引き続き、京都。
いもぼう、で、かき氷を食べて、灼熱の円山公園を
横切る。
このあたりから、少し観光客が増えてくる。
公園ではストリートミュージシャンというのか、
楽器なんぞを弾いている人もいる。
左手に池があり公園は終わり。
さらに真っ直ぐ行くと、突き当たり。
このあたから、高台寺の一画になる。
私はこのあたりにくるのは初めて。
その突き当たりを右。
両側が塀で道が細くなる。
そして、道はすぐに左に直角に曲がる。
高台寺というのは、秀吉の正妻、北政所、ねね、が
秀吉の死後、出家し、高台院となり創建、ここに住んだ。
このくらいのことは、私も知っている。
だが、知っているのはこのくらい。
秀吉、北政所の霊屋(おたまや)をはじめ、墓所そのもの、
その他、やはり庭も有名のよう。
高台寺への入口もこの左手にある。
また、今度ゆっくりこよう。
この細い道は高台寺の塔頭かなにか、小さなお寺、
料理屋、博物館、そんなものが軒を連ねている。
先の円山公園の山の上の方から、このあたり、
小さなお寺に加えて、料理屋なども混在しているのは、
ちょっと、おもしろい。
本来は、お寺だけの区域であったはずである。
花街の人文地理学研究の加藤政洋先生の京の花街ものがたり (角川選書)
によれば、これら東山の料亭群は、江戸末から明治にかけて、
大きな寺の塔頭、支院が副業というのか、本業というのか、
場合によっては女性を置いて、料理を出すいわゆる
料亭商売を始めた、と、いう。
(まあ、とんだなまぐさ坊主、ではある。)
祇園などにも程近いが、東山の眺めがあり、元お寺で庭もすばらしい、
今で言う、離れ家、隠れ家、とでもいうのか、京都の通人衆の
人気になっていった、ということのようである。
今も円山公園に『料亭左阿弥』なんという家があるが、
この“阿弥”号、観阿弥、世阿弥などの類で、
塔頭の主の名前であった、のかもしれない。
ともあれ。
高台寺下の小路を進むと比較的広い通に、ぶつかる。
左に曲がり坂を上がると、高台寺の表参道と、坂本龍馬の墓。
このあたりから、そうとうに観光客が増えてくる。
真っ直ぐ入り、すぐに左に曲がるのが、一念坂。
ここを通り、右に曲がる。
ここから二寧坂。
そうとうな賑わい。
修学旅行生や、小母様方もいるのだが、
最も多いのは、中国人の観光客。
(彼らのマナーはさほどわるくない。
進歩したのか、京都だからなのか、、、。)
両側は土産物やや、食い物や。
安い扇子、焼き物、置物、蕎麦、煎餅、七味、お茶、
京漬物、、、、その他色々。
遥か昔、中高の修学旅行できているはず。
むろん、店舗の様子は変わっているだろうが、
まったく記憶がない。
暑いのもあるが、あまり惹かれるものもなく、
どんどん素通り。
石段になり、突き当たり、今度は産寧坂。
見たところ、同じような感じ。
と!。
一転、俄かに掻き曇り、、、、
車軸を流したような、雨。
と、いうのは大袈裟だが、急に、降ってきた。
扇子やの軒で雨宿り。
店の小母さん、迷惑そうなので、
目前のお堂(大日堂)へ非難。
小さな子供、3〜4人を連れた、中国人の
一団と同居。
しばらく待つと、小降りになってきた。
みやげ物やで、ビニール傘を買って、歩き出す。
今日の主題、清水寺の成就院の公開時間は
16時まで。急がなくてはいけない。
成就院は看板が出ており、左の奥。
右手に重要文化財、仁王門を見て、奥へ。
池に突き当たり、左。
その奥が、成就院。
あ。
雨はもうやんでいた。
傘を置いて、靴を脱ぎ、あがる。
受付で拝観料、600円也を払い、
説明書きをもらう。
室内も簡素ではあるが、しっかりした造り。
二室を抜けて、すぐに庭。
先客が3組ほど。
家族連れと、年配の夫婦、一人の年配の女性。
縁側に座って観るようで、私も、座る。
ボランティアの年配の男性が説明をしている。
カメラを取り出し、まさに撮ろう、と、すると、
件(くだん)の男性に止められた。撮影禁止!、とのこと。
理由は、普段非公開だから、という。
(今一つ、納得性がないような気もするが。)
さて。
写真なしで、庭の説明をするのもあまり意味はなさそう。
別名「月の庭」というらしい。
広くはない。
縁側があり、少し植え込みがあり、池。
池には、とんとん、と、島や石、があり、また少し植え込みがあり、生垣。
その向こうは、すぐに崖。
崖なのだが、下は谷。
で、すぐに、向こう側がまた山になり、正面に見えるのは
100mほど先の、向こう側の山。
庭の外の風景を計算して造ってある、
いわゆる借景というもの。
そのこちらから見える山腹に灯篭がまた置いてあり、
その灯篭はこちらの庭に置いてある蜻蛉灯篭というのと
呼応している。
この時期なので、葉は皆、青々とし、どれが紅葉になるのか、
よくわからない。また、花も皐月があるようだが、
今は、咲いている花はないよう。
長くなった。
途中であるが、つづきはまた明日。
地図
詳細説明は、こんなサイトがあったので。