浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭料理日記2022まとめ2

断腸亭料理日記2022まとめ2

4238号

令和4年2022年、年の暮れ。

まさに激動という言葉があてはまる1年であった。

コロナの出口がそろそろ見えてきたと思ったら、
2月、ロシアのウクライナ侵攻、侵略の開始。
プーチン氏はこのタイミングを待っていたのであろう。

まさに、これで我々も含めて世界が別のフェーズに
入っていってしまった。

おそらく、ロシアのウクライナ侵略は突然ではなく、
私などは気が付かなかったが、昨年あたりには
予想されたこと、であったのであろう。
プーチンはそれだけ追い込まれていた。
NATOの東方拡大、ロシア経済もかんばしくない。
これに加えて、同じルーツを持つ子弟、配下と思っている
ウクライナ自体の欧米への接近。これがプーチンには
許せなかった。
解決する手段を外交ではなく、軍事力に訴えた。

独裁、帝国主義?。
まさに時代が戻ってしまった。
北朝鮮、中国も然り。

習近平はさらに任期を伸ばし、物事が決まらない
自由民主主義よりも一党独裁の優位を主張する。
世界覇権を確立しようとする一帯一路。
台湾侵攻もスケジュール化されている、か?。

ただ、ロシアのウクライナ侵略で多少中国の姿勢に
影響を与えている?。また、直近のゼロコロナ政策に
学生を中心にした反発の表面化で若干空気が変わった
ようにも、、。
が、むろん余談は許さなかろうが。

独裁と自由民主主義陣営というのか
世界は、大きくは、こういう勢力関係。

もう一つ今、気になるのは、アラブイスラム
ただ、イスラム圏すべてではなく、スンニ派の、
アフガニスタン、イランの女性抑圧である。
今、憂うべきことの一つ。
ただ、イスラム圏すべてではないのは
まだ救いかもしれない。

そんな中、私が気になるのはトルコ。
NATO加盟国でもあり、イスラム圏でもあり。
ウクライナ、ロシアの間に入ったり。
オスマン帝国としても歴史も持つ。
とてつもないキャスティングボードをにぎるようにも
みえる。
ただ、トルコは経済的にはもう一つ。
力を持つまでではないのか。

ともあれ。

こんな中、岸田首相は、原発再稼働と、防衛費GDP2%
増税込み)を決めた。
説明不足という論調が強いが、どうなのであろうか。

エネルギー危機に突入してしまった今、エネルギーを
海外に頼る以外にない我が国と我が国産業は、選択肢は
少なかろう。福島原発メルトダウンを経験した我々は、賢く
安全最優先で原発をしばらくは動かさざるを得ないことは
私は理解できる。

一方、GDP2%。この意味、で、ある。
2%というのはNATO加盟国の努力目標で
あることが表立って報道されることは少ないのは
なぜであろうか。
フェーズが変わり、日本の陣営でのポジションが
変わった、というのか、明確になったのであろう。

述べたように、世界のフェーズが変わった今、
NATOへの出席も求められ、中、朝、ロを隣国としている
我が国もNATO加盟国同様の2%目標は共有されるべきという
こと。私は理解できる。
いつまでも平和ボケしている場合ではない。

自民党はむろんわかっているのだが、公言しないのは
なぜであろうか。選挙が怖いのか。
岸田さんに貧乏くじを引かせ、挙句の果てに足を
引っ張る。この姑息ないやがらせに説得力があろうか?!。

一方、金融経済。
12月に入って、日銀黒田総裁は長期金利の許容変動幅の
拡大を発表し、為替市場も円高へ振れた。
黒田総裁の任期も今期一杯。
やはり、変わっていくのか。
半導体の不足は依然継続中。
国内回帰の動きもあるが、これも不安要因。
エネルギー不足、輸入品の価格上昇も、為替とも関連し、
余談は許さない。

