10月8日(木)第一食~
さて、とんかつ、で、ある。
最近、近所にできた[嬉嬉豚 とんかつ 『君に、揚げる。』(極)]
へ2回行って、とんかつの評価ポイントって、なんだろう
と改めて考えてみた。
それで、思い出したのが、山本益博氏主宰の「とんかつ会議」
であった。
この「とんかつ会議」には数字での評価ポイントが
明示されていた。
今、あのとんかつ会議のページは既になく、出版(2017年)、
TV化までされていた。
別段、私は、とんかつマニアではない。
もちろん、好きだが、東京のとんかつや全部を
フォローしたいとまでは思っていない。
私の住む、上野浅草界隈は、とんかつやには
まったく不自由しないからである。
これだけ名店があれば、十分である。
だがまあ、本になっていたことも知らなかったのは、やはり、
不勉強の誹りは免れなかろう。
さっそく、取り寄せて読んでみた。
すると、浅草に、行ったことのないとんかつやが
上記以外に4軒も。それも、殿堂入りが1軒。
これは偏っているともいえるかもしれぬ。
益博先生は、浅草出身。贔屓目がないとはいえまい。
浅草といえば、とんかつ、と公言されている。
とんかつやが浅草に多いことは確かであるが。
だが、ちょっど余談めくが、彼らの選択眼と評価は、
そこいらの芸能人グルメ、またはそれを担ぐ、グルメ系
TVなぞとはまったく異なっている。
信用してよいと思っている。
まあ、皆さんお気付きであろうが、芸能人グルメの多く、
全部とは言わないが、ビジネスグルメ。いわばショーバイである。
宣伝をしたい店、あるいはその取り巻きの食プロデューサーの
ような人々、ねたが欲しいグルメタレント、グルメ出版、TV、
それぞれの利害が一致している。
今、彼らが大手を振って歩いているが、気を付けなければいけない
ことは、いうまでもない。あくまでショーとしてみるべきで
あろう。
ともあれ「とんかつ会議」が、書いている内容は、
ショーバイ比率はそうとうに引くかろう。
ゼロではなかろうが、負の情報も書いている。
こういう評者が今、本当に、少なくなっている。
もちろん、最終的には、各々がうまいと思うか、その店が
居心地がよいか、また来たいか、が基準である。
誰かさんの評価ではない。
とにもかくにも、浅草に住む者として、4軒、
一通りまわってみなければなるまい。
まずは、表題の[とお山]。
かつカレーとノーマルなかつ、二項目で掲載されている。
4軒の内、最も、目立つところにある。
東武浅草の北ガード脇。
あの町中華[ぼたん]の前。駅前といってよい立地。
老舗ではない。2015年開店。
むろん、できたのも知っていた。
駅前で通りに面しており、外からも店内がよく見える。
それが、むしろ、入りにくくしていたといってよい。
最初は、8日木曜の昼。
11時開店で、一番乗り。
カウンターと小あがり。明るく広い。
一番奥に掛ける。
ぽつぽつとお客が入る。
ウイークデーなので皆、サラリーマン。
益博先生お勧めの、ヒレかつカレー、1200円也を、頼む。
揚げているのであろう、多少待つ。
きた。
小鉢と豚汁が付く。
アップ。
そもそも、とんかつやにかつカレーがあるのが珍しかろう。
ロースもあるが、先生のお勧め通りにヒレ。
豚汁は、大根、にんじん。濃厚でうまい。
益博先生は、いらない、もしくは薄味のものがよいと
書かれているが、うまけりゃいいじゃん?!は乱暴か。
キャベツは細く、かなりきれい。十分である。
そして、このカレー、確かにちょっと違う。
カレーとしてうまい。
欧風だがクミンかクローブ、あるいは両方?、
スパイスが立っている。
この頭一つ出た個性のあるカレーには、ちょっと抑えたヒレの方が
合っているのは確かであろう。
これはカレーファーストか、かつファーストか、という問題である。
普通のかつカレーは、基本ノーマルな欧風カレー。
カツを前に出す。そして、ロース。私は、こちらを推す。
ただ、一線を画したかつカレーであるのは、間違いない。
これはこれで、別のものとして、よい。
そして、10日(土)やはり昼。
ノーマルなカツも食べてからと思ってきた。
つづく
台東区花川戸1-6-8 廣野ビル1F
03-5806-2929