浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



嬉嬉豚 とんかつ 『君に、揚げる。』(極)

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9月19日(土)第一食

嬉嬉豚 とんかつ 『君に、揚げる。』(極)]。

これで、店の名前、で、ある。

嬉嬉は“うれうれ”と読ますよう。
極はきわみ、でよいのか。

この3月、こんな時期だが、近所にできたとんかつや。

場所はというと、浅草通りと左衛門橋通りの交差点、
北東、浅草側、横断歩道の前。

最寄り駅でいえば、稲荷町になる。

ラーメンの[稲荷屋][大和」も近い。

拙亭からは、左衛門橋通りを北上すればすぐ。

3月に、店の前にこのヘンな名前の白い垂れ幕の
ようなものが出ていたのは気付いていた。
だが、ここがとんかつやであることがわかるのに
しばらく時間がかかった。

自粛などもあり、暫く眺めるだけ。

気になって調べてみると、池袋の人気店の支店のよう。
たまに、列があることも、、。

また、かつ丼持ち帰り、500円という貼り紙も出ている。

一度、のぞいてみなければ、と思っていたが
時節柄、なかなかタイミングがなく、やっと、きてみた
のである。

土曜の昼。
12時ちょい前を狙って内儀(かみ)さんと出かけてみた。

入って、二人、という。
奥に一つ、二人掛けのテーブルがあいていた。

テーブルにカウンターもあるが、ほぼ埋まっている。

とんかつやだが、まず、自販機で食券を買うよう。
ほう、珍しい。
なんであろうか、この仕組みは。
昼だけ?。

メニュー数はかなり多い。

嬉嬉(うれうれ)豚というのが豚肉の名前のよう。

ロース、ヒレ、メンチカツ、エビフライもある。
肉も、上ロース、上ヒレ、特上ロース。
ノーマルな「嬉嬉豚ロースとんかつ定食」で1000円。
最も上、「嬉嬉熟成肉ねむるぶたおふトンロース
とんかつ定食」なるものが、1850円。

私は、最初なので、これにしてみよう。

お姐さんに食券を渡して、テーブルに掛ける。

ここ、なんであったのか。

見た感じ、いわゆる、居抜きで、入ったよう。
年季が入っている。

以前、営業しているのもよく覚えていないのだが、
もしかして、同じとんかつや、ではなかったろうか。
入ったことがないところは、近所でもまったく
覚えていないものである。

揚げている板さんと女性二人。

お客はやはり、遠くからきている人の方が
多そうである。

こんな時期に新規開店というのは、なかなかの
タイミングであったろう。

さほど待つ間もなく、きた。

ご飯に、豚汁、みそ汁ではなく、澄んだつゆ。
浅利入りのわかめスープのよう。

アップ。

肉は厚みがあり、切り口は薄ピンク。

この店では、これは最上級、大きさもかなりでかい。

まずは、塩で。

ピンク色の塩でミルで削って掛ける。

脂身もかなりしっかり付けている。

嬉嬉豚の熟成、というのがどんなものか、
よくわからぬが、うまい。

この、上野、浅草界隈、とんかつやはかなりある。
例の[ぽん多本家]に[とん八亭][すぎ田]、、
これらは同じロースで、値段も張るが、肉質、切り方、揚げ方、
揚げあがり、突き詰めた、職人技、芸術的ともいえるような
とんかつといってよいだろう。

ここは、なんであろうか。
そこまで、突き詰めたものではない、とは
いえるかもしれぬ。

だが、もちろん、うまい。
肉そのもの、衣の状態、揚げ方、切り方、油切れ、
どれも、きちんとしたものではある。
特段の非を打つべきところはないように思うが。

ただ、これ、でかかった。

そして、茶碗は小さいように見えるのだが、
飯の量は、そこそこあるのではなかろうか。

キャベツには、テーブルにあるサウザンアイランド
ような色のドレッシングをかけて食べるが、これが
なにが入っているのか、かなりうまい。
サウザンアイランドとも違う。
なにか、クセになる味。

そして、キャベツの量も多いようである。

意外にここ、ガッツリ系。

なぁ~るほど、なんとなく、この店のポジションが
わかってきた。

[ぽん多本家][すぎ田]などとも違うが、おもしろい。
うまいとんかつやが歩けるところにできたのは、ありがたい。

ご馳走様でした。

 

 

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