まあ、そんなことだと思うのだが、来る2023年、
我が国は、世界はどうなっていくのか。
私なんぞには、まったく読むことはできない。

不安要因ばかり。

ウクライナ情勢はよい方向に向かってほしいが、
プーチンがそう簡単には考えを変えるとは思えなかろう。

フェーズが変わった今、耐えるところは耐えなければ
ならないのか。
気を引き締めて、少しでもよい方向に動くように
皆で知恵を出し合うしかないように思う。

個人的には、前に書いたように、60歳。
還暦になる。
まあ、これは、私は既に退職をしているので、
他の皆さんとは違って、大きな変化はなかろう。
今年と大筋では大差はないかもしれぬ。
心持になにか変化があるのか。

同期でも、働いている皆さんも今は60で退職される方は
多くはないのかもしれぬ。
どんなものであろうか。

ともかく。

こんなご時世であるが、なにか少しでも
皆様によい年が訪れますよう、お祈り申し上げる。

 

今年の断腸亭料理日記、ここまで。
ご愛読ありがとうございました。 

 

 

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断腸亭料理日記2022まとめ1

4237号

さて。
激動の令和4年2022年も押し詰まってきた。

まったく、激動であった。
国や世界がどこへ向かっていくのか。
全体的なことは、明日分にまわすとして、
今日は今年のこの日記を振り返ってみたい。

今まで、書いたことはなかったが、今年一年のこの日記
個別ページのページビューのベスト10を見てみよう。

1. 1月15日(土)夜 神田須田町・鳥すきやき・ぼたん その2

903pv

2. 11月16日(水) 18日(火) 勝浦のさばの開き/小島町中華幸楽

873pv

3. 4月24日(日)夜 浅草・イタリア料理・ブラカリ

819pv

4. 2月1日(火)夜 ハンバーグ

816pv

5. 11月15日(火)第一食 二長町・ラーメン・天神下大喜・
納豆ラーメンと納豆のこと

739pv

6. 9月7日(水)夜 浅草・弁天山美家古寿司その2

713pv

7. 12月31日(金)~1月1日(土)断腸亭の年越し2022 その2

708pv

8. 2月14日(月)昼 おでん調査速報/洋食笄軒広尾本店/路麺神田和泉町二葉

650pv

9. 3月27日(日)第一食 根岸・洋食・香味屋

618pv

10. 1月2日(日) 鴨とねぎの鍋 その2

615pv

ページビューというのは、人数ではなくクリック数。
ただ、人数の順位も大きな違いはないよう。

これを見て、なにか言えるのか、というと、正直
よくわからない。

こうして、上位に上がってくるページは、かなり
イレギュラー。
毎日、もちろん通常はこんな数ではない。

基本、各ページは更新した日、翌日のアクセス数が多い。
これはいつも読んでいただいている方のアクセスと
思われる。

これ以外になにかおそらく外部、TVだったりで
その店などが取り上げられて、検索され、アクセス
される、ということもある。

例えば、上のページでは2.の「勝浦のさばの開き/小島町
中華幸楽」。
これは「さばの開き」ではなく[幸楽]なのであろう。
町中華としては有名店でTVにもよく取り上げられる。
こうしたタイミングでアクセスされることがあるようで
都度、数は増えているよう。だが、上のもの全体としては
そうしたページはそう多くはない。

断腸亭料理日記トップページに毎日でなくとも
数日おきにアクセスして、興味があるタイトルページを
皆様見るということなのであろう。
その積み重ねでこういうことになっている?。
わからぬが、そんな感じなのであろうか。

そうそう、余談。
上にあがった「おでん調査」。
結局、詳細を報告していない。
これ、調べた新聞記事を出力して持ち帰ったのだが、
字が小さく老眼で拡大鏡を使えばかろうじて読めなくは
ないのだが、数が多くとても全部を読む気にはならなかった。
まあ、ざっくり、つゆに煮たおでんの登場は、江戸終わり、
明治初め、ではなく、明治終わりまで待たねばならなかった
というのがどうも史実らしい。これがわかったので、
それ以上はよいか、ということで一先ず終わりにしようか、
で今は落ち着いている。

