浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



鯵 その2

dancyotei2010-07-04


引き続き、一週遅れだが、鯵。


6月25日(日)



まず、食べたかった、たたき。
数があるので、どんどんと、おろす。


頭を落とし、腹を裂き、きれいに洗う。
頭側から包丁を入れ、上側の身をはずす。
ひっくり返し、中骨を外し、最後に、両方の腹骨もはずす。


3匹、さらに2匹。
都合、5匹、10枚の半身ができた。


皮を引いて、細かく切る。
3匹、6枚分程度で、量はよかった。


長ねぎを刻み、混ぜ込む。
しょうがも下ろす。





鯵は夏のものといわれる。


なかなか、ものもよいのではなかろうか。
脂もある。


うまい。


おろし残ったものは、冷蔵庫にラップをしておき、
食べたのは、夜。


刺身。
今度は、鮨やでよくやる、酢洗いをしてみた。
(酢洗いというのは、〆るまではいかず、
酢をくぐらせるだけ。)


中骨は、塩をして置いておき、オーブントースターで
こんがり焼く。





酢洗いをしたものは、しょうがよりは、
わさびじょうゆが合っている。


これも、上々。


残ったものは、酢〆と、煮浸(にびた)しにしよう。


煮浸し用には3匹残し、あとは、おろす。


両面塩をし、2時間。
今日は、完全に、〆ることを目指す。


2時間塩で〆て、ここでも一度、酢洗い。
あとは、酢〆。
酢に、気持ち砂糖と塩。


これに漬けて、1時間。
あとはあげて、ラップをせずに、冷蔵庫に。


これは、江戸前の鮨や小肌の酢〆をする仕様を真似てみた。
江戸前の〆方は、特に小肌の場合は、〆て、その日ではなく、
少なくとも食べるのは、翌日以降。それまで、ざるに立てて、
置いておく。これによって、水分が飛び、よく〆まる。






食べたのは、翌晩。


これは、しょうゆだけで。
やはり、ものがよかったのだろう。
脂もよいし、うまかった。


そして、もう一つ。
煮浸し。


腹を出して、塩をせずに、素焼き。
しょうゆと酒だけで、軽く煮て、あとは、冷す。






これを食べたのは、さらに、その翌、火曜日。


だが、これも、そうとうに、うまい。



結局、ものがよければうまいのは、
間違いないのだろうが、たたき、刺身、酢〆、煮浸し。
私が考える、鯵の最もうまい食べ方は、この四つである。


どれも甲乙つけがたい。



今年は、青魚が、不漁気味、という。



だが、夏。
やっぱり、鯵の季節、で、ある。