浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。秋葉原店/浅草そば角萬

今日は、変わり種そば、二種。

4389号

8月7日(月)第一食

なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。秋葉原

ご存知であろうか、ここ。

チェーンといってよいのだろう。

ここには書いていなかったと思うが、
なん回か食べている。

存外うまい。

16年に閉店をした虎ノ門[港屋]インスパイヤー系
といってよいのか。

濃いつけ汁にラー油の入る冷たい日本そば。
ラー油が入って辛そうだがほぼ辛くはない。

[港屋]は「島耕作シリーズ」の弘兼憲史氏が
贔屓にしていたのが知られ、瞬く間に超有名店に
なって、私が知った頃には、長い長い行列。
なん度か店の前まで行ったが、列を見てあきらめていた。
そのうちに、閉店してしまったというわけである。

それで、オリジナルの[港屋]の味が実際どんな
ものであったのか、わからないのだが。

このラー油の入る冷たい肉そばは、ここ以外にも
今はあって、ある程度一般化しているといっても
よいのかもしれない。

肉そば。

つけ汁に豚バラスライスが入る。
ちょっと甘味が勝ったオイリーかつ濃いつゆ。
なるとに、黒っぽいのは海苔。
細く切った油揚げなども入っているか。

そばの方に、ゆでたキャベツ。

冷たいそばのつゆにラー油を入れるというのは、
[港屋]以前にもあったのであろうか。

なかなかの発見であった。
ただこれ、入れてみたら、うまかった、
ではないと思うのである。

中華麺のつけ麺でもこうではないだろうし、
うどんでももう一つであろう。
そばだからうまい。
そばだからよかった。
そこがヒットの秘密であったのでは、なかろうか。
日本そばとしては異端といってよかろうが
そばならではの組み合わせ。

不思議、で、あるが。

 

千代田区神田和泉町1-3-5
西川パーキングビル


8月8日(火)第一食

浅草・そば・角萬

変わっているが、うまいそば、というと
どうしても、ここであろう。

浅草、観音裏の[角萬]。

こちらも、かなりのB級であるが、うまい。
そば界のラーメン二郎、などと言われることもある。

以前は近くだが竜泉の国際通り沿いにあった。
この店の創業がいつごろなのかよくわからぬが、
昭和40年(1965年)の台東区の地図には載っている。
いつから、こんなそばを出しているのもよくわからぬが。
ラー油入り肉そばよりもずっと以前からある。

観音様の裏。
言問通りの北側。
ゴロゴロ会館の通りをずっと北へ行くと
右側にある。

改めて調べると昼のみ、14時までの営業であった。
13時半を目掛けて自転車で。

冷やしの肉南蛮。

これでも十分量は多いのだが、
大方の人は、これの大盛、ヒヤニクダイを
頼んでいる。

夏だけかと思うと、冬も皆、ヒヤニクダイ。

アップ。

なぜこんな太さのそばができあがったのか、
まったく不思議である。
この太さで、かなり強い腰がある。
二八以上に小麦粉が入っているのか。

つゆはちょっと甘め。
冷やし、といっているが、つゆは冷やしている
というわけではなく、なりゆきでさめている、
という感じ。

ねぎに脂身のある豚こま切れが入っているので、
完全に冷やしてしまうと、脂が固まってしまう
のであろう。
このなりゆきが、よい、のであろう。

また、くたっとしたねぎがまた、よいアクセントで
うまいことこの上ない。

場所柄か、客層は、サラリーマンというよりは、
ガテン方向が多いか。

さて。
この二軒、はからずも、どちらも豚肉の肉そば。
偶然であるが、これもおもしろい。

 

台東区浅草4丁目45-4

 

 

 

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