前にも丼物を調べたが、明治の頃の新聞記事はおもしろい。

記事になるくらいなので、多くは犯罪のニュース。
食い物なので多くは食い逃げ、無銭飲食、出前の横取り、
そんなところなのだが、そのセコさがおもしろい。
また、当時の生の人々もよくわかる。
明治初期、歌舞伎座以前の歌舞伎のメインの劇場「新富座
でのこと。ここの芝居茶屋で呑むは喰うは、やりたい放題
やって、勘定になったら、無一文で開き直り。
まるで落語「居残り左平治」のよう。実際にいたのである。
こんな奴。

明治のおでん関連記事で記憶に残っているのは、こんなもの。
温めて味噌を塗って食べるおでん用の豆腐などを温める
専用装置の広告があった。
長火鉢に据えてお燗を付ける銅壷(どうこ)というものが
あるが、あれを大きくしたようなもの。まあ、こんなものが
明治に売られていたので、まだまだ、つゆで煮込んだ
今のおでんはなかったということの傍証にもなりそう。

ともあれ、断腸亭料理日記

私自身、毎日ぽつぽつと食を書くというスタンスは
変わらず、続けている。
まあ、それ以上でもそれ以下でもない。

コロナの時代というのが、この三年。
行動的に、新しいことを始めようということは
控えねばならなかった。

なにか思い付けば、また新しいことを始める
とは思うのだが、日々、大幅には変わらなかろう。
皆様には、気長にお付き合いいただければ、
幸いである。

 

 

 

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ポムドテール・ブーランジェール

4236号

12月25日(日)夜

さて。
クリスマス。

クリスマスといえば、鶏の足。
スーパー、コンビニ、ファストフード、どこも
鶏の足。
脚に限らず、鶏からまで。
街には鶏があふれている。

鶏の足で、カンタンフレンチ!。

と、いうことで、ポムドテール・ブランジュール
(Pomme de terre Boulangere)。

むろん、フランス語、で、ある。
直訳すると「じゃがいものベーカリー風」なのか。

簡単でうまいので、たまに作っている。

ベーカリー風というのは、昔、パンやの釜が
長い時間熱を持っているので、鍋を釜の上に置いて
煮込み料理を作った。それがこれということのよう。

煮込み料理なので、もちろん寒い時期によい。

材料は、鶏の骨付きもも、玉ねぎ、じゃがいも。
それから、大量の白ワイン。
まあ、これだけ。
フレンチだと、珍しい野菜、ハーブ類、調味料、
酒が必要なことが往々にしてあるが、あるもので
できてしまう。これもよい。

今日は、内儀(かみ)さんが買出し。

下拵えも内儀さん。

じゃがいもは三つ皮をむき、5mm程度にスライス。
玉ねぎは、小さいものなので1個薄めにスライス。

骨付きもも。

まず最初の骨付ももをフライパンで焼く。

やはり、ちょっと多めのオリーブオイル。
中火。
皮目から始めて、両面こんがり、焼き目を付ける。
むろん、この後煮込むのであるが、その前に
焼き目を付ける。
洋食、フレンチではお決まりである。
この理由をうまみを閉じ込めるという。
私自身、今一つ、腑に落ちていない。
生のまま煮込んだ場合とどれくらい仕上がりが
違うのであろうか。

焼き目、焦げ目を付けることによるうま味?。
メーラード反応ということなのであろうか。
野菜、特に、きのこの場合は、焼き目を付けて
うまくなる、というのは最近納得しているのだが。
肉の場合、煮込むと焦げ目はほぼわからなるが、、、。

