浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



いか

dancyotei2007-10-30


10月28日(日)


昨日は大学のサークルのOB会。


同級生やら、先輩やら、後輩やら。
おそらく20年以上会っていない顔もあり、
懐かしく、楽しく、夜中まで、呑む。


おかげで、今日は二日酔い。
第一食は、汁物が食べたくなり、海老のかき揚げを揚げ、
そばは乾麺で、天ぷらそば。





午後、やっと酒が抜け、自転車で買い物に出る。
台風一過でよい天気、で、ある。


仲御徒町の床屋で髪を切り、中央通りの和菓子や、うさぎやをまわる。
田舎から出てきている、義母のみやげに、どらやきと、落雁
そして、いつもの通り、アメ横の魚屋。


日曜日のせいか、ものが少ない。


いかの前で、いか、、であろうか、、。
と考えていると、兄(あん)ちゃんが、「いか?」。
この声に押されて、決める。


いかといっても、すみいかも、今日は置いているが、
おそらく、するめいか、と、思われるもの。
刺身でもいけるもの、随分と大きいものだが、五杯で、500円。


帰宅、


いかをさばく、のであるが、普通のいかは、
拙亭では、内儀さんの仕事と、決まっている。


なぜか、この作業は内儀さんは好きなようである。
(とはいっても、五杯もさばくのは、なかなかたいへんではある。)


胴と、下足と、エンペラに分けて、準備完了。
ここからは筆者。


これだけあるので、刺身と天ぷらにする。


天ぷらの準備。
大根おろし、皿に紙、天つゆ、その他の準備は内儀さん。
刺身用のいかもここで切る。


揚げ鍋にストックしてある油を入れ、若干
新規の胡麻油も足す。


ボールに、玉子を割りほぐし、冷水と氷を二かけらほど。


いかを一口程度に切る。
てんぷら用には、三杯、ほどであろうか。
今日は、義母もおり、三人分にはなる。


油に点火。


いつも、湯温が上がりきる前に、待ちきれず、
一回目を入れてしまう。
これは、温度が上がり過ぎるのが怖い、と、いうのもある。


今日は、がまん、と、いこう。


玉子冷水に、小麦粉を溶くのは油温が上がってから。


そろそろいいであろうか。
小麦粉を玉子冷水にそろそろと入れ、溶く。
作業前に、そこそこ上がっている油の火は止めておく。


硬さは、普通。
この普通、と、いうのも、難しい。
このところ、柔らか目になりがちなので、よいかな、
と思うところから、少し、足す。


いかを衣に数枚入れ、再度油に点火。


いかは、高温で短時間。


油は、ご存知のように、温度が上がり過ぎると、煙が出てくる。
この直前、が高温。180℃、ということであろうか。


煙が出始めたところで、火を止め、少し下がるのを待ち、、、。


衣をたらして、確認。
OK。投入。


四枚続けて入れる。
数秒、固まるのを待ち、どんどんと返す。
いかは特にそうだが、どんどんと返さないと、
すぐにはねる。
頻繁に返すことによって、均等に熱が入り、
はねにくくなるので、手早くどんどんと返すことが、鉄則。


最初に入れたものと、後から入れたものと時間差がある、が、
返しているうちに、どれが最初なのかわからなくなる。
見た目の揚がり具合もあるが、全体で、20〜30秒弱、で、あろうか。
端から、どんどんと上げる。
(投入から、ぶつぶつと、頭の中で、数を数えている。)


火を止め、二人の待つ食卓に運ぶ。


すぐに揚げ鍋の前に戻り、次にかかりながら、
揚がり具合を聞く。
まあまあのようだが、ちょっと、長かったか。


二回目、少し、短め。


今度は筆者も食べてみる。





揚がり具合は、まあまあ。



味はかなりうまい。
いかが、よいようだ。


続けて、どんどんと揚げ、三杯分終了。


落着いて座り、刺身も食う。





刺身は、歯応えもあり、ねっとり、あまみもあり、かなりうまい。
(ひょっとすると、するめいかではなかったのかもしれない。)

天ぷらはとにかく、揚げ立てでなくてはだめである。
どんどん、食う。


三人で、天ぷら三杯分、刺身二杯分、あまりにうまく、
瞬く間に、と、いうのはいささか大袈裟だが、
ぺろりと、食い終わる。


今日のいかも、なかなかの、当たり、で、あったようだ。




(それにしても、昨日から、天ぷらが続いている。
どうしたわけであろうか、、、。)