浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。
断腸亭料理日記本店
 

ぬた

dancyotei2012-01-15


1月14日(土)夜



土曜日、夜。



なぜだかわからぬが、
酢の物が食べたくなった。


この寒いのに、酢のものというのも
なんとなく合わない気もする。


だが、別に酢の物といえば、夏だけのもの、
ではないのは、多少不思議ではある。


まあ、そんなものか。
例えば会席でも、冬は煮ものや鍋物だけしかでない、
ということでもない。


まあ、食べたいのだから、食べればよいか。


酢のものでも、ぬたがよい。


ぬた、というのは、いろいろあるが、
基本は、ねぎ。
ねぎの酢味噌和え、ということになる。


ねぎでも、わけぎがよいだろうが、自分で作って食べるには、
長ねぎでもなんら問題はない。


そして、ねぎ、だけでもいいようなものの、
やはり、魚か貝がほしい。


買いに出ようか。
寒いし、億劫(おっくう)。


冷凍庫になにかあったっけ?。


鮭が凍っている。
鮭では、ぬたには、ならないか。
あ、そうそう、随分前に買った、いなだも
あったはず。


いなだ、は、どうであろうか。
いなだはご存知の通り、鰤(ぶり)の小さいやつだが、
鰤にしても酢〆にはあまりしない。


生の刺身専門である。


冷凍庫をみると、半身が二枚ある。
食べてしまおう。


レンジで軽く解凍し、あとは自然解凍。





こんな感じ。
いなだ、というよりは、わかし、くらいの
大きさであろうか。


刺身包丁で皮を引く。





軽く塩をして置いておく。



1時間ほど。



水洗い。
そして、酢洗い。


すべての魚でそうするものか、わからぬが、
鮨やで小肌の酢〆をするのに、漬ける前に、
そうするのだと聞いて、鯖(さば)でも酢〆では、
そうすることにしている。


酢で洗うだけでもよいかと思ったが、
少し漬けておこうか。


冷凍しておいたものだし、生ぐさかろう。


次はねぎ。


1本。


青いところも合わせて、5cmの長さに切る。
白いところは四つ割りにし、ばらす。


薬缶にお湯を沸騰させる。


火の通り具合を揃えるため、薄いものと、
厚いものに分ける。


ざるにのせ、それぞれ沸騰した湯をかけ、
すぐに冷水に入れる。


ねぎぬたは、絶対に熱をかけすぎてはいけない。
一点をすぎると、ねぎは、時間が経つと、どんどんと
水が出てきて、酢味噌の味が薄まってしまう。


冷水に入れたねぎは、ざるにあげ、水を切っておく。


酢に漬けておいた、いなだ。





刺身包丁で、切る


ねぎはさらにペーパータオルでよく水分を
ふき取って、器に移す。


いなだものせる。


味噌は八丁味噌白味噌の半々。
この赤と白の半々は昔から桜味噌と呼ばれていた。


砂糖は入れず、酢、のみをよく合わせたもの。
脇に添える。





見た目はきれいに盛り付けられた。
味は?。


まあまあ、であろうか。
ちょいと、ねぎは火の通りが少なかったか。
ちょいと、辛め。


真冬と真夏では、やはりこういうものは、
熱の通る速さが違っていたのか。


ともあれ。
ぬたとは、うまいものである。