ともあれ。

焼けた。ただ、もちろん、全体に火が通った
わけではない。
足は一度皿へあげておく。

オリーブオイル、玉ねぎスライス。

しんなりさせて、じゃがいもも投入。

これも、焼いたぐらいでは火は通らない。
炒める意味、である。

煮込む鍋、圧力鍋へ。

フライパンには水を入れ、加熱。鍋肌に残ったうまみも鍋へ。

ここに白ワイン。

安いものだが、ボトルに半分ほど残っていたもの全部
入れてしまう。
ヒタヒタまで水を足し、点火加熱。
この後、圧をかけて煮込むのだが、ワインを大量に
入れたので、アルコールをある程度飛ばさなければいけない。

煮立てて、あくも出るが、一応取る。
弱火で10分ほど煮込む。

OK、ふたをして、圧を上げる。上がったら5分。
消火し、放置調理、30分。

開ける。

鶏の足の柔らかくなり、よく煮込めている。
ここから煮詰める。
ふたを開けたまま、弱火。

お、そうだ、ローリエも入れよう。

煮込みなので、入れてもうまかろうと、思い付いた。
タイムはどうであろうか?以前のレシピを見返す。
なん回作っているので、最も古いもの

2006年であった。これがオリジナルレシピのよう。
タイムもロリーエも入れているし、最初ににんにくも
炒めていた。
いつの間にか、にんにくは消えていた。

タイムはちょっとクセが強すぎるのでやめておこうか。

ともあれ、ゆっくり煮込みながら煮詰める。
煮詰める理由は、じゃがいも、玉ねぎを煮崩し、
ソース状にするのである。

ある程度煮詰まった。
よいかな。
塩胡椒、味見をして、出来上がり。

皿へ。

ビールを開けて食べる。

この煮崩れたソースがうまいので、
バゲットでも買ってこようかと思ったが、
じゃがいもたっぷりなので、やめた。

鶏骨付きももは、ほろほろ。
白ワインはアルコールは抜けて、酸味と鶏から出た
うまみ、玉ねぎもとろとろになった、うまみ。

まったく簡単であるが、うまい一皿である。

 

 

 

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三筋・天ぷら・みやこし

4235号

12月24日(土)夜

さて、クリスマスイブ。

クリスマスイブらしいもの、ではないのだが、
天ぷら。

天ぷら、といえば、もちろん、ご近所三筋町の
[みやこし]。
ちょっと久しぶり。
前回は夏であった。

どうしても、天ぷらというと、夏になってしまう。
なぜであろうか。
暑い時期の方が、天ぷらが食べたくなる。
真冬には鍋や、温かい汁物で、揚げ物というのは
どうしても食べたくなる頻度は減る。

また、夏は、穴子だったり、きすなど多くの天ぷら種の
魚がうまくなる。
だが、ほんとうは、もちろん天ぷらは四季によい。
真冬には白魚がある。

今は、なにか?。
はぜ(鯊)で、ある。

落ちはぜ、といって冬を前に、太り、子持ちも
出てくる。

今、はぜといえば、東京の魚やで見るのは、
青森、茨城あたりもあるか。

もちろん、江戸前でたくさん獲れた。
今もあるが、江戸、東京の屋形船、釣り船の
釣りで最も一般的であったのがはぜ釣りであった。
子供でも女性でもよく釣れると。
私の父の子供の頃、戦前、昭和一桁の頃は、
まだまだよく釣れていたのを聞いている。

今も、さすがに隅田川では見いないが、荒川だったり、
本所のスカイツリーの麓、北十間川だったり、
釣りをしている人を見ることがある。やはり
はぜは釣れるよう。
まあ、あの辺で釣れたものを食べたくはないが。

ともあれ。
5時半、ぶらぶら歩いて向かう。

三筋というのも、江戸からの地名。
今は、左衛門橋通りの東側、春日通りの南が
三筋町。
江戸の頃、幕府の下級家臣の組屋敷の区画があり、
そこには三本の南北の通りがあった。それでミスジ
呼ばれるようになった。だが、毎度書いているように
町やではなく武家地なので、正式な町名ではなく
あくまで通称の地名ではあったのだが。

