11月2日(日)深夜
三連休の真ん中、日曜日。
深夜。
なぜだかわからぬが、カレーそば(うどん)が、
食べたくなった。
私の場合、カレーうどん、あるいはカレーそば
というのは、定期的に食べたくなる。
それで自作もする。
カレーそばというのは、B級といえばB級。
そば通を自称されるような方からは、
唾棄すべき存在、なのかもしれぬ。
“趣味そば”(むろん、よい蕎麦やもあり、好きな店もある。
西浅草の[おざわ]などは好例。
老舗でもなく、町の蕎麦やでもなく、路麺(立喰いそば)でもなく、
“こだわりの(?)”蕎麦や。)などには絶対になかろう。
新そばの香りなどは台無しということになろう。
“趣味そば”でなくとも、老舗、たとえば
池之端、浅草並木の[藪蕎麦]にはない。
そういえば、カレーそば以外には、
そばつゆ以外のつゆで食べる蕎麦、
例えば、味噌味のつゆとか、トマトソースといった、
蕎麦は存在しないのは不思議といえば、不思議である。
選りに選って、カレー味だけ、というのはなぜであろうか。
味噌味などあってもよさそうなのに、カレーだけが許されている。
蕎麦やでも、かなり稀有な存在といってよかろう。
[藪蕎麦]にはないが東京の老舗でも、置いているところも
少なくない、というのも意外な事実である。
例えば、神田[まつや]にはある。
神田[まつや]にはご飯ものもあるのだが、
カレーそば、そうそう馬鹿にしたものではない
と、思うのである。
ところで。
うまいカレーそばのことである。
これは意外にむずかしい。
東京の普通の町の蕎麦やのカレーそばというのは、
まあ、それなりで、それほどうまいものではない。
私も、別段、好きなものでもなかった。
では、いつ好きになったのかというと、
名古屋に転勤をしていた頃から、で、ある。
思うに、日本でカレーそば(うどん)最もうまいのは
名古屋である。
名古屋といえば、赤味噌(八丁味噌)の文化で
味噌煮込みうどんが有名であるが、このポイントは
濃い、ということ。
名古屋のカレーうどんというのはとにかく、濃い。
これがうまいカレーうどんのポイントなのである。
東京でも、先の神田[まつや]など老舗の蕎麦やの
カレーそばは、うまい。
やはり、濃い、のである。
極め付けは“カレーせいろ”。([まつや]にはないが。)
つまり、ざるそばをカレー味のつゆで食べる。
(これはカレーそば以上にB級である。)
東京でもかなり数は少ないと思うが、“カレーせいろ”を
出す店は、やはり自信があるのであろう、
ほぼ間違いなく、うまい。
捨てたものではない、のである。
さて。
作る。
私の作り方は、ベシャメルソースから作るのであるが、
これは今回、先日のマカロニグラタンで成功した、
時短バージョンを試してみた。
最初に鰹削り節で出汁を取る。
これも濃く。
玉ねぎスライス、豚肉を60gのラードで炒める。
サラダ油ではなく、ラードであるところが
濃さのポイントになる。
火が通ったらここにダイレクトに薄力粉60gを
入れて炒める。
いや、炒めるというよりも合わせる、程度でよい。
ここでカレー粉を入れる。
量は、お好み。後から味をみて足しても可、である。
ここに温めた鰹出汁を入れていく。
混ぜ合わせながらだが、これもさほど神経を使わなくともよい。
ダマにはならないのは実証済みである。
今日も成功。
まったく簡単、で、ある。
ゆるさはお好み。
ゆるまったら、味をみながら桃屋のつゆ、を入れていく。
桃屋のつゆ、というのも、私にはポイント。
桃屋のつゆは、濃い、東京下町のそばつゆ
(扱いとすれば、そばやでいういわゆる“かえし”になると思うが)
の濃さに最も近いと思うのである。
これも量はお好み。
今回は、味をみて、ここでカレー粉と、辛みが足らぬので
レッドペッパーを足した。
カレーのつゆの味が決まったら、そばを茹でる。
今日は、乾麺のそば。
茹ったら、どんぶりにそばを入れて、
カレーつゆを張り、薬味のねぎをのせて、出来上がり。
上出来。
うまいカレーそばができた。