浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭の夏休み2023 慶良間~八重山 その11

4421号

前回配信分、9/17、6日間いた慶良間諸島渡嘉敷島から
八重山竹富島の[星のや]へ移動した。
[星のや竹富島]は9/21発で4泊の予定。

ここでは、初日のみ、フレンチのディナーが付いている。
作るのも著名シェフで、島に根差した、島テノワール
銘打っている。

一皿目のアミューズ
品書きには、ヒージャー、ナス、とある。

ヒージャーとは沖縄で山羊のこと。

アップ。

見た感じ、肉は生でタルタルのよう。
なにか赤い葉っぱがのって、黒いのはキャビア
薄い黄緑のものがのっているが、これがなす、であろうか。
下はクリーム状のソース(ムース?)。

もちろん、ここを信用するしかないのだが、
生食できる山羊があるのであろう。
山羊は、においがきついとも聞いていたが、むろん
そんなことはない。

やはり、かなり挑戦的な一皿。

私はおそらく山羊肉も初めてで、かつ、生。
だが、うまい。
そして、上品。
私の味覚経験と、時間が経って忘れかけており、
細かく描写できないのが残念。

ちょいと調べてみると、昨年から、なのか、

シェフは石垣の山羊牧場の仔山羊をコースに取り入れて
いたよう。
アラブや欧州ではタルタル、叩いた肉の生食の習慣は
珍しくないし私も食べたことはある。(パリで牛の
タルタルでお腹をこわしたこともあった。)
フレンチでも山羊のタルタルは、まあ、存在するよう。
シェフのちょいとしたスペシャリテかもしれぬ。

二皿目、前菜。

品書きには、

アカマチ、パパイヤ、やいまみそ、と、ある。

アップ。

アカマチというのは、例によって魚の沖縄名。
和名は、ハマダイ。
温かい太平洋からインド洋の、どちらかといえば、
深海に住む魚。赤く、尾が長く、1mにもなるよう。
沖縄では刺身で食べる高級魚とのこと。

パパイヤは大きく切ったものも入っているが
細切りのオレンジのものもパパイヤ?。
あるいは、島にんじん?。
赤いのはなんであろうか。

やいまみそ、は、八重山味噌なのであろう。
アカマチは白身でパパイヤや細切りの野菜との
味噌和えということになるのだろう。

やはり、これも上品。
これ、このシェフの持ち味なのであろう。
味噌味は甘め。
調べると八重山の味噌は、大豆に米麹を多く使い、
甘いのが特徴とのこと。

生の白身魚と甘い南のフルーツを合わせるという例が
あるのであろうか。レモンなど柑橘をオリーブオイル
と合わせれば、カルパッチョ
魚がボイルしてあれば、メキシカンのセビーチェのような
ものになりそう、か。
ともあれ、少なくとも私は初めて。

甘いフルーツと白身魚を結び付けているのが、甘い味噌。
和食でもフレンチでもあり、また、どちらでもない?。
プロ中のプロの仕事とは、こういうもの、か。

さて、次。
フランス語で、deuxieme、二皿目。
これも前菜に入るのか。

品書き上は、車えび、とだけある。

ラビオリと、冷製のコンソメ

どちらも、車えび、ということか。
やっぱり、上品。

車えびは、石垣島竹富島でも養殖されているよう。

次は、品書き上は、スープで、トマト、マグロとある。
これ。

カップに入った半球状のものと、
楊枝の刺さったもの。

アップ。

スープと銘打ったものは、左のカップ
半球状のものか。
トマトスープのシャーベットか。
まぐろの出汁も入っている?。
きゅうり、なのか、なにかの花びら、などが
華やかに散らされている。
これは、さわやかで、うまい。

右側はまぐろの刺身の表面を炙ってあるのか。
ほんの一口なので、上にのったものがなんなのか、
判別は難しい。

次が、魚料理、なのだが、なんとしたことか、
私の大きなミス。またまた、写真の撮り忘れ。

品書き上は、ガーラ、命薬。

ガーラは、ケラマテラスでも出たが、ロウニンアジ
のこと。

おそらく、これが、付け合わせの命薬。

なぜかこちらだけ撮っていた。

葉っぱの揚げたものは、ヨモギか。
沖縄ではよく天ぷらで食べる。ケラマテラスでも出た。
命薬と書いて、ヌチグスイと読む。
文字通り、命の薬。
薬草のことといってよいか。
固められたものは、イカスミといか(?)、で、
あったか。

肉料理は、ビーフかポークを選べる。
二人で両方もらった。


つづく


星のや・竹富島

 

 

 

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