暖簾を分けて入る。
先客もない。親方一人。
名乗って、どこでもいいですよ、というので、
カウンター揚場の親方の前に掛ける。

瓶ビールをもらう。
今日はサッポロのラガー。
今のキリンラガーと比べると、苦いし濃い。
昔のラガーの味ではなかろうか。

お通しは、いか下足ぽん酢しょうゆ。

頼むのは、いつも決まっている。
ご飯の付いた“天婦羅定食”の特、7,700円也。

海老から。

小さな活けの車海老。
最初は塩。
サックサク。中の海老はプッリプリ。
よくこれだけ厚くもなく、薄くもなく、
よい加減に衣が付けられるものである。

次は、天つゆで。

こういう海老天であれば、ふやかさずすぐに食べる。
伝統的な厚衣の江戸前天であれば、つゆも甘く
たっぷりひたして食べるのだが。

次は、いか。

親方が、すみいか、といって置いてくれる。
大きい。
この長さは一杯の縦の長さであろう。
夏に生まれたすみいかは、鮨やでいう新いかの頃は
2~3cmだが、もう倍ぐらいにはなっている。
それとともに身も堅くなるのだが、天ぷらには
このくらいがよい。噛むとプチっとあまい身。

きす。

この揚げあがりも秀逸であろう。
真っ直ぐ、平ら、美しい。
カリカリでほかほか。

魚は一休みで、銀杏。

秋の味覚。
お酒お燗に。

そして、今日の目玉、真打、はぜの登場。

この時期のはぜは、この大きさ。きす並み。
腹はないので子持ちかどうかはわからぬが、身も厚い。

終盤、穴子

江戸前天ぷらの穴子は一本で揚げるもの。
それで、この前やった煮る場合は大きい方がよいが
天ぷらは小ぶりのもの。
むろん、サックサク。
身は穴子独特の香りとうまみ。

野菜天。

左上なす、下蓮根、中央アスパラ、右椎茸。

野菜も薄衣でサックサク。
それぞれ厚みも違い質も違い、揚げる加減が
違うはずである。
この時期なので、蓮根が最もうまいか。

最後のご飯とかき揚げは天丼に。

赤だしは蜆。

かき揚げは、小柱だけかと思ったら、
白魚も入っている。
まったく、贅沢、ではないか。
うまい、うまい。
腹一杯。

ご馳走様でした。
よいお年を。

 

みやこし

台東区三筋2-5-10 宮腰ビル1F
03-3864-7374

 

 

 

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国産牛ヒレステーキ

4234号

12月23日(金)夜

さて、肉、で、ある。
肉が食べたい。
肉にしよう。

肉であれば、ステーキ。
考えなくてよい。

最近は浅草松屋の地下の[日山]。

[日山(ひやま)]というのは人形町のすき焼き店。
人形町では人形町[今半]と並んで二枚看板、
で、あろう。

人形町での創業は、昭和3年(1928年)で食肉卸売と
精肉小売店として、とのこと。昭和10年(1935年)に
すき焼きの割烹を開いているよう。

人形町の店ですき焼きを食べたことはないが、人形町らしい
日本建築が今もある。

すき焼き店と並んで、浅草松屋のように牛肉を中心に
精肉の販売もしている。

前回は、間違えて、国産のランプを買って

しまった。堅かった。

国産ヒレが正解であった。

黒毛和牛がむろん、最高級で高いのだが、
この年になると、脂がやはりヘビー。

それで国産牛。
だが、国産牛というのは、日本国内で育てば
すべて名乗ることができる。
つまり、ピンからキリまである。
乳牛種のオスであったり、精肉用の種でもなく、
精肉用に育てられたものでなくともよいのである。
そして、こちらは値段はピンからキリまで。
まったくわからないのである。
店を信用するしかかない。

