浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



穴子とすみいか その2

dancyotei2009-12-09

12月6日(日)


今日は昨日の続き。


アメ横で、穴子とすみいか、を買って、
穴子は1本半ほど残して、煮て、すみいかは、さばき、


一杯だけ刺身で食べた。


残したわけは、天ぷら、に、しよう、と、いうこと、
で、ある。


夜になり、天ぷらにかかる。


大根おろしは、内儀(かみ)さんに。


まずは、揚げ油の準備。
缶に入れて、ストックしてあるものを鍋にあけ、
予熱。


これは、私だけの問題かもしれぬが、今まで、油温が適温まで
上がりきらないうちに揚げ始めてしまう、と、いうのを
続けていた。
もちろん投入前に、衣をたらして、油温はみているつもり、
なのだが、低めでも、揚げ始めていた、のである。
心がはやり、待ちきれない、ということなのだろう。


二回目からは、温度は上がっているので問題ないのだが、
一回目を必ず失敗する、というのは、悔しい。


天ぷらをされたことがある方はおわかりになろうが、
適温、160〜180℃程度まで上がるには、思ったよりも
時間がかかる。
この“思ったより”というのは、なにかに比べて、
ということになる、のだが、おそらく、自分で思うには、
お湯を沸かす時間、ではなかろうか。


もちろん、油と水では物性が違うので、科学的には、もう少し、
きちんとした説明ができるのだろうが、素人考えにも、
100℃まで上げるのと、180℃まで上がるのとでは
180℃の方が、明らかに時間がかかりそうである。
だが、お湯が沸く時間というのが、刷り込まれているのだろう。
それで、待てない。そんなことかもしれない。


ともあれ。


それで、あらかじめ、余熱をしておき、
待ち時間を減らそう、という工夫のつもり、で、ある。
で、これは、ある程度、成功しているといってよいだろう。


予熱を始めて、次は、玉子冷水を作る。
ボールに玉子を割ほぐし、水と氷。


この玉子冷水の量は、その日揚げる衣の量になるのだが、
いつも作りすぎてしまうので、今日は少し控えてみる。


次に小麦粉。
下地にまぶすために、皿に少し出しておく。


あとは、揚げたものを置いておく、新聞紙。
天かすを取る、網。
揚げ箸、などを用意。


これで、揚げる準備は、すべて終了。
内儀(かみ)さんに、皿や箸、その他、食べる準備も
させる。
せっかく、揚がっても、揚げたてをすぐに食べなければ、
なんの意味もない。


OK。


油に再点火。


玉子冷水に小麦粉を投入。
今日は、市販の天ぷら粉1に、通常の薄力粉3くらいの割合。
少し前から天ぷら粉を使ってみているのだが、
やはり、その威力には逆らえない。
カラッと、揚がることは、間違いない。
だが、あまり硬すぎるのも好みではないので、
このくらいの比率にしてみた。


ゆるさは、ゆるくもなく、硬くもない、
適当と、自分で思える程度。


油温もみる。
高めでいいだろう、が、もう少し、、だ。


先に、衣付け。
まずは、すみいか、から。


3枚ほど、下地の小麦粉(これは薄力粉)をまぶし、衣をくぐらせる。


もう一度、油温をみる。
OK。


3枚、続けて、投入。


お。若干、やっぱり、油温が低かった。
投入した時の、音や、油の状態で、なんとなくは、わかるのである。
いか、こそは、高温で短時間、でよいのだが、
よい色になるまで、1分を超えてしまった。


お膳に運び、これは内儀さんに。





続きをどんどん揚げる。
内儀さんに声をかけて、具合を聞くと、うまい、という。
揚げ方がうまい、というよりは、いか好きの内儀さんには、
すみいかが、うまい、のかもしれぬが、まあ、よい。


揚げては運び、運んでは揚げる。
いかを、全部揚げ終わり、一先ず座り、食べる。


内儀さんではないが、さすがに、すみいか。
刺身もよいが、天ぷらもまた、格別。


二つほど食べて、今度は穴子へ。


同様に、下地をまぶし、衣をくぐらせ、揚げる。
半身のさらに1/2を、4本ほど。
いかよりも、揚げ時間は長め、穴子はよく火を通した方が
よい。短めの時間では、なまぐささが勝ってしまう。





どうであろうか、なかなか、さっくり揚がった。
味も、ほっくり、と、うまい。


今日は、90点くらいであろうか。
やはり、最初が鬼門ではあるが、私の天ぷらも、満足できるものに
なりつつあるか。