2月1日(日)第一食
さて。
土曜深夜、毎週のことだが、チューボーですよ!を見る。
今週は、ほうれん草のカレー。
これを見ていて、ちょっと驚いた。
というのか、謎が解けた、といった方が正しい。
秋葉原のジャイヒンドなども出ていたのだが、このレシピ、今まで私が作ってきた
いつもの、いつもの、インドカレー(2007)
とは随分と違っていたこと。
20年も作っているが、私の作るのはサラサラのカレー。
確かに、このタイプのインドカレーも街のインドカレーや、にも
あるのだが、ジャイヒンド、などのものはそうではない。
そうとうに、こってりしたもの。
あるいは、昨年、ドバイへいった時。
あちら、アラブもインドなど南アジアから大量の人々が
働きにきているので、カレーはとてもポピュラーなもので、
あったのだが、中でも、バターチキンという名前の
赤くこってりとしたカレーをよく食べた。
ジャイヒンドにしても、ドバイのバターチキンにしても、
このこってりしたカレー、なにが入っているのか、
どう作るか、疑問であり、不思議だったのである。
今までの私のインドカレーは、大量の玉ねぎみじん切りを
長時間かけて、狐色に炒め、そこにスパイスを入れる。
しかし、今日の、ほうれん草のカレーでは、
最初に、スパイスだけをギーで炒め、その後、
にんにく、しょうが、玉ねぎのみじん切りを、炒める。
ただし、玉ねぎは狐色、などというほどは、炒めない。
なにか、簡単そうである。
ほうれん草カレーではなく、ドバイで食べたバターチキンを
作ってみようか。
そこで、少し、バターチキンのレシピを調べてみる。
と、やはり、共通するのは、先にスパイスを炒めること。
やはり、そうか。
これがどうもポイントのよう。
そして、バターチキンのチキンは、本来は、
焼いたタンドリーチキンを後から入れる、というのも
わかった。
タンドリーチキンは、この前、内儀(かみ)さんのレシピで作ってみた。
これもやってみよう。
タンドリーチキンは一晩は漬けた方がよさそう、なので、
食べるのは、明日の朝だ。
冷凍庫にある鶏もも肉を解凍し、大きめの一口、に、切る。
容器に、ヨーグルト、ケチャップ、しょうゆ、を混ぜ合わせ、
漬けだれを作る。
ここに肉を入れ、よくもみ込み、冷蔵庫へ。
と、ここまでで、今日は終わり。
それから、どうせであるから、
ナンも作ろうか。
そんなことを考えながら、寝る。
翌朝。
起きると、まずは、ナンの仕込み、から、始める。
上の、自分のページのレシピを見ながら、作る。
ボールに粉を計り、それぞれ材料を、混ぜ合わせる。
レシピ通り、俎板に叩きつけなどしながら、10分、
よくこねる。
ラップをし、ここから、温かいところで、
30分ほど寝かせるようである。
今日のレシピでは、カレー自体は、さほど時間が
かからなそうなので、タンドリーチキンを焼いておこう。
まずは、できるだけ、オーブンを熱しておく。
ナンの生地は、ボールに入れたまま、
オーブンの上に置いておく。
その間に、カレーの材料の用意。
スパイス、にんにく、しょうがをそれぞれ大さじ1、すり下ろす。
トマト缶、この程度。
10分ほどオーブンを温め、漬け込んだ鶏肉を
入れる。
さて。
カレーにかかる。
フライパンに、ギー、大さじ3〜4杯。
ちょっと多めの量である。
ここに、ガルダモン、コリアンダー、フェネル、
グローブ、シナモン、ベイリーフ、ガラムマサラ(カレー粉、
S&B赤缶)を入れ、焦げないように、中火で炒める。
グローブなどが、気持ち、ふくらんできたら、というのが
炒め上がりの目安のようである。
OK。
次に、すり下ろしたにんにく、しょうがを加え、軽く炒める。
香りが出てきたら、OK、という。
ここに、トマト缶と、缶半分のお湯。
15分ほど、煮る。
これを、濾す、と、いう。
ベイリーブやら、ホールで入れているスパイスを
濾すのと、トマトの繊維などを取るということか。
濾しやすいように、一度、ミキサーをかけようか。
フライパンから、ミキサーに移し換え、
回し、よく潰す。