そこで、最近は[日山]の国産牛ヒレ
ヒレなので柔らかく、肉もうまい。

今日もかなり寒い。
もう、厚い真冬用のコートで、手袋、マフラーで
自転車。

浅草もなかなかの人出。
外国人観光客もだいぶ増えた。

松屋の地下の[日山]で国産牛ヒレ
200gほどのものを購入。

付け合わせの野菜はなんにしようか。
松屋の青果売り場は、なんだかもう一つ。

雷門のオオゼキへまわる。
無難なところで、いんげんでよいか。

沖縄産。
最近、沖縄産の野菜が随分と増えているように
みえる。航空便であろうか。
特段、値段が高いようには見えぬ。
寒い時期に夏の野菜などは沖縄などは
よいのであろう。

いんげんはソテー。

帰宅。

肉。

200gで3,000円ちょい。

[日山]のものは個体識別番号を貼っている。

いつものように調べてみる。
雌の交雑種(肉専用種×乳用種)2歳。
北海道産。生まれは中標津町。すぐに新得町に移動。
ここで半年ちょい育ち、音更町でさらに1年ちょい。

[日山]のものは生まれは北海道で、兵庫、岡山あたり
の育ちが多いのだが、今日は生まれも育ちも北海道。

先にいんげん
鍋に湯をわかし、かたゆで。沸騰したところに
入れて、一分半くらいであろうか。
玉ねぎ1/4個薄めにスライス。
フライパンでバターでしんなりするまでソテー、
かたゆでのいんげんを合わせてさらにソテー。
塩をして置いておく。

別のフライパンにたっぷりのオリーブオイル。

肉を投入。
これは脂が少ないかもしれぬ。北海道産のせい?。

スプーンで熱くなった油をかけながら。

中火でしっかり焼き目を付ける。

ひっくり返す。

反対側もしっかり焦げ目。

金串を刺して、中心部の温度を測る。
まだである。

ちょっと火を落とし、さらに加熱。
金串は、温まってしまうので、冷凍庫へ入れておく。
1分ほど火を入れ、とめて3分ほど置く。
ドリップが出る。
また、金串。
温かくなっている。OK。

さらに2~3分置いて、ドリップを出し切る。

いんげんとともに皿へ。
塩胡椒。胡椒は黒胡椒をミルで挽いて。
ディジョンマスタードも添える。

ビールを開けて、切る。

こんな感じ。
多少、入りすぎのようにも見えるが、
中央部分はもう少し赤い。
均等に入れるのがベスト、なのであろうが。

ヒレなので、流石の柔らかさ。生で見た通り
脂はほぼないが、牛肉らしいうま味。

いんげんのソテーもよくできた。
一袋分、全部食べてしまった。

 

日山

 

 

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蔵前・中華蕎麦・麺屋上々

4233号

12月19日(月)第一食~

さて、ここ。

蔵前、国際通り沿いのラーメン店。
[麺屋上々]。
上々はジョウジョウと読む。

開店は2020年6月。
元浅草の拙亭から至近といってよい。
むろん、開店から知っていたが、入ったことは
なかった。なんとなく入りたくなる雰囲気を感じなかった。

いつ頃からであろうか、このところ、列を見かけるようになり
入ってみなければ、と思うようになった。

事前に調べてみると、どうも鴨が看板のよう。
ラーメンで鴨!。

前にもちらりと書いているが、最近、このあたりでも
鴨を看板にするラーメンやいくつかできて、
列になっているところもある。
私は一応、どこも食べてはいる。
が、どうも鴨×ラーメンに私は?クエッションマーク
を付けてきた。それでここにも書いていない。
ラーメンに鴨は合わないのではないか、と。

鴨といえば、真っ先に蕎麦が思い浮かぶ。
鴨南蛮、鴨せいろはうまいものである。
好物といってよい。

が、鴨のスープというのが、中華麺になのか、
合わない?、、、。

確かに、マーケティング上の差別化として
鴨というのは、わかる。
そりゃぁ、新しいので、誰もが一度は食べてみたいと
思うだろう。私もそうであった。
が、しかし、なのである。
どこの鴨ラーメンを食べても、これ、どこを目指しているのか、
と思われてくるのである。
マーケティング上のコンセプトではなく、味である。
もちろん、まずくはない。が、鶏、豚骨、にぼしなどなど、
現在主流のラーメンスープに伍して、優っているか、と
考えると、そうでもない、と。

