浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



富山駅前・廻転とやま寿司

dancyotei2016-12-18


12月14日(水)昼


富山出張。


昼は駅付近で回転寿司でも、と思ってきた。


駅付近は新しい駅舎ができたりして、ちょっと事情が
変っている。


駅の中にも回転寿司があるようだが、
中というのは避けて、駅前、左に曲がったところにある
[廻転とやま寿司]というところに入ってみることに
する。


3年前ほど前からあったようである。


12時少し前。


先客は二人ほど。


よくわからないので、地魚をにぎるという、
ランチの上寿司、1670円也を頼んでみる。


すぐくる。


とろろ昆布のつゆつき。

左上から、めじまぐろ中トロ、生だこ、鯵、やがら、たらばがに。
下左から、炙りさわら、いくら、かにみそ、うなぎ。


まぐろ。


やはりまぐろも富山湾であがる。
基本、めじのようであるが、生のものはさすがに
うまい。



生だこ。


東京で生だこ、と、いうとたいていは、北海道の水だこだが、
これは水だこであろうか。
東京で食べる水だこの生は、水っぽく、歯切れがわるく
あまり好きではないが、これはうまい。
富山湾はまだこと、水だこと両方揚がるようである。


鯵。


こんなものもやはり鮮度がよいのであろう。
旨みにあふれ、うまい。


やがら。


へらやがら。ダイビングをするので、私はよくお目に掛かるが、
楊枝のような魚で大きくなると1m位にはなる。
これが、見た通り白身だが、抜群に脂があって、
ばかうま。


炙りさわら。


これも脂あり、うまい。


白身、たら、、であったか昆布〆。


いくらはしょうゆ漬け。


かに類はまあ、縁起物か。


金沢もそうだったが、富山でも
うなぎは鮨やのもの、なのか。
蒸していない西日本式蒲焼。
ぶ厚い。


富山にきたら、やっぱり鰤(ぶり)で、あろう。
富山の漁師の家に生まれて人に聞くと、
寒鰤、というが、うまいのは12月終わり頃とのこと。


まさに寒、ではなく、今頃がよいよう。


もらわねば。



これが氷見の寒鰤。


私などは鰤といえばもっと白っぽい
ように思うのだが、赤味が強い。
鮮度であろうか。


みずみずしく、脂ののった極上、
という言葉が適切であろう。


次は、かわはぎ。
むろん、肝のせ。


金沢にくると必ず食べるが、
富山のものはどうか。



かわはぎはやっぱり肝じょうゆで
刺身がよいが、これでも十分。
濃厚でうまい。


もう一皿もらおう。


光物は他になにがあるか聞いてみると、
ひらまさ、とのこと。ひらまさも光物か。
もらってみよう。



もしかすると、初めてかもしれぬ。


かんぱちに似ている感じであろうか。
脂ののりも素晴らしい。


やはり、富山湾で揚がるのか。


調子に乗って、頼みすぎたか。
腹一杯。


だが、さすがにうまかった。


大満足、で、ある。
さすがに、富山の回転寿司、で、ある。
(まあ、ほぼ回っていないが。)


お勘定は、高級だねを頼んだせいで、3000円。


まあ、富山まできてケチってもしょうがなかろう。


ご馳走様でした。


さて。


ちょっと、蛇足ではあるが、
思ったことがある。


さすがに富山、もちろんたねは最高なので
あるが、気になったのは、酢飯との相性
というのか、なんとなく一体感がなかった
ということ。


私の持論であるが、にぎり鮨というのは
酢飯と一緒ににぎってよりうまくするもの。
そこを目指して、江戸東京の鮨職人達は
技を磨いて、今の江戸前鮨が出来上がっている。
にぎりにする江戸前伝統のたねが決まっている
というのもそういう理由もあると思っている。


だがまあ、蛇足である。





廻転とやま寿司




富山市桜町1丁目1-4-9
076-431-5448