これを、裏漉し器を通し、濾す。
今度は鍋に、もう一度ギー大さじ3を入れ、熱する。
ここに、しょうがみじん切り、
カスリメティ(フェネグリークリーフ)を入れ、
軽く炒める。
ここに、乱切り玉ねぎを入れ、しんなりするまで炒める。
この玉ねぎは、具材としての玉ねぎのようである。
ここまでやって、さっきの濾したソースを加える。
レッドペッパー、もう一度、カレー粉。
そして、塩。
煮立てて、味見。
ふむふむ、こってりもしているし、バターチキンらしい、
味もしている。
ポイントは、ミキサーと、どうもギー、の、ようである。
ギーは、大さじ3を2回入れている。
ギー、とは、乳性の脂。
簡単にいえば、バターを溶かした上澄み、で、ある。
むろん、日本の普通のスーパーには売っていない。
近所、蔵前のインド食材店で、買ったものである。
バターを溶かしたものではなく、この本物のギーを使ったのが
よりそれらしくなったの理由かもしれない。
こってり感が強いと、強めに辛味が欲しくなる。
レッドパッパーを追加。
さて。
タンドリーチキン。
10分を2回と、表面を焦がすために、グリルも10分。
この表面を焦がすのが、本物のタンドリー(タンドール)で焼いた
のに、近付けるコツ、で、あることを発見した。
焼けた、タンドリーチキンを鍋に加え、
さらに、カリスメティも加え、弱火で煮る。
最後。
ナン、を、焼く。
寝かしてあった生地を一枚ずつの塊に分け、
丸め、手のひらで潰す。
これをさらに丸く指で引っ張る。
本当のナンは、例の、少し長い形だが、これでは
フライパンで焼けないので、丸くする。
フライパンを熱し、表裏と、焦げ目をつける。
多少、ふくらんだが、なにかいま一つ、ふくらみが少ない、、。
ここから、オーブン。
3〜4分。
焼けたことは焼けたが、なぁ〜んとなく、イマイチ。
ナンらしくない。
仕上げに、ギーを塗る。
カレーは煮すぎてもいけなかろうと、火は適当に
止めておいた。
こちらの仕上げは、生クリーム。
とろーっと、加えて、完成。
盛り付け、食べてみる。
バターチキン。
これは、これは、すばらしい。
まさに、バターチキン。
色もそれらしいし、なんといっても、このこってり感。
ドバイで食べたもの、そのもの、で、ある。
うまい。
ナン。
こちらはというと、味そのものは、ナンの味、なのだが、
焼け具合、ふくれ具合が、見た目通り、今一つ。
その後、内儀さんの分として、もう一枚焼いてみた。
ちょっと、変えたのは、フライパンで焼く際に、
ふたをすること。
こうすると、いかにも、ナンらしく、ふくらんできた。
これで両面やれば、オーブンはいらなかった。
しかし、まだ難点はあった。
ひっくり返して焼くと、せっかく膨らんだのが、重みで、戻ってしまう。
だがまあ、最初のものよりはよほどいい。
ともあれ。
今回の、バターチキン、大成功、で、ある。
いつも作ってきた、さらさらのインドカレーも、むろん
うまいのだが、それとはまた、別もの。
こってりインドカレー、そうとうに、うまいものができた。
玉ねぎの狐色炒めがない分、時間も短縮できている。
しかし、この、こってり系インドカレーは、なんであろうか。
私自身、インドへは行ったことがない。
広いインド、地方によって、あるいは、階級、などによっても、
むろん、様々なカレーのタイプがあり、食べられて、いるのだろう。
(もっと広くいえば、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、
さらに、モルジブ、なども含めた、南アジアでは、広く
この類の食べ物、日本でいうカレー、は食べられており、
いろいろな種類があるのであろう。)
インドでは、さらさらカレーと、こってりカレーと、
どちらが主流なのか、よくわからぬが、
今まで、さらさら、しか、知らなかったのは、
大いなる損失であった。
ちょっと大袈裟のようだが、こってりバターチキン、
私には新しいインドカレーの世界が加わったようで
うれしいかぎり、で、ある。