ともあれ、ここも一度味見をせねばと、考えた。

まあ、マイナスから入ってしまうのはよろしくない。
できるだけ、フラットに。

国際通りと春日通り交差点のちょい南、東側。

白基調で明るいが飾り気のない店内。
入った左に、券売機。
ご飯ものも含めて、かなりのメニュー数。
ラーメン塩、しょうゆ、つけそば、まぜそば等々。
これにトッピングも色々。
スープも具も鴨。
鴨尽くし。

シンプルそうな、塩でいってみようか。

ちょっと高いカウンターに掛ける。
くの字のカウンターにテーブルもあり、意外に広い。
中の厨房も広く、料理人の短髪の男性と、白人?と
見える、女性の二人。ちょっと驚いたが普通に日本語を
話される。
お客は、女性も少なくない。さもありなん。

カウンター上には蘊蓄もりだくさんのPOP。

スープベースは鴨オンリーだが、たれには魚系、野菜系も
入っているよう。

きた、塩。

鴨肉三枚。白髪ねぎに黄色いのはゆず。メンマ、青菜は
小松菜のよう。黒いナルトが目を引く。

アップ。

麺は細目のストレート。低加水で堅め、伸びやすいので
注意とのこと。

スープは鳥のもったりした感じが少しあるが、十分にうまい。
鴨というのは、いわれなければわからないのではなかろうか。
もしかすると、抑えているのではなかろうか。

鴨肉はのっているが、いざ麺をすすると、まったく
鴨、鴨していない。
やはりちょっと構えて食べ始めたが、完全に認識は
プラスに変わった。

よし!。これは明日もきて、しょうゆも食べねば!。

さて、帰ってから、もう少し調べてみた。
蔵前うしろまえ

ご主人は中華の修行を振り出しに、シンガポールのイタリアン、
日本の有名ラーメン店などなど、ちゃんとした料理人と
いってよいよう。
女性の方は、日本人のお母さんとアメリカ人のお父さんの
ハーフとのこと。なるほど。

翌日。予定通り、ノーマルなしょうゆ。

アップ。

のっているものはナルトの色が違うくらいで、同じよう。

スープをのみ、麺をすすると、む!。
これは、塩より上。

やっぱり、鴨っぽいものは感じられない。
これは塩以上ではなかろうか。
うまいバランスの取れたしょうゆラーメン。
これであれば、近所のラーメンやとして
十分に通える。

やっぱり、鴨らしさを出さないようにしている
といってよいのではなかろうか。
そして、それは塩以上に?。

ちょっと言い方を変えると、鴨の中華麺に合わない部分を
出していない、とも。

鴨らしさ、というのはなんであろうか。
鶏にはない香り。野性味?、場合によっては血の味?。
脂も、鶏よりも濃いというのか、やはり違う香りがある。
こういったものを排除しているのでは?。

かん水の入った小麦の麺とやはりそれほど
相性はよくないのではなかろうか。

牛や牛骨もあまりラーメンにしない。
やはり、あまり合わないのであろう。
ラーメンに合わない素材も確実にある。

いかがであろうか。

 


twitter

台東区蔵前3-17-3 SIビル1F

 

 

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煮込み

4232号

12月19日(月)夜

新潟では、急な大雪。

こっちもかなり寒くなった。

ただまだ、寒中ほどではないのだろう。
まだまだ寒くなると思うと、少しおそろしい。
まあ、むろんのこと毎年の冬がくるだけだが、
年齢(とし)のせいであろう。
少し、シャントせねば。

