浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭、香港へいく。その11

dancyotei2007-09-03

断腸亭、香港へ行く。帰国の日、で、ある。


8月19日(日)


さて、帰国の日。
チェックアウトは11時で、ゆっくりである。


朝飯を食わねばならない。
昨日の朝飯は、この近所(旺角のホテル、ランガン・ハイム)の
茶餐廳(ちゃさんちょう)という喫茶店兼軽食堂で、
出前一丁であった。


今日は、もう少し、よいものにしよう。


日曜日の朝、で、あるが、街はウイークデーほどではないが、
人通りは少なくない


旺角でも中心の通り、ネーザンロードの方へぶらぶら歩いていく。


ネーザンロードに出る、手前。
ビルに入っている飲茶屋らしきところ。


前にも書いたが、メニューがどの店も外に出ている。
ここのを見ると、値段はごく普通である。


階段を上がっていく。
大きなフロア、で、ある。


そのフロアが、ほとんど満席。
これは大丈夫であろう。
流行っている店ならば安心である。


テーブルは、皆、丸テーブル。


客層は、若者街の旺角であるが、ここは年齢も上、の、ようである。
(昨日の“出前一丁”は、皆、若者、で、あった。)


椅子を用意してくれて、座らせてくれる。


香港のサービスは全般的には、よくない、というのが
定評のようであるが、筆者の今回の印象は、それほど悪くない。


むろん、人にも、店にもよる。
昨日の福臨門など、あれで、サービスが悪かったら、
誰もいかないで、あろう。


おそらくここは、繁盛店、なのであろう。
ほぼ満席で、料理を運んでいる、おねえさん達も
マネージャーも、忙しい。
東京であれば、わざわざ、椅子を用意して、座らせる、
と、いうようなことはしないであろう。
立って待たされる。
(椅子を用意したのは、普段は通路で、椅子を置いていない
スペースであったようである。)


ともあれ、座る。
二人のおばさん(筆者らと同世代くらいかも知れぬ)と、
相席、で、ある。


香港のレストランでは、安い店は別にして、ほとんど、座ると、
黙っていても、ポットに入ったお茶が出てくる。
このポットには大きなティーバッグが入っており、
その紐の先に、お茶なお名前が書かれた紙がついており
それがポットのフタの上に出ており、その名前がわかる、
と、いう仕組み、で、ある。
今回、なにがいいのか、聞かれたことはなかったが、
むろん、頼めるようである。


香港の飲茶の店、では、注文は紙に書く。
テーブルにメニュー名が印刷されたものをチェックするのである。




(こんな感じのもの、で、ある。これはむろん持ち帰ったものを撮ったもの。)


これ以外にも、写真の入ったメニューもあるので、
広東語が読めなくとも、特段問題はない。


あとは、まわりの人が食べているのを見て、おいしそうな
ものを選ぶ、と、いう手もある。


前に座っている、おばさん達が食べている、ご飯のようなもの。
メニューを見ると、排骨飯、の、ようなもの。
角切りの豚バラ肉がのっていて、うまそう。
(上の写真の一番左のもの。)


それと、かに焼売。(同じく、右から5番目?)
ピータンのお粥。(左から、4番目)
それから、一度食べようと思っていた、腸粉、と、いうもの。


腸粉とはライスペーパーのこと。
ベトナムの生春巻きは日本でも今は知られているが、
この皮が、米で作った皮、ライスペーパーである。


香港、広東料理ではやはり、なにか具を巻いて、ベトナムのように
生のままではなく、茹でたり、蒸したり、焼いたりする。


海老の腸粉を頼む。(右から4番目?)


今日は、はっきりいって、どれもうまい。


香港の食事に慣れてきた、と、いうのもあろうし、
化学調味料の入った、例の汁そばも今日はないので、
満足度は高い。


かに焼売、と、ピータンのお粥は、まあ予想通りの味。


排骨飯は、お椀に、ご飯。
少し濃い目の、甘辛しょうゆ味の柔らかい豚ばら肉とタレが
ご飯に染みて、ばかうま。


腸粉は、小皿に春巻きの形で、3本ほど。
しょうゆ、の、ようなタレがかかっている。
茹でてあるのか、ライスペーパー
半透明で、フニャっと、柔らかい食感。
香港ではよくあるもののようだが、日本には入ってきていない。
筆者も始めて。ちょっと不思議な感じの食い物、という感想である。


朝から、かなり満足。


この店、むろん、日本のガイドブックには載っていないし、
日本人はもとより、観光客らしき者もいない。
繁盛をしている様子なので、人気なのであろう。


今回、やはり、香港の食い物のレベルの高さには
驚かされた。(汁そばの化学調味料の多く入ったスープをのぞけば)
今日のこの店を含めて、人が入っている店で、
食えなかったもの、まずかったものは、まったくなかった
と、いっても過言ではなかろう。


人が入っている店、と書いたが、庶民が行く店で、
人が入っていない、というのも、あまり見なかった。
逆にいうと、香港で、まずかったら、やっていけない、
のであろう。


フラッと入っても、ほとんどの店が信用できる。


やはり香港、世界に冠たる食の都、であろう。
(それは、広東であったか、、、)




11回に渡った「断腸亭、香港へ行く。」、デジカメをなくし、
まったく写真なし。読者の皆様には退屈、で、あったかもしれない。
いかがであったろうか、、。