浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭、香港へいく。その1

dancyotei2007-08-19

8月16日(木)


さて、今年、夏休みの後半は、香港行き。


昨年の夏休みは、メキシコ、カンクンへダイビングへ行ったが
今年は内儀(かみ)さんの予定が合わず、近場の香港。


筆者は、中国は、上海、北京にはいったことがあるのだが、
香港は初めて、で、ある。


三泊四日で、日曜帰国の予定である。


特段のトラブルもなく、香港国際空港着。


着くと、台風の影響で、雨。
灼熱の日本と比べ、30℃前後で、むしろ涼しい。


旅行代理店の迎えの車で、香港市内まで。



ホテルは、ランガム・プレイス、というところ。
場所は、旺角(モンコック)という街。


香港は、今さら筆者が書くまでもないが、
主要部分は、イギリス統治時代の総督府や銀行街、夜景見物で有名な
ビクトリアピークがある香港島と、そこに近接している
半島状に突き出た、九龍(カオルーン)地区に分かれる。


九龍でも、ダウンタウンは半島の先端部分、
ペニンシュラやらシェラトンなどの超高級ホテルは、このあたりにある。
筆者らが泊まる、旺角というところは、ガイドブックによれば、
従来は、香港の下町、ということらしいが、今は、香港の渋谷。
若者の街、になっているという。


車は直接ホテルに横付けされるので、雨であるが、
むろん濡れることはない。


チェックインを済ませ、二十二階の部屋に入り、一休みする。


若者の街という所以でもあるのだろうか、
このホテルに隣接して、オフィスビルとショッピングモールがあり、
日本のデパート、香港・西武、が、入っている。
ホテルもショッピングモールのあるビルは、面積はさほど広くないが
高さは四十階以上もあるという、いかにも香港らしい、高層ビルである。


夜になり、夕飯を食いに、雨の中、傘を差して、出る。
ガイドブックには、中心部ではないこのあたりのレストランは
ほとんど掲載されていないのだが、一軒だけ、飲茶の店として
出ているところがあった。
飲茶というのは、夜は普通はやっていないのだが、
今日のところは、この界隈、なんの情報もないので、
そこにいってみることにする。


雨であるが、若者で旺角の街は溢れている。


ネイザンロードという、九龍の突端から続いている
メインの通りを地下鉄の地下道経由で渡り、その店へ向かう。


こうした繁華街の看板を見て、まず気が付くのが、日本語の看板。



笑笑。



ちょっと見ずらいが、和民。



西武の入っているショッピングビルに入っている、モスバーガー


モスバーガー、なのであるが、この看板、ちょっと妙ではなかろうか。
デザインテーストは、モスバーガー風で、内容は、むろん、
こちらのセットメニューの案内で、ほとんどが広東語で書かれている。
しかし、メインのコピーは、日本語。
それも、ちょっと、これ、ヘン、ではなかろうか。
香港人が、これが読めるとはとても思えない。
日本人社員もしくはコピーライターが考えて、イマイチ、なのか、
日本語のわかる、香港人が考えたのか、よくわからないが、なんでもいいから、日本語が書いてあればよい、
ということなのか、、。
まあ、見ていて、微笑を誘う。


滞在中、こうした、なんでもいいから日本語が書いてあれば、式の
日本語は、少なからず、見かけることになる。


さて、そのレストラン。
ネイザンロード脇のビルに、見つけたのだが、なん階かに渡って
あるらしい。飲茶の時間は終わっており、今は、火鍋の時間。
最初に降りた階は、火鍋の階のようで、


こちらが日本人、と、いうのは見た目のすぐにわかるのであろう、
日本語で「シャブシャブ?」と聞かれた。


最近、香港や台湾、大陸も含めて、火鍋という名前で
人気のメニューで、ある。
この形態で、以前に北京にいった時に、羊肉のものもあったが、
もともとの発祥はどこなのか、筆者は知らない。
日本の、シャブシャブ、に形態は近い。
タイのタイスキにも近いのかもしれない。
こちらの火鍋は、生肉の他、野菜や、練り物、などを
湯や、辛い味の付いたスープで湯がいて食べる。
そんなもので、ある。


別段、シャブシャブ、火鍋が食いたいわけではないので、
「NO」、と、いうと、『上だ!』という。


上階に上がると、かなり広い客席のフロア、に、出た。


客は少ない。
大丈夫であろうか。


一先ず、座る。


メニューがきて、生ビールをもらう。


オーダーは、、、?


どこでも同じなのであろう、
キャンペーンメニューのようなものがある。
妙に安いので、それを三つ、頼もうとするが、
どうしても頼めない。


広東語はわからぬし、相手は、英語もいま一つ、、。
押し問答の末、少し、英語のわかる店員がきて、
どうも、この内、一つだけ、頼める、と、いうことらしい。


「なるほど、そういうことか・・・。」
わかってみると、たいしたことはない。
しかし、こんなことでも、通じないと、双方ともに、
妙に、歯痒い思いをする。


そのキャンペーンメニューの中から、海老。



ただ茹でただけの海老、で、ある。


通常料金だが、同じキャンペーンメニューから、豚肉
皮付きのゆで豚の、皮に衣をつけて揚げてあるものであった。



マヨネーズを加熱したようなソースが添えられている、
これは、うまい。


それから、青菜炒め。



キュウリ、セロリ、キャベツ、きくらげ、、。
なにか、ちょっと、珍しい野菜炒めである。
こういうものも、炒めるのか、で、ある。


せっかく、香港にきたのであるから、フカヒレスープ。



梅酢と、もやしの、豆を取った軸の部分だけが
一緒に添えられてくる。こういうものなのか。


日本円で数百円、確かにフカヒレ、で、あるが、
値段も値段で、小さい。まあ、縁起物、で、ある。


最後に、特に頼んでいないが小豆の粥のようなデザートがきた。



甘味は少なく、さっぱりとし、柑橘系の風味がする。
食べていると、オレンジの皮のようなものが出てきたので、
一緒に煮込んでいるようである。
初めてのものだが、なかなか、うまい。




だいぶ長くなった。



第一日。このへんで、終了。