それにしても、来年は還暦。
我々の世代も、いよいよ、である。
むろんいつかはくるのだが、一方で、まさか、
という思いもある。

1963年(昭和38年)生まれ、兎年。

就職の頃は新人類などと言われた。
また、雇用機会均等法元年でもあった。
20代はバブルと、バブル崩壊

還暦の件、一度、じっくり考えなければいけなかろう。
ともかくも、今日は本編。

こう寒いと、思い付いたのは、煮込み。

煮込みがよいだろう。

煮込みといえば、むろん、他のものではない。
モツの煮込み。

もはや居酒屋、呑みやの、伝統的つまみ、
といってよいだろう。

私の場合、競馬場周辺の呑みやが、なぜか真っ先に
思い浮かぶ。
まあ、いかにもそんな感じの酒の肴であろう。

いつも大量に作ってしまうので、今日は少量。
ミニスーパーでパック入りの豚白もつ、それから豆腐、
こんにゃくも。

ほんとうは文字通り煮込まなければいけないが圧力鍋。

にんにくは一片スライス。
生姜を数枚、スライス。

圧力鍋に水、モツを入れ、にんにく、生姜。
味噌。味噌は信州味噌と残りわずかな八丁味噌
しょうゆ。いつもは白モツに脂が出るので生のシロコロ
を入れていたが、代わりにラードを少し。
それから、日本酒、マデラ酒。

このレシピは遥か昔であるが、森下の[山利喜]の
ご主人がNHK「今日の料理」でやっていたもの。
[山利喜]は有名居酒屋だが、煮込みも看板。
ご主人はフレンチの修行をされた方で、
煮込みにポートワインを入れる。
今回は、マデラ酒があったので、近いものなので
入れてみよう。

お!、そうだ。みりんも入れてみたらどうだろうか。
実は、古くなって色が赤くなってしまった
みりんがあって、早く使ってしまいたいのだが、
なかなかなくならない。
みりんは変色しても、まあ、あまりよろしくはない
のであろうが、酸っぱくもなっておらず、毒ではない、
ようなので使っている。

ちょっと、どぼどぼ、と、たくさん入れてみる。

マデラ酒もみりんも、甘い。
モツ煮込みというのは、塩味だけでできている
ように思われがちだが、甘味も必要なのである。
今までは、ポートワインは、赤ワインで
代用していたので、砂糖を入れていたくらい。

煮立てて、

アルコールを飛ばさねば。

ある程度煮て、ふたを閉める。
加圧。

圧が上がって、5分。

火をとめて、30分。放置調理。

この間に玉子を2個ゆでる。
10分。完全に冷やして、皮をむいておく。

ふたを開ける。

なんだか、煮汁が赤い。赤いみりんの効果か。

豆腐とゆでた玉子、こんにゃくはちぎって入れる。

味見。
うーん、甘いことは甘いのだが、それ以上に妙。
みりんとは特定できないが、妙な味。
まず、塩味が少ないので、信州味噌、しょうゆを追加。

甘辛はバランスが取れた。
まだ妙だが、豆腐と玉子もあるので、このまま煮含める。

一度煮立てて、火を止め30分放置。これを二回ほど。

豆腐、玉子にも色が付いてきた。
だが、味はやっぱり妙。どう妙なのかいわく言い難い
のだが。

ん!、そうだ。
ローリエを入れてみようか。
本来の[山利喜]のレシピでは、ローリエ
ブーケガルニも入った。
であれば、タイムも入れてよいだろう。生はないので
パウダーのものを少々振り入れる。

10分ほど煮込む。

味見。

ん!。これはよいぞ。
和でも洋でもない味だが、さっきからの妙な感じは
消えている。
タイムとローリエは成功だ。

よし、これで完成にしよう。
食べるのは、さらに1時間後。

ねぎを刻んで、盛り付け。フランスパンが一切れだけ
冷凍庫にあったので、トーストして出す。

ビールを開けて、つまむ。

完全に怪我の功名なのだが、かなり新しい
モツ煮込みができた。
みりんたっぷりに、マデラ酒、信州味噌。
そして、ローリエにタイム。
これが[山利喜]の味ではないと思うが、かなり
複雑でおもしろい煮込み。
もう一度、これができるかどうか、怪しいが、
煮込み、成功、である。

 

 

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