4185号
10月7日(土)夜
さて、レバーペースト、で、ある。
皆様、存在ぐらいはご存知であろう。
だがまあ、クセがあるので頻繁に食べるものでもない
と思われる。私もこってり感が好きだが、やはり
大量に、いつも食べるもの、でもない。
少し前に、スーパーでふと見かけて買ってきた。
バゲッドに付けて食べるというよりは、夜中に
呑みながら、なめる、というような食べ方。
腹にもたまらぬし、なめる、酒の肴には、
ちょうどよい。
買ってきたものは、ほんの小さな瓶詰で300円ほど。
なかなか割高である。
作ろうという発想もむろんなかったが、
どんなものか。
シェフのレシピを探してみると、前にも参考にしている
銀座[レカン]の高良シェフのものを見つけた。
初めて知ったが、レバーペーストというのは、
フレンチであった。
また、レバーでも鶏。これも知らなかった。
そう難しそうではないので、作ってみようか。
ただ、マデラ酒がいるよう。
フレンチのレシピではたまに出てくる。
あまり見ない酒だが、あってもよいだろう。
サントリーのもの、アマゾンで頼む。
深夜にオーダーしたがその日夕方届くよう。
調達するのは、鶏レバー100g。少量でよい。
玉ねぎ、にんにく、はある。
無塩バター、玉子、これもある。
これに生クリーム。
帰宅。
マデラ酒が届いた。
ちょっと、呑んでみようか。
始めてではなかろうか。
ん!、甘い。
子供の頃食べたウイスキーボンボンのよう。
そして、よい香りが強い。
マデラ酒といっているが、マデラワインという言い方
もあるよう。スペインの大西洋の島マデラ島の酒。
酒精強化ワインというジャンルに入るようで、
シェリー酒、ポートワインの仲間。
この三つともスペイン、ポルトガルのもの。
なぜかあのあたりに多い。
これは安いものだが、甘いので食前酒、食後酒にも
呑んでよいよう。
作る。
鶏レバーの筋を取る。
玉ねぎ、にんにくを薄めにスライス。
無塩バターで炒める。
ここにマデラ酒。
半分ぐらいに煮詰める。
よい香りである。
これ、ポイントであろう。
同じく無塩バターの溶かしバターを作る。
100gと結構な量。
ミキサーにレバー、煮詰めたたまねぎにんにく。
塩胡椒。
まわす。
ここに、溶かしバターを少しずつ加え、まわす。
乳化させるということ。
なのだが、今一つ、乳化しているのかどうか。
わからぬが、一応混ざったか。
これを容器に入れ、蒸す、のである。
湯温は沸騰させない、85℃。
温度計で計りながら、蒸す。40分。
段々に固まってくる、、、、のだが、ちと気付いた。
生クリームは?。入れていないのだが。
レシピを見ながら作ってきたのだが、レシピには
生クリームは、なかったのである。
どうしたことか、生クリームを買ってきたのは
私の妄想であった。
レバーのくさみ消しには、生クリームはよく使う。
定番である。使うものと思い込んで買ってきてしまった。
折角なので入れようか。
固まりかけているが、ここでレシピ外の生クリームを
加えよく混ぜる。塩も追加。
生クリームを加えて、くさみも減り、よりまろやかに
なったのではなかろうか。
40分加熱、終了。
ほんとうは、3~4日冷蔵庫で寝かせて食べ頃
ということなのだが、むろん、すぐに食べてみる。
バゲッドと切って、軽く焼く。
乾燥いちじくも添え、出来上がり。
ビールを開けて、食べる。
まあ、味見をしているので、その通り。
うまくできた。
レバーペーストはあまり食べすぎるといけないのだが
これならば、いけそうである。
そして、なにより、ドライフルーツのいちじく。
これが、抜群に合う。
流石フレンチ、で、ある。
フレンチというのは、組み合わせが料理、食い物の
大きなテーマ、で、ある。
むろん、同じ味ではないのだが、引き合うなにか、
がある、のである。
そう、後から気が付いたのだが、マデラ酒。
これが乾燥いちじくの味に近いのである。
流石。
大量にできてしまったが、小分けして冷凍しておこう。
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