つ、でもある。


そんな私の好きな炊き込みご飯なのだが、
むろん、これらは、和風。


今日は、ちょっと目先を変えて、洋風の炊き込みご飯、
つまり、ピラフを作ってみようと考えたのである。


よく料理の本などのピラフのレシピでは、
バターで米を炒め、ブイヨンなどで炊く、となっている。


これで作ったこともあると思われるが、
ブイヨンやコンソメで味を付けてしまうと、
そこそこ、うまくはできるが、おもしろくない。


そこで、先の脂。
バターではなく、ベーコン。


ベーコン自体でも出汁は出るが、
玉ねぎをベーコンの脂でじっくり炒め、
これでうま味を出せる、かも、と考えた。


まずは、玉ねぎのみじん切り。
出汁にするので、量は多くなくてよいだろう。
二合の米に1/4個。


ベーコンは少し多め、と思われる量。
やはり、脂が多く出た方が、うまいであろう。


小鍋に玉ねぎとベーコンを弱火でじっくり炒める。


玉ねぎが焦げ付かぬように気を付けながら、
ベーコンの脂もよく出すように、炒める。


目安としては、やはり、玉ねぎが狐色になってくるまで。


ちょっとしたコツ、ノウハウのようなもの。
ずっと弱火で炒め続けるのは手間である。
弱火で炒めていると、水分が少なくなり、
焦げ付き始める寸前に、火を止め、しばらく置く。
すると、水分がまた出てくるので、また点火し、
炒め始める。これを繰り返すと、少し手間と時間を
省ける。


炒まったら、水を加え、軽く煮る。
塩分はベーコンから出るので、塩はなしで、
軽く胡椒を振る。
うまそうな感じになってきた。


米を研ぎ、これに今の、ベーコンと玉ねぎのスープを入れ、
水加減。
ここに香り付けのローレルを4〜5枚。





ここから浸水。
酒が入っているわけではないので、
浸水時間は普通に飯を炊く場合と同様でよいだろう。


電気炊飯器の堅めモードで炊く。


できた。





やっぱり、ビール。



ベーコンの脂がたっぷりと出て、米粒が艶々し、
なかなか、うまい。
テキトウに作ったわりには、上出来。


材料としては、とてもシンプル。
ベーコンに玉ねぎに、ローレルと胡椒。
これだけである。


これだけシンプルだと、それぞれの素材の質が
響いてくるようである。
今日の場合は、特にベーコン。
ベーコンにも、優劣があるのかもしれぬ。
製法なのか、豚肉そのものの質なのか。
なんとなく、もう少し、コクの深い味を、期待していた、
のではあった。



ともあれ、今日のところは、満足しておかねばなるまい。
ベーコンと玉ねぎのピラフ、簡単でうまい。